48グループの絆が生むテンポの良い会話劇 吉村卓也が手がける三人芝居“ 私しら”に込山榛香・上西恵・高倉萌香が出演

 同じストーリーをベースに、男女それぞれのバージョンが同時上演される新感覚の三人芝居『僕らが鎌倉に来たのは、ただしらす丼を食べるため』/『私たちが鎌倉に来たのは、ただしらす丼を食べるため』が2024年1月に上演される。コロナ禍の影響を受けて中止となったが、元々は2020年3月に上演予定だった作品で、脚本・演出は吉村卓也、音楽は『ポケットモンスター』シリーズをはじめ、数多くのサウンドトラックを手掛ける景山将太が担当する。
 男性キャスト版には、2.5次元舞台を中心に活躍する反橋宗一郎、松井勇歩、そしてダンスボーカルグループBUGVELのMINATOという異色なメンバーが集まる中、女性キャスト版には現役のAKB48メンバーである込山榛香、元NMB48の上西恵、さらに元NGT48の高倉萌香という、“48グループ”繋がりの3人が選ばれた。ファンからの注目も集まる中、それぞれの胸中は?

―――込山さんは現役ですが、上西さん・高倉さんも、それぞれ別の拠点の48グループでかつては活動されていましたね。これまでに共演や交流は?

上西「こみちゃん(込山さん)とはお仕事したことあるよね?」

込山「はい! 雑誌の企画で写真集の争奪戦みたいな企画をやった時に、ライバルではありつつも、一緒に撮影をした思い出があります」

高倉「私は上西さんとは活動期間がほとんどすれ違いで、合同のイベントなどでご一緒したことはあったかと思うのですが、上西さんともこみさん(込山さん)とも、ちゃんとお話するのは今回が初めてだと思います」

込山「握手会やライブですれ違ってはいるけど、なかなかゆっくり話す機会はないもんね」

―――「この3人で舞台をやります」と聞いてどう思われましたか?

上西「48グループの子って、辞めた子も現役の子も、プロ意識が高くて本番に強いなって思うので、とっても安心しました! 2人からしたら私は48グループの中で先輩だったので、緊張しちゃったらどうしようと思ったのですが……」

込山「いやいや! 私も安心しましたよ! 3人でのお芝居と聞いて、“これはチームワークが大事だな、誰と共演することになるのかな”と思っていたら、(共演者が)上西さんと萌香ちゃんに決まったと聞いて、こんな形でまたご一緒できるなんて!とめちゃくちゃ嬉しかったです。
 最初から48グループのメンバーでやろうと思って立ち上がった企画ではなく、結果的にこの3人になったとも聞いているので、まさに奇跡だなって思います」

高倉「このメンバーでやると聞いた時はビックリしたんですけど、お二人に久しぶりにお会いできるのがすごく嬉しかったですし、ファンの皆さんも喜んでくださるだろうなって嬉しくなりました。お客様も48グループのファンの方が多いのかなと思うので、初舞台で緊張していますが、アットホームな空間になりそうで、ありがたいです」

―――今回演じる役について、自分と似ている部分、共感できる部分はありましたか?

上西「ありました! 私が演じる“さとり”は、はしゃいでいる他の2人に対して『そういうこと、していいの?』って一歩引いて聞いたりするんですが、そういうテンション感や若干神経質なところが凄く共感できて……当て書きされたのかなって思うくらい」

込山「私もそう思いました! 私たちのこと、よく調べて書いてくれたのかな!?ってビックリしましたよね」

上西「そうだよね! 台本を読みながら、こみちゃんや萌香ちゃんの声で脳内再生できちゃった(笑)」

込山「これまでに出演した舞台でも色々な役をやらせていただいてきましたが、役作りには苦悩することが多くて……。でも今回演じる“お姫”は本当に、私をモデルに書いていただいたのかなっていうくらい、私だけでなく3人ともハマり役だなと思うので、自然な会話劇をお見せできると思います」

高倉「私が演じる“かりめろ”はアイドルオタクの役です。元アイドルがアイドルオタクの役って不思議な感じはするのですが、私自身もかわいい女子アイドルが好きなのでそこは共感できるなと思いますし、他の2人に比べてちょっと暗いというか、陰のある役なので、自分に近いかもと……上手く演じられたらいいなぁと思います」

―――ただ、高倉さんの役が1番テンションの振り幅は激しいと聞いています。

高倉「そうなんですよね……! そこは、自分の殻を破って思い切りできるように頑張ります」

―――楽しみにしています! 今回は男性キャスト版“僕しら”と女性キャスト版“私しら”が同時上演という斬新なスタイルですが、それについてはいかがですか?

上西「全く違う作品になりそうだなって思います。Wキャストとはまた違う発見や学びがありそうで、ぜひ男性キャスト版の稽古や本番も見学したいです」

込山「どうしても比較されてしまう不安もあるんですけど、あえてライバル意識も持ちつつ、“僕しら”と“私しら“、それぞれ切磋琢磨してやりたいですよね。そういう意味では、稽古も見学して刺激し合いたい気持ちもあります」

高倉「それぞれの良さがあると思うので楽しみですし、今回は別々でお稽古をすると聞いているのですが、私は今回が初舞台なのもあって色々な方のお芝居を観て吸収したい気持ちも強いので、ぜひ“僕しら”も観てみたいです」

―――冒頭で3人がゲームセンターで“女子高生ごっこ”をするシーンがありますが、お三方とも、青春時代をアイドル活動に捧げてきたのではないかなと思います。そこで、学生時代にこういうことに憧れていた、というエピソードがあれば教えてください。

