グリム童話の主役がバトルロワイアル! ぶっちぎりコメディ「裏シリーズ」が待望の再演 白雪姫の“裏”ストーリーを、コメディ100%で描くSFエンタメ舞台

グリム童話の主役がバトルロワイアル! ぶっちぎりコメディ「裏シリーズ」が待望の再演 白雪姫の“裏”ストーリーを、コメディ100%で描くSFエンタメ舞台

 まだ色濃く染まっていない原石たちを、演劇・ダンス・歌・笑いを通して無限に輝かせる若手クリエイティブ集団「ぱすてるからっと」。その中でも笑いに振りまくったコメディぶっちぎり作品「裏シリーズ」が待望の再演となる!
 暴言・放火魔気質の貧しいマッチ売りの少女・福子は、ハイホー族の少女達に捕まり、ガラスの箱に連れていかれた。そこに眠るのは美しい白雪姫と、まさにキスで眠りから姫を救おうとする王子様。
 「童話の流れ的に僕がキスをして、奇跡的に目覚めるくだりをやるから邪魔しないで」。すると福子は「王子様だからってなんでも偉そうに言うなよな! 燃やすぞこの野郎!!!」と白雪姫にキスをしてしまった! 童話と違う展開を迎えた白雪姫の物語。ここから思わぬ展開へ転がっていく!? ピーターパン、ティンカーベル、グリム姉妹も物語を超えて加わる100%コメディ・SFエンターテイメント舞台はどんな結末を迎えるのか!?
 白雪姫と福子をWキャストで演じる美月まりも、木村佳奈枝、小日向はる、神崎晴香の4人に本作への意気込みを聞いた。

―――美月さんと小日向さんは初演でマッチ売りの少女・福子と白雪姫を演じられました。本作にどのような印象を持っていますか?

美月「初演はコロナ禍の前だったので、客席もみっちり満席御礼が毎日続いていました。キャラクターが登場する度に笑いが起きて、それがフィナーレまでずーっと続いていた印象があり、改めてお客様にも反響が大きかった作品だと思いました。私もそれを機に知ってもらえるようになったので、今回再演が決まってすごく楽しみにしています。
 この作品を一言で表すとすれば、“今年のクリスマスプレゼント”ですかね。とにかく笑って帰ってもらえたら嬉しいです。
 貧しいマッチ売りの少女の福子は、白雪姫の物語に巻き込まれていくのですが、そこに登場するキャラクターはふざけ倒した奴ばかり。そこに怒りのツッコミを入れていきます。暴言、放火魔気質となっていますが、私からすれば完全に被害者ですね。演じる上ではかなり体力が必要ですが(笑)」

小日向「まりもちゃんも言ってましたが、この作品でファンになってくれる方がとても多かったのは嬉しかったですね。『またお芝居が観たい』や『“裏白雪姫”の再演を是非!』と言って下さる方も多くて、その期待に応えられるのが何より嬉しいです!
 私も再演を心から待ち望んでいました。私にとっては初主演作ですし、今回の再演では2年ぶりの舞台になります。普段はアイドル活動をしていて、なかなかお芝居の時間をつくることができず諦めることも多々あったのですが、やはり『裏白雪姫~』で白雪姫を演じるのは私じゃなければ!という思いもあったのでかなり気合が入っています!
 最初、姫を演じるとなった時にファンの方から『え!? 大丈夫??』と言われたのですが、全く心配なくて、むしろ普段の私を出している感覚で演じることができました。深く考えて、こうしよう!というよりも、とにかく楽しもう!という感覚でできたのが良かったのかもしれません」

―――初出演の木村さんと神崎さんはどんな印象をお持ちですか?

