自分を好きになれる・推しが見つかる“新感覚”の舞台 クリスマスを前に女優達が暴れ回る! 『abc赤坂ビーンズクラブ』-side 3- 待望の上演

自分を好きになれる・推しが見つかる“新感覚”の舞台 クリスマスを前に女優達が暴れ回る! 『abc赤坂ビーンズクラブ』-side 3- 待望の上演

 2度あることは3度ある!? 個性豊かな女優達が、日常で見かける“女子あるある”を面白おかしくコントで表現したり、かと思ったらシリアスな芝居で涙を誘ったり、バキバキにカッコいいダンスを踊ったり、歌ったり、楽器を演奏したり……さまざまな表情を見せてくれる“レヴューショウ”、『abc赤坂ビーンズクラブ』が赤坂RED/THEATERに帰ってくる!
 初演から皆勤賞で出演する水野花梨、『~side2』から引き続きの出演となる高橋紗良・竹内麗、そして先日アーティストエージェント リンクスが主宰するコンペティションライブ2023で優勝した期待の新星、森下結音に改めて本作の魅力を聞いた。

―――初演、『~side 2』を通じて感じた『abc赤坂ビーンズクラブ』という作品の魅力とは? お客様からのリアクションはいかがでしたか?

水野「『abc赤坂ビーンズクラブ』は自分をさらけ出せる舞台なので、お客様からも、観にも来てくれた身近な友人たちからも『花梨の素が見えて良かった』と言われました! お芝居・コント・ダンス・歌がオムニバス形式で楽しめるので、『観やすくて時間があっという間だった』という意見も多かったです。
 色々な自分を観ていただける機会でもあり、ストレートの舞台と違って、総合的な”エンターテインメント”という感じですね」

―――正直、初演の稽古をしている時は「何だろう、この作品……」と不安になりませんでしたか?(笑)

水野「正直に言うと……めちゃめちゃ不安でした(笑)。でも本番が始まってお客様の笑い声が作品に加わったことで、『あ、これでいいんだ!』という確信が持てるようになり、ステージを重ねるごとに私たち女優陣の表情も明るくなっていきましたね!」

―――お客様を笑わせようというよりも、とにかく目の前のことを一所懸命に、ダンスも歌も含めてそれぞれのパートを真面目にやりきったのが逆に良かったのかもしれませんね。

水野「そうですね! 演出の南鳩さんもまさに『ウケを狙うのではなくて、日常的なネタを皆が真剣にやるからこそ、笑いが起きるんだよ』とおっしゃっていました」

―――『~side2』から出演している高橋さん・竹内さんは、初演をご覧になった後で実際にカンパニーに入ってみていかがでしたか?

高橋「初演を拝見した時に、1つの作品を一致団結して仕上げつつも、『私を見て!!』という熱量が凄くて、どの女優さんも魅力的に感じたんですよね。『~side2』から出演させていただけることになり、果たして自分はあんな風に自分を主張できるのだろうか……という不安もあったんですけど、全力で臨んでいます。
 他の舞台では純粋にお芝居の感想をいただくことが多い中で、この『abc赤坂ビーンズクラブ』ではファンの方から『紗良らしさが出ていて良かった』、『紗良の内側から出てくるパワーに元気を貰える』と、自分の個性を褒めていただきました。しかも『○○ちゃんも良かったね』と他の女優さんの感想も一緒にいただけることが多いんですよ。女優陣の素が見える分、”推しが見つかる舞台”なんじゃないかなと思っています」

―――オムニバスで色々な役をやる故に、人間性が隠し切れないのかもしれないですね。

高橋「本当にそうですね! 色々な一面を見ていただけると思います」

竹内「気になる女優さんが次から次へとさまざまな顔を見せてくれるのが、この『abc赤坂ビーンズクラブ』です。初演を拝見して、ダンスも凄く揃っていて皆さん上手いな~と思ったのですが、後から伺ったらダンス初経験だった方もいらっしゃったそうで驚きました。全く初心者であることを感じさせないパフォーマンスだったので……それだけの熱量があったということなのかなと。
 『~side2』に出演が決まった時は、オムニバス形式の舞台に出るのは初めてだったので、ちゃんと出来るかドキドキしました。でも、これまでやったことがなかった大人しい役や子供の役などにも挑戦させていただいて、自分でも『私、こういうお芝居も出来たんだ』という発見がありました。ファンの方も『麗ちゃんってぶっ飛んでいると思っていたけど、ああいうお芝居も出来たんだね』と新たな一面にビックリしてくださったみたいで、嬉しかったですね」

―――演劇関係の方、特にキャスティングに関わる方々にもぜひ観てほしい舞台ですね。
 一方で、今作『~side3』からの出演となる森下さんは、普段はミュージカルを中心に活躍されているということですが、作品の印象はいかがですか?

