生演奏✕豪華声優、贅沢に紡がれる極上のオリジナルストーリー 山口勝平・木村良平ら出演で5周年感謝祭を開催

 書き下ろしのオリジナルストーリーを生演奏に乗せて届ける音楽朗読劇『リーディックシアター』。その5周年を記念して『READIC BANQUET~リーディックシアター5周年感謝祭~』がシアターサンモールにて行われ、これまでの作品に出演した木村良平・山口勝平・竹内順子・林勇ら豪華声優陣が登壇する。
 5周年を記念してキャラクターの人気投票も行われるなど、盛り上がりを見せるこのシリーズについて、原作・脚本を務める二宮愛にインタビューした。

―――リーディックシアター、5周年おめでとうございます。2018年1月に公演された『I’m ふたりぼっち』を皮切りに、リーディックシアターがスタートしたとのことですが、この“リーディックシアター”というものが生まれた経緯やきっかけは?

 「ありがとうございます。音と声の魅力を届けたくて10年以上ドラマCDを作ってきたので、生のお芝居をお届けするなら音楽も一緒に……と、『I’m ふたりぼっち』は音楽朗読劇という形式を取らせていただき、その後、冠を“リーディックシアター”としました。
 リーディックは“リーディング(朗読)”と”ミュージック(音楽)”を掛け合わせた言葉ですが、早いうちに“普通の音楽朗読劇じゃない”という意味合いを込めた造語にしておいて良かったです(笑)」

―――今回のイベントにも関わる、これまでの作品ラインナップ(『I’m ふたりぼっち』、『お憑彼サーカス』、『THE∞×Family』、『トリカゴ』)と内容を簡単に教えてください。

『I’m ふたりぼっち』
出演:浪川大輔 山口勝平

 「作家生活10周年の記念に考えていた“登場人物は2人だけ”という企画を、その後3~4年経過した際に仲良しの音響スタッフさんに『これはやった方がいい』と言ってもらい、形にすることが出来ました。
 ふたりぼっちな空間に閉じ込められたタイチとカズヤが、何かしらを救う……かもしれない物語。昼と夜での配役チェンジも快諾していただき、ここでこんなにすごいことが出来てしまったから、その後のリーディックシアターがとんでもないことになったのだと自負しております(笑)」

『お憑彼サーカス』
出演:吉野裕行 浪川大輔 鳥海浩輔 竹内順子 江口拓也 森久保祥太郎 井上和彦

 「モンスターを召喚して取り憑けることが出来る、キルバード・サーカスの団長 フィリップが、世界中を旅する“強制1人2役”な朗読劇。『お憑彼サーカス』というタイトルでは3本の物語を書かせて頂きました。人間とモンスターをその場で切り替えて喋りまくるという声優さんにしかお願い出来ない作品……声優さんを目指す全ての方に観て欲しいと強く思います(笑)。
 また、座長である吉野さんと初めてお仕事させていただき、私なりにリーディックシアターで大切にしたいものが明確になりました。感謝してもしきれません」

『THE∞×Family』
出演:中尾隆聖 下野紘 山口勝平 斉藤壮馬 羽多野渉 木村良平 吉野裕行 明坂聡美

 「誰よりも音楽を愛するギャングのドン、フレディーがオーナーを勤めるアイリッシュパブ『ジ・エイト』のファミリーと共に駆け抜ける、物語と音楽がさらに交わり合うように構成した朗読劇。初の3部作として、ベースとなるストーリーを引き連れながら、それぞれのチームに登場するキャラクターの過去、現在、未来を描きました。
 フルバンドとドレミの生歌、さらに舞台の上を縦横無尽に動き回る演出、時にはガンアクションや手品(笑)までお願いしてしまいました」

『トリカゴ』
出演:日髙のり子 木村良平 佐藤拓也 山口勝平 林勇

 「セカイを体に閉じ込めた少女と、セカイを征服する為に生まれてきたトリカゴの物語。結末選択型音楽朗読劇ということで、全4公演のエンディングが全て変わるというトリッキーな内容で、円形ステージで動き回る……もはや何をもって朗読劇と言うのだろうと(笑)、いろいろと考えてしまった作品です。
 ストリングスによる生演奏が耳に心地良く、よりお客様の想像力に委ねるストーリー展開ではありましたが、様々な考察をして頂けたこともとても嬉しかったです」

―――コロナ禍を経て、”朗読劇”という公演スタイルが随分と増えた印象もあります。そんな今だからこそ改めてアピールしたい、「書き下ろしの物語と声と音の面白さをお届けする“リーディックシアター」のこだわりと魅力とは?

