タブーを超えた表現に定評があるWAHAHA本舗。創立30周年の2013年に最終公演を打ったはずだが、その後も順調に公演を重ね、いよいよ40周年に手が届くところへやってきた。そんなワハハの新作全体公演のタイトルは『シン・ワハハ』。まさかとは思うが、一連の『シン・○○○』とか『シン・○○ライダー』とかとの関係は……。創立メンバーの柴田理恵と現座長・大久保ノブオに聞いた。
柴田「いえ、ただ乗っかってるだけで(笑)。庵○さん関係ないし。ただここでの“シン”は“NEW”でもあり“真”でもあって、そこはお客さんが考えていただければと思います」
さらにチラシには、中央に大きく赤塚不二夫作品の名物キャラ“カオルちゃん”が大きくフューチャーされている。
柴田「赤塚不二夫歌舞伎! なんて言っていますが、赤塚先生のキャラクターで何かするのは確実ですね。ワハハは昔から先生に可愛がってもらって、そのご縁で赤塚不二夫合唱団なんて演目もできたんです。今回喰さんが赤塚さんの娘さんにお願いしたらOKが出たそうですから、なにかしら出てきますね」
大久保「でもその他、今の段階で詳しく言えることが少なくて(笑)。それでも『二代目梅ちゃん選挙』をやることは決まってます。梅ちゃんが歌の世界を辞めるにあたっての選挙で、僕を含めた座員から選ばれるのですが……僕たちが“二代目梅ちゃん”になりたいかは別の話で(笑)。他には漁村ミュージカルと……あと喰さんは“アート”のイメージがあると」
柴田「そうそう、喰さん言ってました。ワハハは下ネタが多いと言われてきていますが、必ずコンテンポラリーダンスとかアート志向の要素が入っているんです」
大久保「そうなんです。今回はそこを深めるのか拡げるのか。ともかくそんなことを考えているようです」
もちろんキャストは柴田理恵・久本雅美・佐藤正宏を筆頭に、劇団員総出演。
柴田「全体公演ですから全員出演です。今回は新人として20代が3人入ってきました。最若手の女の子も2人参加します」
大久保「それまで若手と呼ばれているメンバーも40代半ばなので、本物の若手を入れた方がいいだろうということもあって。今回の公演へのオーディションで選びました」
赤塚作品に漁村にアート。そしていよいよ決まる“二代目梅ちゃん”。ネタ山盛りの新作で思い切り笑い転げたい。
(取材・文:渡部晋也 撮影:平賀正明)
柴田理恵さん
「父も母も、自分たちの仕事に使命と誇りを持っている人でした。2人は互いの仕事の話をサカナに毎晩楽しくお酒を飲んで語っていました。私はそんな両親から自然に仕事に対する姿勢を教えてもらいました。親というのは自分を生んでくれ、健康に育ててくれ、生き方を教えてくれ、そして今、最晩年になって何度も病気になりながらも、がんばって生きようとする姿、あきらめない姿を見せてくれ、そして、自分の命の終え方を教えてくれる。ありがたい、ありがたい存在だと思います」
大久保ノブオさん
「母親は、自分が小さい頃、長野に来る歌手やアイドルのコンサートはほとんど全てに連れて行ってくれた。父親は、ドラムやクラッシックギターを習わせてくれた。大学さえ出れば好きな事をやっていいと言ってくれた。今の自分があるのは2人のおかげです」
プロフィール
柴田理恵(しばた・りえ)
富山県出身。劇団東京ヴォードヴィルショーを経て、1984年に佐藤正宏や久本雅美らと共にWAHAHA本舗を結成。以降、舞台公演はもちろん、テレビのバラエティ番組にも多数出演し人気を集める。近年は劇団以外の舞台・映画・ドラマなどでシリアスな役柄の出演も多い。2014年には、舞台『淑女のロマンス』で第14回バッカーズ演劇奨励賞を受賞。料理上手で、それを活かした著書も多数出版。
大久保ノブオ(おおくぼ・のぶお)
長野県出身。ロックバンドで活動していたが、1995年にWAHAHA本舗の舞台に出会い、衝撃を受け、バンドを解散。「コミックバンドなら入団してもいいよ」と聞き、翌1996年に「ポカスカジャン」を結成し、WAHAHA本舗に入団。2010年、二代目座長選挙で観客投票により座長に就任。
公演情報
WAHAHA本舗全体公演『シン・ワハハ』
日:2023年6月22日(木)~25日(日) ※他、地方公演あり
場:なかのZERO 大ホール
料:S席9,800円 A席8,800円(全席指定・税込)
HP:http://wahahahompo.co.jp/2023newwahaha/
問:WAHAHA本舗 tel.03-3406-4472(平日11:00~18:00)