テレビや舞台の時代劇を手掛けた岡本さとるが新劇団で発進! 「気楽に楽しめる、行きつけの居酒屋みたいな舞台を」 

 テレビや舞台で数多くの作品を創り上げ、2010年からは小説も発表している岡本さとるが、自身の名を冠した劇団「座・時代劇さとる組」を立ち上げる。もはや大御所というべき岡本が、なぜ今、新たに劇団を始めるのか。

岡本「ずっと商業演劇でやってきましたが、そろそろ自分のやりたいことをやってみたくなりました。今の時代、我々世代向けのエンターテインメントが少ないので、行きつけの居酒屋みたいな舞台を目指します」

 第1弾となる『戦国美男砦』には舞台を中心に活躍する室たつきや、ミュージカルなどで活躍の秋山エリサが出演。

室「岡本さんの作品は何本も拝見してきましたが、ご一緒は初めてです。一緒に食事をした時に、さとる組のお話を聞いたらもうワクワクしてきて(笑)。『是非!』とお願いしました」

秋山「岡本さんには学生の頃にお世話になっていましたから、声を掛けてもらえて素直に嬉しいです。昔のように爆笑しながらの稽古がいまから楽しみですし、さらにいぐちさんもいらっしゃるし。主軸はラブストーリーですが、歌と剣舞も入ってエンタメ感倍増の舞台になるでしょう。出雲のお国はみなさんそれぞれのイメージを持っていると思いますが、それを壊さず、さとるさんが描くお国に素直に入り、純粋に恋を貫けたら良いなと思います」

 そして岡本作品を支える名バイプレイヤーが、いぐち武志。

いぐち「もう28年くらいの付き合いになるんですよ。だからもしも僕に声がかからなかったら、『なんで?』となるところでした(笑)」

 そんなメンバーによる舞台は、時代劇ならでは見どころ満載になりそうだ。

岡本「殺陣はふんだんにあるし、あと秋山さんの歌。時代劇に欲しい要素が全部入っていますよ。しかも全編ラテン音楽でいきます」

室「殺陣も今風のスピード重視ではなく、魅せる殺陣をイチから学んでいきます。若い世代に、これこそ残っている演劇だと示せるようなものを作ろうと思います」

秋山「今まで洋物ミュージカルが多くて日本舞踊などの経験は少ないですが、踊りの原点であるお国を歌も活かして創り上げたいです。特に女性のお客さまには、お国と自分を重ねて楽しめるように、夢心地で美男を浴びつつ楽しんでいただければと思います」

いぐち「観ていて肩の凝らない気軽な時代劇で分かり易い物語ですから、お子さんでも楽しめる作品になってますよ」

岡本「昔懐かしい楽しい芝居に今を少し混ぜ込んだ、そんな作品をお送りします」

(取材・文:渡部晋也 撮影:間野真由美)

五月病を乗り切れる!?かもしれない、生活の時短術を教えてください!

岡本さとるさん
「時短とか何も考えずに、だらだらしていても好いので、ただひたすら1日の予定をいっぱいにしています。そうすると五月病とか言ってられませんから。もっとも、老境に入ったわたしにとって五月病は、既に若き日の遠い思い出になっていますが……」

秋山エリサさん
「切れた野菜を買う。いつもなら八百屋でみずみずしい新鮮なキャベツや長ネギなどを買って、よく研いだ包丁でカタカタカタッと心地よいリズムで刻み、食卓に並べたいものですが、疲れが出やすいこの時期は、世の中の“便利”に甘んじて、“千切りされた野菜”を買います。昆布だしの効いた湯船に薄切りの豚肉を浸して、解き放たれたたくさんの千切り野菜を箸でお肉と共に挟み込み、口に頬りこむ。味わいの時間を優先して、五月病を乗り切り、座組一丸となって本公演の初日を迎えたいと思います」

いぐち武志さん
「このテーマを知るまでは取り上げて“五月病”を意識した事はなかったです。1年を通し状況に応じてそんな状態になったりならなかったり。前日にこれからのto doを頭の中で考え、それを出来る事から早目に済ませて行く。それが自分なりの時短術になるんでしょうかね。このテーマから“五月病”を今、めっちゃ意識する様になりました(笑)」

プロフィール

岡本さとる(おかもと・さとる)
松竹株式会社を経て脚本家・演出家として活躍。『水戸黄門』、『必殺仕事人2009』、『雲霧仁左衛門』などの時代劇ドラマを多数手掛ける。舞台では、新作歌舞伎・時代劇・音楽劇の他、吉幾三出演の舞台公演などの演出も手掛けている。さらに2010年からは、小説家としても作品を発表している。

室たつき(むろ・たつき)
ストレートプレイから、コメディ・小劇場・ミュージカルなど様々なスタイルの作品に出演。さらに天童よしみ、松平健、中村美律子などが出演する、劇場特別公演などにも参加している。

秋山エリサ(あきやま・えりさ)
子役としてキャリアをスタート。その後、南青山少女歌劇団に参加。2009年、ドラマ『非婚同盟』で話題を集めた。日本パンコーディネーター協会会員でもあり、パンシェルジュ検定2級の資格を持つ。

いぐち武志(いぐち・たけし)
オーディションで選ばれた東映映画『恐怖のヤッちゃん』出演後、本格的に活動を開始。独特のキャラクターで吉幾三公演・コロッケ公演などに出演。本人は自分を称して珍優と呼んでいる。

公演情報

teamGekiプロデュース 座・時代劇 さとる組公演 舞台『戦国美男砦』

日:2024年5月23日(木)~26日(日)
場:博品館劇場
料:A席8,500円 B席7,500円(全席指定・税込)
HP:http://satorugumi.tokyo/toride/
問:teamGeki
  mail:sengokubinantoride@gmail.com

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