観終わって周りの人を大切にしようと思ってもらえる作品に! 女性ばかりの劇団を舞台に繰り広げられるファンタジックミュージカル 

 数々のヒット作を持つ、旺季志ずかによるオリジナル・ミュージカル『The Star ~悪魔と契約した男』の上演が決定。1人の女優に恋をし、悪魔と契約を結び女性ばかりの劇団に入団する男と、魔法の力を跳ね除けて生きようとする女を軸に物語が繰り広げられる。出演する原田優一、緑川静香、山本涼介、そして作・演出の旺季に作品への思いを聞いた。

原田「台本を拝見する前に、女装をする役柄だとは聞いていたのですが、これまで僕が女性の格好をする時はほぼコメディ寄りだったので、シリアスに書かれていることに驚きましたし、こういうお役をいただけるのが嬉しかったです。演じる乙女が女性ばかりの劇団の中で、すんなり女性だと思われているという“芝居の嘘”を自然な入り口にしつつ、最終的に表れる悪魔とのやり取りや葛藤、役柄が持つ二面性をきちんと踏まえて演じたいです」

緑川「自分が漠然と想像していた愛やファンタジーが浅かったと感じるくらい作品が深くて。千年に一度咲く花“パキラ”を一緒に見た人と、永遠に結ばれるという愛の形が心に響いて涙が出ました。演じる美光はなかなか自信が持てないなど、自分に共通するものを感じます。初めてのミュージカル作品への挑戦ですし、お稽古の中で皆様と一緒に作っていきたいです」

山本「本当に綺麗なお話で、今までありそうでなかった作品になっていると思います。僕が演じる蓮斗は、他の人から憧れられる人物なので、立ち居振る舞いから説得力を出していかないといけないですし、見た目だけでなく内面からそれが出せるように作っていきたい……そのためにはどうしたらいいか?を、今凄く考えています」

旺季「以前“パキラ”の設定を使った物語の公募があって、当時は連ドラを書いていて参加できませんでした。面白い素材だなとずっと思っていたところに原田さんの舞台を観て、この人が女性だけの劇団に入ったら凄く面白いんじゃないか、というインスピレーションから物語が生まれました。そこから芝居はもちろん、歌が素晴らしい緑川さんがミュージカルをやっていないのはもったいないと思い、その
緑川さん演じる美光の王子様役にあたる蓮斗には、長身で演技力があり、歌もダンスもできる山本さんを……といった人との出会いが作品をどんどん膨らませてくれました。観終わった後に周りの人を大事にしようと思ってもらえる作品になればと願っています」

 世界に通用する日本発オリジナル・ミュージカルとして製作されるという、本作。その初演をぜひ劇場で見届けたい。

(取材・文:橘 涼香 撮影:立川賢一)

プロフィール

原田優一(はらだ・ゆういち)
9歳より、テレビ・舞台・映画・ライブなど広い分野で活躍。安定感のあるソフトな歌声と、二枚目から個性的なキャラクターまで幅広い役を演じる逸材として、ミュージカルを中心に活動中。『KAKAI歌会』をはじめ、構成・演出活動にも積極的。主な出演作に、ミュージカル『ミス・サイゴン』、『レ・ミゼラブル』など。


緑川静香(みどりかわ・しずか)
公園の葉っぱスーパーの試食で貧困時代を乗り切った少女時代のエピソードから“9頭身ビンボー女優”として注目が集まる。ドラマ『花咲舞が黙ってない』、『99.9-刑事専門弁護士-』、映画『デッド・ウォーター』の他、バラエティ「それって!?実際どうなの課」ではフリマアプリで不用品をすべて売るコーナーを担当している。

山本涼介(やまもと・りょうすけ)
ドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』でデビュー。舞台・映像・バラエティと幅広く活動。近年の主な出演に、舞台『弱虫ペダル』THE DAY1、ミュージカル『ルーザーヴィル』、映画『刀剣乱舞-黎明-』など。

旺季志ずか(おうき・しずか)
ドラマ『ストロベリーナイト』、『正義の味方』、『特命係長 只野仁』など、脚本家として数々のヒット作を持つ。2017年に古事記からヒントを得たミュージカル『天の河伝説』を作・演出。2018年、2019年の再演では、チケットが完売、大成功を収めた。

公演情報

The Star~悪魔と契約した男~

日:2023年10月26日(木)~11月5日(日)
場:シアターサンモール
料:S席11,000円 A席9,000円
  B席7,500円(全席指定・税込)
HP:https://thestar-devil.com/
問:公演事務局 mail:info@svs-t.co.jp

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