 「コロナ渦は、会場でのお席の数を半分に減らし、公演の延期・中止もありました。パッケージ化・配信なども視野に入れ、1人でも多くのお客様に物語をお届けしたいという気持ちは今も昔も変わりません。ただ、リーディックシアターは生で見て聞いて感じてもらう、お客様と一緒に作品を完成させる、というところに重きを置いております。その為の生演奏で、キャラクターがそこで紡ぎ出す言葉を浴びに来て欲しいと思っています。
 書き下ろしでオリジナルの物語にしているのは、私が歴史上の人物を使ったお話を書くのが苦手だからなのですが(笑)、いろんなスタイル、いろんな味付けで、いつから、何処からでも入って来ていただけるのが強みだと思っております。そしてリーディックシアター行きの船や飛行機を定期的にご用意出来るように、恒例行事に出来るように精進したいです」

―――今回の5周年記念イベントは「トークコーナーあり、作品ごちゃ混ぜ朗読パートありのスペシャルなパーティー」とのことですが、作品の垣根を超えた、いわばクロスオーバーが観られるのでしょうか? 山口勝平さん、木村良平さん、竹内順子さんは兼ね役もあり、芸達者な一面が見られそうですね。

 「朗読劇は昼と夜でまったく違う物語をお楽しみいただけるのですが、昼の部は『お憑彼サーカス』ワールドにみんながやって来て、夜の部は『トリカゴ』ワールドとみんなが繋がる……とんでもないクロスオーバーで、とんでもない兼ね役となっております(笑)。作品を知らない方でもお楽しみいただける内容になっているので、5周年記念イベントからリーディックシアターに触れてみていただくのもありかもしれません!」

―――トークコーナーでは、どのようなトークテーマを予定していますか? 少しだけ教えていただけたら幸いです。

 「個々の作品の思い出トークというよりは、キャストさんが物申したい&ツッコミたいリーディックシアターのあれこれや、スタッフ側からのリークでキャストさんにまつわる裏話が飛び交うことになりそうです(笑)。また、新作の情報もお知らせいたしますので、それに関するネタバレも飛び出すかも……?」

―――5周年を記念したリーディックシアターキャラクター総選挙も開催されました。その結果や、ファンから寄せられたコメントを見ての感想を教えてください。

 「開催時期が近かったこともあって、トリカゴのキャラクターが人気ではあったんですけど、お客様が本当に台詞を細かく覚えてくださっていたり、1~2日で終わってしまう作品のことを今も大切に思っていただけていたりするのが分かって、本当に嬉しかったです。朗読劇にしてはキャラクターをアニメやゲーム寄りに作っているので、印象に残るのかなと思っています。これからもキャラクターは増えていきますが、またこういった作品の垣根をこえるような催し物が出来たら嬉しいです」

―――「新情報も飛び出すかも」とのことでそちらも楽しみにしていますが、5周年を迎えたリーディックシアター、今後はこういったことをやってみたいというさらなる展望はありますか? 新作に対する構想や意気込みがもしあれば、それもお伺いできると幸いです。

 「新作は、ここにきて“THE 朗読劇”と、朗読劇から離れたものを同じ作品でやってみよう……と思っています。まだぜんぜん何を言っているのか分からないかと思いますが(笑)、お客様に『観に行きたい』と思ってもらえる作品を、土台をつくっている段階から見てもらいたいと思います。
 私も初めてのことだらけではありますが、お願いする方は間違いない方しかいませんし、ワクワクと安心の方が今は強いです。早くやりたい(笑)。もちろん今までの作品を一切知らなくても楽しめる書き下ろしのオリジナル作品です。いろんな方に楽しんでいただければと思います。」

―――最後に、ご来場予定の皆様、ファンの皆様へのメッセージをお願いします。

 「リーディックシアターの5周年をお祝いする……という、若干不思議な感覚のするイベントではありますが、朗読劇の作り方、楽しみ方は本当に人それぞれで、そういったそれぞれの感覚を一旦忘れて楽しめる時間になると思っています。
 過去の作品に登場したキャラクターに再び会えるということは、作家である私にとってもあまりないことですし、だったらここでしか出来ないことを思いきりやってやれ!と、少々羽目を外してお話を書きました(笑)。皆さんもほんのり羽目を外して、羽を伸ばして、お楽しみいただけたら嬉しいです」

(取材・文:通崎千穂(SrotaStage))

プロフィール

二宮 愛(にのみや・あい)
作家。音と声の世界を愛し、ドラマCDから展開される作品を多く発信し、作詞・ラジオやイベントの構成作家に加え、漫画原作・舞台やゲームのシナリオなど、活動の幅を広げている。リーディックシアター以外の主な代表作品に、ドラマCD『Are you Alice?』、『停電少女と羽蟲のオーケストラ』、朗読劇『錻力のマリ・アンペール』など。

公演情報

『READIC BANQUET~リーディックシアター5周年感謝祭イベント~』

日:2024年6月15日(土)14:30/18:30開演
  ※開場は開演の30分前
場:シアターサンモール
料:8,800円(全席指定・税込)
HP:http://re-no.co.jp/readic5th/
問:レノ mail:readictheate@re-no.co.jp

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