森下「先輩方がおっしゃっていた通り、通常の舞台・ミュージカルでは役が決められていて、約2~3時間通して同じ役を演じ続けることが多い中、『abc赤坂ビーンズクラブ』は自分自身としてクレジットされて、色々な役を演じたり、ダンスをしたり、歌ったりする“レヴューショウ”。
 自分の魅力とは何なのか、どうしたら自分をよく魅せられるか、いつも以上に自分自身と向き合いながら取り組むことになるなと思っています。難しいけど、やりがいがあります」

―――役者の方って、意外と自分自身にコンプレックスを持っていて、だからこそ”自分ではない人間になる=お芝居をすることが楽しい”とおっしゃる方もいますが、皆さんはどうですか?

森下「初めは自分の嫌な部分やコンプレックスと向き合うのが怖かったり、辛かったりしました。でも、いつも以上に自分自身と向き合うことで、だんだんと楽しさの方が勝ってきています!」

竹内「自分のダメなところやコンプレックスが、この作品ではプラスになったりもするんですよ。加えて、普段意識しないところに目が向くからか、自分でも知らなかった魅力を発見できることもあって……“自分のことを好きになれる舞台”だなと思います!
 勿論、自分だけではなくて、共演者の皆さんのいいところも沢山発見できるので、愛おしくなります」

高橋「私はダンスがほぼ未経験だったので凄く不安でしたし、自分の個性って何なんだろうって悩んでいたので、こんなに個性あふれる舞台に出て自分を出せるのだろうかと思っていました。
 でも、稽古・本番を重ねて追究していくうちに、例えばこの顔の角度が自分は綺麗に映るんだな、といったことを発見できて、それが自分の個性・魅力だと思えるようになりました」

水野「私もコンプレックスが沢山あって、自分自身のことがあまり好きになれなかったので、初演に出た時は自分をさらけ出すことに躊躇していました。でも、そういうことを考える余裕もなくガムシャラにやっているうちに、自然と殻を破っていたみたいで、気が付いたら自分の個性が生まれていたように思います。『あ、これでいいんだな』と思ってからは楽でしたね。
 演出の南鳩さんはコンプレックスを悪いものとして扱わずに、それぞれの“個性”として見てくださる方なので、ありがたいです。麗ちゃんが言ってくれた通り、“自分のことを好きになれる舞台”です」

―――すでに稽古がスタートしているということですが、いかがですか?

森下「今まで多種多様なジャンルのダンスを経験してきたつもりだったんですが、今回のダンスは今までやったジャンルとはまた違うなと思っていて、慣れるまでにちょっと時間がかかりそうです。本番までにカッコよく見せられるようにしたいと思います」

高橋「楽しいんですけど、物理的に息が苦しい時があります(笑)。
 先日、民族ダンスのような特殊なダンスの後に、レトロでクールな振り付けのダンスを2曲続けて稽古したんですけど、息も絶え絶えでした……。体力が必要な舞台です」

水野「私は初演・『~side2』と出演させていただいているから故の悩みなんですが、自分の新しい引き出しを探さないと!というプレッシャーがあります。せっかく『~side3』に出演させていただくからには、今までと違った自分の魅力もお見せできたらなと思うので……。
 ただ、3回とも共演者が一部違うので、今回は今回でまた新鮮な気持ちで取り組めています。これまでも団結力のあるカンパニーだったんですが、『~side3』のメンバーはまた一段と仲が良くて、ライバルでもあるけれども、お互いをよく見せられるように提案したり、ディスカッションをしたり、切磋琢磨できている、素敵な環境です」

竹内「みんなニコニコしていて、優しいキャストが集まっているんですよね。稽古が始まる前に雑談している時は、なんていうか、“いきわいわい”としていて……」

水野「和気藹々(わきあいあい)”じゃない?(笑)」

高橋・森下「(笑)」

竹内「すみません、そう! 和気藹々としていて!! でも、ダンスの稽古が始まると急に空気が変わって『そんな一面があったんだ!』って、共演者の私でも魅力的に思うんですよ。
 コントや芝居パートのお稽古はこれからなので、それが始まったらまたギャップが出てくるキャストがいるんだろうなと思うと、今から楽しみになっちゃいます。早くお客様にもお届けしたいですね」

―――女優だけの“レヴューショウ”ということですが、それぞれのアピールポイントは?

水野「私は幼少期からダンスをやっているので、やっぱりダンスですかね。表情も込みで踊っているので、ぜひ踊っている時の顔にも注目してほしいです」

竹内「私は小さい頃からミュージカルに出演させていただいているので、歌とダンス、特に歌は頑張りたいです。普段から喋っている時の顔が面白いねって言われることが多いので(笑)、色々な役を演じる上でその表情の豊かさを生かせたらと思います」

高橋「どれか1つに絞るのが難しいですよね……『~side2』の時はもう明日死んでも後悔しない!ってくらいダンスも歌もお芝居も一所懸命に食らいついていました(笑)。1人の役者が舞台上で色々なことに挑戦している、その状況のすべてがアピールポイントです」

森下「歌が大好きで芸能界に進んだので、歌が1番なんですが、ダンスも同じくらい好きなので頑張りたいです。ただ先ほども言った通り、今までに経験したことがないジャンルのダンスだったり、お芝居・コントパートだったり、初めて挑戦することが沢山あるので、それもぜひ観てほしくて……全部になっちゃいますね」