木村「台本を頂いて読んでいると本当に笑いが絶えなくて、最後はちょっとホロっと泣かされてしまいました。この作品で福子を演じさせてもらえる幸せを感じると共に、初演でペアを組まれた美月さんと小日向さんのお二人が逆班にいるので、ちょっとプレッシャーもあります。私自身、王道のコメディ作品に出たことがなくて、特に福子のようなツッコミの役を演じたことがないので、今回は大きな挑戦です!」

神崎「最初にマネージャーさんから『かんちゃんにぴったりな役があるよ』と言われて、何役かと聞いたら『お姫さま』で『えっ!?』と驚きました。台本読んでもそんなことある?と思ったのですが、共演者の方から『めっちゃ合っている!』と言われて、そんなに言ってもらえるだったら自信を持ってやろうと思いました」

木村「私も本を読んで神崎さんピッタリだなと思いました!」

一同「(笑)」

神崎「やっぱり!? 木村さんとは今回3度目の共演で、一度、W主演を演じたこともある仲なんです! 前回も木村さんから同じこと言われた気がする(笑)。
 5年前の公演を観たくて色々探したのですが見つからなくて、X(旧Twitter)でやっと画像だけ見つけることができたのですが、画像からでもふざけ倒している雰囲気が伝わってきました(笑)」

小日向「こちらは一生懸命、真面目にやってたけどね(笑)」

一同「(笑)」

―――公演の中では、ダンスがかなり大きな要素を占めていると思いました。

美月「他の団体さんだと全くダンスが無かったり、あっても1曲ぐらいだったりという中、ぱすてるからっとさんは全3曲のダンスがあって、それぞれ違う振付師さんが付いています。ダンスの上手な子もそうでない子も、最初から最後まで一致団結して踊る一体感が他にはない強みなのかなと思いました」

―――美月さんは本作で振付も担当されています。どんな振付を意識されていますか?

美月「踊るキャストの皆さんが楽しめるダンスを心掛けています。うまく踊れなくて、苦手意識や嫌だなという感情が出てしまうとお客さんにも伝わってしまうんですね。キャストが楽しむことができれば、それが空気となって会場の良い雰囲気をつくるので、それを1番に考えて振付をしています。私は皆に教えてから、自分の振付を覚えるのですが、皆が上手になっていく過程を見るのが好きなので、毎回ワクワクしますね」

小日向「まりもちゃんが振付をしている時は厳しい眼差しを感じます! ……いや! あ、でも……優しくもありです! はい!」

一同「(笑)」

小日向「私はダンスが苦手な方なのですが、ぱすてるからっとさんのお蔭で成長できたと実感します。初演の時のダンスを見返すと、まーひどくて」

美月「それ、めっちゃ分かる!」

小日向「でも最初はさっぱりだったダンスが、ぱすてるからっとさんの作品に出させてもらうようになって、だんだんと踊れるようになっている自分がいて。なので公演の中で成長をさせてもらっているなと感じます。これも美月先生のおかげです!」

美月「みんなにダンスの楽しさを知ってもらいたいので、どうしても熱は入りますね。
 それにダンスが物語の一部を担っているので、例えばオープニングのダンスで後半の鍵となるシーンの一部分が垣間見える振付を入れることがあります。それは、お客さんが後半にそのシーンを見た時に、『オープニングの振付はこの意味だったのか』という伏線につながるようにという工夫です。それにダンスが上手いキャストは『選抜組』としてより際立たせたステージングを組んであるのでそこも見どころです」

小日向「本当にワクワクするよね! オープニングは『さぁ!始まる』って感じで、エンディングは『あー良かった』という感覚になるダンスだよね。だから、ぱすてるからっとさんの作品にダンスは不可欠です!」

―――お二人は今の話を聞いてどう感じましたか?

