ミュージカル風コメディを柏原収史の演出で再演 オネエたちの奮闘を笑いと涙たっぷりに描く

ミュージカル風コメディを柏原収史の演出で再演 オネエたちの奮闘を笑いと涙たっぷりに描く

 田中大祐が脚本を書き、これまで何度も上演されてきたミュージカル風コメディ『ろくでなしコーラス』がパワーアップして帰ってくる。今回、演出・音楽を担当するのは柏原収史。場末のバーを舞に、悩みやトラウマを抱えた女装した男たちが、ママさんコーラスへの参加を目指す姿を、笑いたっぷりに描き出す。

柏原「この作品は演じるキャストによって、大きく印象が変わる作品だと思います。初演を観劇された方も、そうした違いを楽しんでいただけると思います。この脚本、このキャストでつまらないことは100パーセントない。元気が出る作品になると思います」

 アンジェ役のイ・ウゴンは、ニューハーフ役に初挑戦。抜群の歌唱力を活かし、座組みを歌と芝居で引っ張る。

ウゴン「凄く楽しみですが、初めてのニューハーフ役には心配もあります。僕は今回、唯一の韓国人キャスト。作品のために自分を捨てて、集中して挑みたいです。僕にとっても思い出の作品になると思います」

 バーのママ役の水谷は「ゲイバーのチーママ役はやったことがあるのですが、ママは初めて。ついにきたなと思いました」と早くも役を楽しんでいる様子。

水谷「みんなそれぞれにドラマがあって、悩みや問題とうまく付き合っている。男でも女でもない立ち位置の微妙なバランスを出せたらいいなと思っています。しっかりと役を演じることでコメディとしてもおもしろい作品になるんじゃないかなと感じています」

 そして、田中は“とにかく明るいオネエ”のレパード玉鹿役。

田中「役作りとしてゲイバーに行って、参考となる方を見つけてきたいと思います。今回のお芝居は、頭で考えるのではなく、楽しく演じて心をあたたかくすることが大事。心は演じているうちに出来上がると思うので、まずは外見から作っていきたいと考えています」

 ママさんコーラスのステージを目指して、オネエたちが奮闘するこの舞台。

田中「それぞれのキャラクターみんなに見せ場がある。だから、観るところによっておもしろさが変わってきます。濃いキャラクターがたくさん登場しますから(笑)」

水谷「オネエたちだけじゃなく、それ以外のキャラクターもみんな個性的で、凄くリアルに描かれているのもポイントです」

ウゴン「色々な事件が起きて、最後は感動する。きっとみなさんにも大好きになってもらえる作品になると思います」

(取材・文:嶋田真己 撮影:間野真由美)

プロフィール

イ・ウゴン(い・うごん)
韓国出身4 人組男性ボーカルグループ「TRITOPS*」のメンバー。2018年4月にはソロデビューも果たす。2017年7月、UMANプロデュースPresents 戦国活劇『サムライガンバ』出演以降は俳優としても活躍し、近年では歌手・木山裕策氏の楽曲「home」をモチーフに制作された舞台『Home』に出演。

水谷あつし(みずたに・あつし)
「東京キッドブラザース」の看板俳優として全国公演で活躍。退団後は、ドラマ・映画などの映像作品にも出演。近年の主な出演に、舞台『画狂人 北斎』、『伊賀の花嫁』シリーズなど。

田中稔彦(たなか・としひこ)
舞台を中心に幅広く活動。2024年、長編映画『莉の対(れいのつい)』では、自身初の脚本・監督作品でありながら、ロッテルダム国際映画祭で最優秀作品賞であるタイガーアワードに輝くなど映画界への監督デビューとして大きな一歩を踏み出した。

柏原収史(かしわばら・しゅうじ)
1994年、ドラマ『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』で俳優デビュー。ミュージシャンとしても活動しており、アーティストへの楽曲提供や劇伴音楽制作も行っている。2000年公開の映画『スリ』にて、日本映画評論家大賞 新人賞受賞。

公演情報

舞台『ろくでなしコーラス』2024

日:2024年3月20日(水・祝)~24日(日)
場:浅草花劇場
料:S席9,300円 A席7,800円(全席指定・ドリンク代別・税込)
HP:https://ticketstage.jp/rokudenashi2024/
問:ライズコミュニケーション mail:stage@risecom.jp

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