伊藤マサミ率いるエンターテイメント劇団「進戯団 夢命クラシックス」が、この3月に『花音』を上演する。主演のアイン役に高橋祐理を迎え、劇団旗揚げ初期に初演された屈指の傑作を令和版として新たに描いていく。
伊藤「クラシックスの作品は僕が創る世界の中の一つの歴史の物語で、時系列に沿って創っています。どれだけ作品が生まれてもこの『花音』にたどり着いて終わると決めているんです。前作で一区切りができたので、次は原点であり最終章に立ち返って、また新しい出発ができたらと。再々演ですがリニューアルやエピソードも取捨選択をして新しい作品を創る気持ちです」
伊藤にとってこの上演は新たな世界へ旅立つための儀式なのだろう。高橋は憧れの劇団初参加に笑顔で意気込む。
高橋「今この時代にやるべき作品だと感じて、アインとして生きられる喜びがとても大きいです。台本を読み返すたびに不安もありますが、それ以上に楽しみな感情が溢れてきました。アインは見た目は飄々としているけれど、根は真面目でまっすぐな少年。僕は格闘技やダンスが得意で、身体を使うことが大好きなので、それらを活かして殺陣やアクションもがんばって演じていけたらと思います」
伊藤「ビジュアル撮影で衣裳を着た高橋くんが来た時に、アインってこんな感じなんだ、初めまして!と(笑)。やっと会えた気持ちになりました。役と本人の歯車が噛み合う瞬間があって、そういう瞬間を見るのが好きですし楽しいですね。何でもできるからヒーローではなく、辛くても自分なりに考えて人間らしく生きていくような素直な子が僕のヒーロー像。とても素直で透明感がある祐理くんにアイン
を渡せて良かったなって思います。祐理くんって呼んでいい?」
高橋「もちろんです! 情報解禁の時Twitterが盛り上がって、とても愛されている作品だと知りました。この物語は文明が発達した国と、自然と共に生きる思想の民との対立が長く続いている世界観です。タイムリーに思えますが、どちらにも正義がある思考の違いもテーマになっていて全年齢、老若男女問わず楽しめる作品です。観て良かったと思ってくださるように。そして僕はグループ活動からソロ
になる新しい一歩を踏み出す最初の作品として、たくさんの想いを背負ってがむしゃらに自分らしく作品を盛り上げていきたいです」
取材・文:谷中理音 撮影:友澤綾乃
伊藤マサミさん
「“ごっこ遊び”。人形を動かしたり、自分がなりきったり。自分だけのストーリーを作って、部屋で、外で、風呂で、電車の車窓で。今思えばあのごっこ遊びが35年くらい延長して、今ここでこうしているのかも知れないです。 小学生の頃、どこかのタイミングで、みんなが『ガキくさいからやーめた!』と言って手放したガチャガチャ人形。僕はずっと遊んでました。サッカーより鬼ごっこより“ごっこ遊び”が好きでした」
高橋祐理さん
「厨二病心、ですかね。小さい頃は、ウルトラマンや仮面ライダー、水戸黄門など自分の大好きな正義のヒーローのモノマネを永遠していました(笑)! でも、小さい頃純粋に感じ取った“カッコいい”は大人になっても様々な場面で活躍できると思うんですよね。立ち姿、顔の角度、武器の持ち方や扱い方。どれも今の役者業に活かせていると思います。これからもっともっと全力でカッコいいを体現したいです!」
プロフィール
伊藤マサミ( いとう・まさみ)
1982年7月3日生まれ、山形県出身。「進戯団 夢命クラシックス」主宰。内外で脚本・演出、俳優・声優、bpmメンバーとして幅広く活躍中。近作は、『Dr.STONE』THE STAGE ~ SCIENCE WORLD ~(演出)、ミュージカル『ウインドボーイズ!』( 脚本・作詞)、『イケメン戦国THESTAGE』シリーズ(脚本・演出)など。
高橋祐理(たかはし・ゆうり)
2000年6月8日生まれ、北海道出身。俳優・アーティスト・ダンサー・モデルなど幅広く活躍。ダンス&ボーカルグループ「Zero PLANET」のメンバーとして、3月12日には『Zero PLANET LAST LIVE』が控えている。近作に、映画『HiGH&LOW THE WORST X』、舞台『蟻地獄』など。
公演情報
進戯団 夢命クラシックス #27『花音』
日:2023年3月16日(木)~21日(火・祝)
場:シアターサンモール
料:8,000円(全席指定・税込)
HP:https://www.shingidan.com/
問:エフチケット事務局 mail:ticket@fortunerest.com