込山「文化祭を経験したことがないので、出てみたかったな~って思います。あとはまさにゲームセンターで放課後に友達とプリクラを撮る、みたいな、放課後に友達と遊ぶという経験は小学生までで終わってしまったので、学校終わりに友達と“制服のままで”遊びに行く、という経験をしてみたかったですね」

上西「私はアルバイトですね。学生時代に友達と同じアルバイト先を選んで、キャッキャしながらも頑張って働く、みたいな経験をしてみたかったです」

高倉「私は2つあります! 1つは校則が厳しくてスカートの丈を凄く長くしないといけない学校に通っていたので、ミニスカートの制服で学校に行ってみたかったなという夢がありました。
 もう1つは、ちょっと特殊なんですけど、男の子に生まれて学校でモテモテになりたかったなぁっていう、憧れというか妄想です(笑)」

―――三者三様の憧れがありますね! 続いて、作品にちなんで鎌倉について、“しらす丼”をはじめとしたイメージや、行ったことがある方は思い出などありますか?

高倉「行ったことはないんですが、大仏があるって聞いています」

込山「あるある! 私は母と一緒に鎌倉で食べ歩きをするのが好きです! 色々な出店があるので、母と半分こしながら、美味しいものを沢山食べます。それこそしらす丼も季節によって生しらすだったり、釜揚げしらすだったり、鎌倉に行くと必ずといっていいほど食べています」

上西「いいなぁ~! 私はまだ行ったことがなくて、海鮮を食べに行きたいです。この作品を機に絶対に近いうちに行きたいなと思っています」

込山「鎌倉は時間の流れがゆっくりしているように感じます。ちょっと異空間というか、不思議な場所ですよね。猫もいっぱいいるし(笑)。
 この作品を観終わった後に、改めて作品タイトルである『私たちが鎌倉に来たのは、ただしらす丼を食べるため』の意味を考えてもらったら、きっと深いなって思えるのではないかなと」

―――観た人ももれなく鎌倉に行きたくなりそうですね! では最後に本番に向けての意気込みをお願いします。

上西「三人芝居は初めての経験で、どんな感じで出来上がっていくのかまだ想像ができないものの、この3人でならきっとめちゃくちゃ楽しい作品になる予感しかしません!
 こみちゃんはまだ現役のAKB48ですが、私と萌香ちゃんが現役の頃には観られなかったこの3人の“夢の共演”をぜひ沢山のファンの方々に観に来ていただきたいです」

込山「これまで5~6人でのお芝居はやったことがありましたが、ここまで人数が少ない舞台は初めてで、一人ひとりの責任が大きい分、緊張しています。
 でも、昔から優しくて頼りにしている先輩である上西さんと、いてくれるだけで癒されるムードメーカーな萌香ちゃんと3人でできるのが心強くもあります。3人それぞれの個性が、奇しくも役にも反映されているので、それぞれのカラーを大事にしながら見応えのある三人芝居が出来上がるのではないかと私自身も楽しみです!」

高倉「初舞台ということで、台本をいただいてから、もう夜も眠れないくらい緊張しているのですが……。先輩おふたりに優しく接していただいて感謝しています。
 舞台経験豊富な先輩方から色々と吸収させていただきながら、脚本演出の吉村さんや、スタッフの皆さんたちにも沢山ご迷惑をおかけしてしまうかと思うのですが、皆さんへの感謝の気持ちをもって、自分なりに一生懸命頑張りたいと思います」

(取材・文&撮影:通崎千穂(SrotaStage))

プロフィール

込山榛香(こみやま・はるか)
1998年9月12日生まれ、千葉県出身。2013年にAKB48 第15期生オーディションに合格し、活動を開始。2020年、「LARME」レギュラーモデルオーディションにて3位を獲得するなど、グループの外でも目覚ましい活躍を見せる。近年では映画『恋愛リアリティーショー』で主演・中神由紀役を務めるなど、女優としても覚醒。主な舞台出演作品に、オムイズム vol.7『探求』、朗読劇『カラフル』、ILLUMINUS『星よ女王に堕つ』など。

上西 恵(じょうにし・けい)
1995年3月18日生まれ、滋賀県出身。2010年、NMB48第1期生オーディションに合格し、同グループのオープニングメンバーとして活動を開始。2016年にグループを卒業した後、2019年以降は舞台を中心に活躍中。舞台『キューティーハニー』シリーズ 主演・キューティーハニー役、舞台『真・三國無双』シリーズ 月英役、舞台版『誰ガ為のアルケミスト』- Last Blue漆黒から、君二- カグラ役、舞台『アキバ冥途戦争 ~浪速喰い倒れ狂騒曲~』富美代役など、スタイルの良さを生かし、2.5次元舞台への出演も多い。

高倉萌香(たかくら・もえか)
2001年4月23日生まれ、新潟県出身。2015年、NGT48第1期生オーディションに合格し、同グループのオープニングメンバーとして活動を開始。2020年に同グループを卒業後は、2021年にテレビ放送されたTBSスター育成プロジェクト「私が女優になる日_」の出演メンバーに選ばれ、再度注目を浴びた。今作が初の舞台出演となる。

公演情報

舞台『僕らが/私たちが鎌倉に来たのは、ただしらす丼を食べるため』

日:2024年1月24日(水)~28日(日)
場:中野 ザ・ポケット
料:SS席[前列4列・特典付]12,000円
  S席[前列5~8列・特典付]8,000円
  A席[一般席]6,000円(全席指定・税込)
HP:https://bokuwata-shira.com
問:Tie Works mail:info@tieworks.jp

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