高橋「全部だよね! 全部見どころです!!」

―――“女子あるある”を詰め合わせたクスっと笑える本作ですが、皆さんがこれまでに体験した『abc赤坂ビーンズクラブ』的な“女子あるある”エピソードがあればぜひ教えてください。

高橋「この年代特有かもしれないんですけど……『ヤバい』ってワードで会話が全部成立しませんか?」

他3人「ああー!」

高橋「例えば……『これヤバくない?』」

水野「『え、ヤバい。マジヤバい』」

高橋「こんな感じです(笑)」

―――成立してますね(笑)。文章だと伝わるづらいかもしれませんけど、「ヤバい」というワードに色々な感情が乗りやすいのかも……。

竹内「私は『確かに』、『なるほど』ってよく言っちゃう……さらにラフな関係性だと『それなー』ばっかり言ってますね」

―――若者特有の『あーね』っていう相槌もありませんか?

全員「『あーね』!!(笑)」

高橋「言います言います!(笑)」

竹内「あーわかるよ、私もそう思うよ、そうだよね、みたいな会話が全部『あーね』に凝縮されているんですよね」

―――ぜひ『abc赤坂ビーンズクラブ』-side 4-が実現した際には再現してください(笑)。
 では最後に、お客様方にメッセージをお願いします。

森下「抜き稽古の時点で皆さんの個性が爆発していて面白い作品になることは間違いないと思います。
 ミュージカルやストレート舞台とはまた違った作り方をしている作品なので、普段あまり演劇に馴染みがない方も、ぜひ気軽に遊びに来てもらえたら嬉しいです」

竹内「先ほどのような、普段は意識しないような日常会話から、面白い部分に着目して取り上げているコントパートなど、クスっと笑える場面もあれば、カッコいい歌やダンスを堪能できる場面もあり、盛り沢山できっと満足していただける舞台になると思います。
 初めましての方も、初演・『~side2』から応援してくださっている方も、ぜひ沢山の方に観ていただきたいです。ご来場お待ちしております!」

高橋「次々と繰り広げられるコント・ダンス・楽器演奏・ラップ……などなど、1つのジャンルに絞れないエンターテインメントなので、老若男女問わず楽しんでいただけると思います。
 お芝居を観たことがない方でも、必ず何か1つは刺さるものがあるかと思いますので、ぜひ“好き”を探しに、遊びに来る感覚で足をお運びいただけたら嬉しいです」

水野「8人全員がバラバラの個性を持っていますが、同じだけの熱量を持って死ぬ気で稽古しています。今回も赤坂RED/THEATERでの公演になりますが、お客様との距離が近くて、この熱量がきっと直接伝わると思います。その熱を感じて、明日からも頑張ろうと思えるような、皆さんの希望や活力になる作品に仕上げますので、ぜひ劇場にお越しください! お待ちしています!」

(取材・文&撮影:通崎千穂(SrotaStage))

プロフィール

水野花梨(みずの・かりん)
1999年4月25日生まれ、千葉県出身。カゴメ株式会社による『カゴメ劇場』シリーズにて主演を務めて以降、映像・舞台で活躍中。近年の主な出演作品に、『魔進戦隊キラメイジャー』定光はるひ役、映画『てっぽうだま STRAY BIRD』美優紀役、絶対青春合唱コメディ『SING!!!』-空の青と海の青と僕らの学校- 鳩真音羽役、舞台『WORLD-Run for the sun-』田島七海役など。

高橋紗良(たかはし・さら)
1998年2月3日生まれ、千葉県出身。2012年に行われたオーディションにて約1万人から選ばれ、劇団ハーベストに入団。旗揚げメンバーとして8年間活動し、2019年の卒団までほぼすべての作品に出演した。近年の主な出演作品に、しゅーくりー夢vol.67『天使の災難』、舞台『ダブルブッキング!-2023-』など。

竹内 麗(たけうち・うらら)
2004年1月15日生まれ、東京都出身。6歳から子役として活動し、NHK Eテレ「ピタゴラスイッチ」、「みいつけた!」などにも出演。2019年より「ワイドナショー」準レギュラーメンバーとしても活躍している。近年の主な出演作品に、たやのりょう一座 第3回公演『蒲田行進曲』、舞台『幕が上がる』、『仮面ライダーギーツ』など。

森下結音(もりした・ゆいね)
2001年11月20日生まれ。東京都出身。幼少期よりバレエ・ピアノ・声楽・ジャズダンスを経験し、国立音楽大学で声楽を専修している。近年の主な出演作品に、LEGEND STAGE PRODUCE『ダッドシューズ』、T1project Musical『PIANIST』など。2023年9月29日に行われた「コンペティションライブ2023」で見事優勝した。

公演情報

エヌオーフォー【NO.4】
『abc赤坂ビーンズクラブ』-side3-

日:2023年12月13日(水)~17日(日)
場:赤坂RED/THEATER
料:一般6,500円
  U-25[25歳以下・引換券・枚数限定]4,500円
  ※要身分証明書提示(全席指定・税込)
HP:https://no-4.biz/abc_beans/side3
問:エヌオーフォー mail:info@no-4.biz

Advertisement

インタビューカテゴリの最新記事