現実とファンタジーを境にし、「現実では起こらないけれど、もしこんな事が起これば世界が変わる」という事をテーマに作品を手掛けてきた演劇集団Z-Lion。旗揚げ以降、ファンタジー作品にこだわってきた彼らが、世界観を現代に変えて贈る第2弾は、『笑ってもいい家』。舞台初出演となる中村アンを主演に迎え、ある問題を秘めて共同生活を送る人々を描く。脚本・演出の粟島瑞丸と、多彩なキャストの中から、AKB48の下尾みうが、舞台への思いを語ってくれた。
粟島「Z-Lionではこれまで、“追求していくと軽くはない”テーマを扱ってきました。本作は、ある問題を抱えた人たちが都会から離れて、1つの家で暮らしている。その共同生活の中で様々なことが起きる話です。今回もテーマ自体は軽くはないものだと思います。でもそれを如何に周りの人たちが優しく受け止めて解決するのか、大事なことはちゃんと議論しつつ、作品全体としては心が温かくなるものになればいいなと考えています」
下尾「Z-Lionさんの舞台は拝見していて、扱っている問題が深く考えさせられるものなのですが、それをとてもマイルドに、観る側からするとちょっと夢を見ているような気持ちになれる素敵な作品だったんです。今回参加させていただけることが本当に嬉しいです」
粟島「Z-Lionは旗揚げ以来ファンタジー作品にこだわってきましたが、前作から世界観を現代に移して、社会の中にある問題を見つめながら優しさで包むという方向性に転換しました。今回がその第2弾なので、主演の中村アンさんをはじめ、幅広い方たちに出ていただこうと、一人ひとりキャスティングを決めていきました。その中で下尾さんのフレッシュさがとても貴重だったんです。アイドルの方も、AKB48のメンバーだけで考えても多くの人材がいらっしゃいますが、Z-Lionの世界観を知っていてくれた下尾さんにお会いできて、ピッタリの役柄がありスケジュールもあった、というところにご縁を感じます」
下尾「舞台経験はまだまだ浅いですが、非現実を楽しめるのが演じることだと思っているので、そこにいきつくまでが大変ですが、精一杯頑張りたいです」
粟島「演出するなかで経験が浅いとは思わせない動きのつけ方はありますから、必ずステージに恥じない姿に持っていくので信頼してください。みんなで命を削って、お客さまに良い2時間をお見せできるように頑張っていきましょう」
下尾「はい、ついていきます!」
(取材・文:橘 涼香 撮影:友澤綾乃)
粟島瑞丸さん
「梅雨を楽しく乗り越える方法は、ズバリ、除湿器を買う事です。数年前に除湿器を購入し『これだけ買ってよかったと思う電化製品はありません』というくらい活躍しています。部屋のジメッとしたあの重い感じが除湿器で一気にスッキリします。そしてその除湿器に溜まった水を捨てる時、『こんなにこの部屋に水が張り付いていたのか』と幸せを感じながら捨てる時が快適です」
プロフィール
粟島瑞丸(あわしま・ずいまろ)
大阪府出身。2001年に俳優デビューを果たし、映画やドラマを中心に活躍。映画『ザ・ファブル』、ドラマ『半沢直樹』など注目作に出演。俳優活動と並行して2012年、演劇集団Z-Lionを旗揚げ。プロデュース・演出・脚本のすべてを自身で手掛けている。
下尾みう(したお・みう)
山口県出身。2014年、AKB48 Team 8 全国一斉オーディションに山口県代表として合格。AKB48 の一員としてデビュー。以降、多彩な活躍を続けながら、2021年に舞台初出演を果たす。主な出演に、舞台『マジムリ学園-LOUDNESS-』、雑踏音楽劇『ネオンキッズ』など。2023年、ミュージカル『ジョン マイ ラブ 2023 – ジョン万次郎と鉄の7年-』では、川原美咲・高岡薫とのトリプルキャストで初主演を飾った。
公演情報
演劇集団Z-Lion 第13回公演『笑ってもいい家』
日:2023年7月1日(土)~9日(日)
場:俳優座劇場
料:8,000円(全席指定・税込)
HP:https://napposunited.com/warattemoiiie/
問:Z-Lion制作部
mail:infozlion2012@gmail.com