西田大輔が紡ぎ出す“最後の試合”の行方 戦時中の球児たちの夢と希望を描いた話題作が再演

 2018年の初演当時、西田大輔の鋭い感性と繊細な表現による作・演出で大きな話題を呼んだ舞台『野球』。第二次世界大戦中の日本で“野球”に憧れを抱き、白球を追いかけた少年たちの姿を描く。本作の主演・投手の穂積均を務めるのは橋本祥平だ。

橋本「僕が大好きな役者さんたちが口を揃えて、この作品が大好きだとおっしゃっていました。とにかく素晴らしい作品だと聞いていたので、そうした作品に出られるという喜びがまず最初にありました」

 一方、遊撃手の浜岡喜千男を演じるのは西銘駿。

西銘「僕は野球少年だったので、野球を描いた作品に出演できることが嬉しかったです。野球をやりたいという少年たちの気持ちをお芝居で表現することで、その熱さは何倍にも跳ね上がると思います。その熱量を感じていただきたいです」

 戦況は深刻化し、敵国の競技である野球は弾圧され、試合を行うことすら厳しい時代だった戦時中の日本。特攻隊として飛び立つ前に最後の願いとして行った試合を中心に物語は展開し、球児たちの夢や希望とともに、戦争という現実が迫ってくる。

橋本「戦争は絶対に忘れてはいけない記憶です。演劇という形で伝えていくのは、ある種、僕たちの使命でもあると思います。平和はもちろん素晴らしい。ですが、多くの方の覚悟があって今があるということは忘れてはいけない。そうしたメッセージを少しでもこの作品に込められたら、今この作品を上演する意味があるのではないでしょうか」

西銘「戦争を描いてはいますが、決して悲しいだけの作品にはならないと思います。特攻することが彼らにとっては当たり前だった。そんな中で全力で生きて、全力で野球をする姿を、全力で見せていけたらと思います」

 舞台上でキャストたちが見せる、“野球”も見どころだ。今回は、桑田真澄氏が野球監修を担当し、キャストたちのプレイを支える。

西銘「僕たちはそれぞれ見せ場が設けられているので、そこに全力を注げばいいですが、投手は本当に大変だと思います。セリフを言いながら投げるシーンがずっと続きますから」

橋本「稽古では実際にボールを使った練習もすると聞いています。稽古期間で野球部員としてしっかりと練習をしていきたいです。みなさんに忘れられない時間を過ごしてほしいと思っていますので、ぜひ劇場で僕たちの熱量や汗を感じていただけたら嬉しいです」

(取材・文:嶋田真己 撮影:間野真由美)

最近あった「わ!ダマサれた!!」なエピソードを1つお願いします

橋本祥平さん
「最近買った靴下、一度洗ってから何度か履いていたのですが『こんなに柄がぼやけてたっけ?』と異変に気づく。どうやらずっと裏返しで履いていたようです。最近のは裏もおしゃれなのですね。ダマサれた……というか自分の確認不足です(笑)」

西銘 駿さん
「僕はダマされていることに気づかないです(笑)。何かないかなと考えて愛犬に関することで1つ。飼う前に『マルチーズとパピヨンのハーフなので、パピヨンの長い耳、マルチーズの抜けにくい毛が特徴です』と言われました。それから4年後、耳は長くもなく、ものすっごい毛が抜けます(笑)。あれ、これはダマされたではないのかな。なんにせよ可愛いことには違いなく、そんな“ほわり”(犬の名前です)が大好きです」

プロフィール

橋本祥平(はしもと・しょうへい)
1993年12月31日生まれ、神奈川県出身。舞台・ドラマ・映画など、多くの話題作で活躍。主な出演に、ミュージカル『伝説のリトルバスケットボール団』、舞台『東京リベンジャーズ』―聖夜決戦編―、ドラマ『あいつが上手で下手が僕で』シリーズ、東映ムビ×ステ『邪魚隊/ジャッコタイ』など。

西銘 駿(にしめ・しゅん)
1998年2月20日生まれ、沖縄県出身。第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストグランプリを受賞。主な出演に、『仮面ライダーゴースト』天空寺タケル役/仮面ライダーゴースト役、舞台『ギミトリックバード』、『ArcanaShadow』、ドラマ『科捜研の女2022』、『家政夫のミタゾノ』、『牙狼<GARO>ハガネを継ぐ者』など。

公演情報

舞台 『野球』 飛行機雲のホームラン ~ Homerun of Contrail

日:2024年6月22日(土)~30日(日)
場:天王洲 銀河劇場

日:2024年7月6日(土)・7日(日)
場:サンケイホールブリーゼ

料:9,900円(全席指定・税込)
HP:https://www.homerun-contrail.com
問:公式HP内(https://supportform.jp/event)よりお問合せください

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