西海岸からやってくる? “ Dolly & Tanny” 5年振りの東京公演 ジャズ・スタンダードにおしゃべりと寸劇も加えたエンタメ・ステージ!

 この世には自分のそっくりさんが3人は居るらしいが、人気俳優のキムラ緑子と大谷亮介のそっくりさんは、なんとヴォーカルデュオを組んでいるという。その名も“Dolly&Tanny(ドリー& タニー)”。その出会いは今を去ること15年前。

ドリー「その頃、ウエストハリウッドのジャズライブハウスに入り浸ってたんだけど、ある夜、飛び入りでウクレレを弾き始めた男がいてね。ものすごいブーイングを浴びて、店から放り出されて、瀕死のラッコみたいな顔して表通りで落ち込んでたわけ。私が『悪くなかったわよ。ただ場所を間違えただけ』って声をかけたの」

タニー「あぁ、あまり思い出したくないんだけど……俺の感性が西海岸の奴らには理解出来なかったんだろうな。表に出て、ふてくされていた俺に声をかけてくれたのがドリーさ。その晩のうちに『一緒にやるしかない』ってなったんだよね。愛だよ、愛」

 お互いにビビッときたのか、あっというまにスタンダード・ジャズ・ヴォーカルデュオを組んだ2人。初来日公演は東京・赤坂の老舗ジャズクラブで、来日の度に人気を高めてきた。ちょっとお互いのことを評して貰うと……。

ドリー「タニーはジャズメンの中では群を抜いてお茶目なんじゃない。物をよく落とすわ。いつも探し物をしてる。それとものすごく声が大きいの。ジャズがうるさくならない?って、ご心配は無用よ。タニーは、自由を愛する深い愛を持っているから、たちまち会場のみんなを虜にするわ」

タニー「突然怒って、突然笑う、そして強烈にセクシー! 女性アーティストの特徴をすべて兼ね備えたエンターティナーさ」

 そんな2人のおしゃべりには関西人のDNAが仕込まれているような気がするのだけど。

ドリー「え? KANSAI のDNA ? 出てるん? 初めて言われたわ。ほんまに? うっそ! イヤやわ~」

タニー「えぇ? いやいや、そんなはずないわ。生粋のハワイ生まれやもん、KANSAI のDNA なんかちょびっともあるかいな……知らんけど」

 そして今度の来日公演では人気演出家のマキノノゾミを迎えて、見て聴いて楽しめるステージを披露するという。

ドリー「マキノさん? はじめてご一緒させていただくわ。先日お会いしたら『いつものままでいいんじゃない?』っておっしゃるから『いやいや、演出してね、色々、おたの申します』って(笑)」

 歌と芝居と笑い声が溢れるステージ。楽しみに待ちたい。

(取材・文:渡部晋也)

 

母の日・父の日とありますが、両親問わず、家族に感謝したいことはありますか?

キムラ緑子さん
「小沢昭一さんが『役者の仕事のほとんどは、親からもらったもので出来ている』と書いておられたのが、今でも心に残っております。容姿、声、感覚、等々……。生きていく上での思考の中心に親がある、そんな気がします」

大谷亮介さん
「生まれて、育って、また出会えて、助けてもらって、全てに感謝しています。ありがとうございます」

プロフィール

Dolly Kimura(ドリー・キムラ/おそらくキムラ緑子)
兵庫県淡路島生まれ。進学した同志社女子大学で演劇に触れ、卒業後に演出家のマキノノゾミが立ち上げた劇団「M.O.P.」の旗揚げに参加。2010年の解散まで看板女優として活躍する。舞台作品だけでなく、数多くのテレビドラマや映画にも出演。作品に欠かせない俳優として人気が高い。

Tanny Ootani(タニー・オオタニ/おそらく大谷亮介)
兵庫県生まれ。大学在学中にオンシアター自由劇場に入団。退団後、1986年に役者集団東京壱組を旗揚げ、解散を経て現在は様々なプロデュース公演、テレビドラマや映画で活躍。1991年、第26回紀伊國屋演劇賞 個人賞受賞。2020年、第28回読売演劇大賞 優秀男優賞受賞。近作に2022 年、舞台『イヌの仇討』や2023年、『エドモン』がある。

公演情報

Dolly&Tanny Summer concert 2023 ~ひさしぶりやんかいさ!いやほんまに~

日:2023年7月27日(木)~30日(日) ※他、名古屋公演あり
場:博品館劇場
料:特得チケット[特典付]11,000円 一般7,500円(全席指定・税込)
HP:https://www.wowowplus.jp/entertainment/event/dollytanny2023/
問:teamGeki mail:team.geki30@gmail.com 

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