神崎「私は何度もぱすてるからっとさんに出させてもらっているので、今の話を聞いてうんうん、そうだなと頷いていました。まりもちゃんの振付は最高だと思います。オープニングの振付にはキャラクター性やストーリーの一部が、またエンディングであれば『あの時のあのシーンだ』という本編を観たからこそエモく感じる回想につながる振付が散りばめられているので、私が大好きなポイントです!」

木村「私は今回、ぱすてるからっとさんは初出演なのですが、ファンの方に今回出るよ!と言ったら『ぱすてるからっとさんのダンスは照明も凝ってるので、観に行くのが楽しみ』という声を沢山頂きました。私自身、ダンスはそんなに得意ではないのですが、思い切り楽しもうと今からワクワクしています!」

―――お話にあったように、照明もかなり凝っているそうですね。

美月「ぱすてるからっとの公演では毎回、同じ照明さんにお願いをしているので、私からこういう世界にしたいと言葉にして伝えずとも、上手に表現してくださるので有難いですね。
 いつもは神秘的だなーと感動するばかりでしたが、今回は照明をコントの場面に反映させた笑いも仕掛けてあります。照明のタイミングやキャスト同士の呼吸などをうまく合わせるのがコメディの難しいところですが、そこは是非楽しみにしてもらいたいです!」

―――最後に読者にメッセージをお願いします。

木村「この舞台を観て、『今年1年楽しかったな』と思ってもらえるような作品にできればと思っているので是非、多くの方に観に来て欲しいです!」

神崎「観終わった感想が、『あー笑った! くだらなかったな』と言ってもらえることが私達にとっての誉め言葉ですので、全力で真面目にふざけ倒します! 是非何も考えずに楽しみに来て下さい!」

小日向「私は普段からお客さん『楽しい』を提供するのが大好きなのですが、私自身も楽しい!と言える作品にしたいです。2023年最後の最後に一番笑わせます! 是非、一緒に楽しみましょう!」

美月「初演の時よりも台本も変わってキャストの人数も増えているので、前回観た方もよりパワーアップした作品を楽しんで頂けますし、初めて観る方もすぐに入り込める世界観ですので、是非、笑いで今年1年を締めくくってもらえたら嬉しいです!」

(取材・文&撮影:小笠原大介)

プロフィール

美月まりも(みづき・まりも)
2018年、ぱすてるからっとproduce 舞台『裏白雪姫物語』初演にて福子役で主演。以降、同団体の複数公演で振付を担当。過去出演作に、ぱすてるからっとproduce 舞台『水上のゴンドリエーラ』W主演・ダンス振付、未来演劇部 第一弾公演『ドレミの歌(女子校版)』主演、“STRAYDOG” Produce『竜二 ~お父さんの遺した映画~』など。

小日向はる(こひなた・はる)
2018年、ぱすてるからっとproduce 舞台『裏白雪姫物語』初演でも同じく白雪姫役で出演。以降、同団体の複数公演に出演。舞台活動を休止していたため、本作で約2年ぶりの舞台出演となる。ユニット「欲ばりなHoney」メンバー、ミスヤングチャンピオン2018 グランプリ。過去出演作に、ぱすてるからっとproduce 舞台『コネクト・ライフ』など。

神崎晴香(かんざき・はるか)
ぱすてるからっとの作品に過去、複数回出演。過去出演作に、ぱすてるからっとproduce 舞台『水上のゴンドリエーラ』、SAB-on『権乱業火』など。フライドBALL企画 vol.50『うらがわの事件簿』では、今作でWキャストを務める木村佳奈枝とW主演を果たした。

木村佳奈枝(きむら・かなえ)
今作にて、ぱすてるからっと初出演。過去出演作に、五反田タイガー 13th Stage『BORDER〜罪の道〜』、Play Omnibus 第2回本公演『よかよ』など。フライドBALL企画 vol.50『うらがわの事件簿』では、今作でWキャストを務める神崎晴香とW主演を果たした。

公演情報

ぱすてるからっとproduce 舞台『裏白雪姫物語』

日:2023年12月13日(水)~17日(日)
場:シアターグリーン BOX in BOX THEATER
料:S席[特典付]6,000円
  A席・車椅子席5,000円(全席指定・税込)
HP:https://pastelcarat.web.fc2.com
問:ぱすてるからっと
  mail:pastelcarat_info@yahoo.co.jp

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