現在アメリカAEWで活躍するレスラー・志田光が帰ってくる! エンターテインメントをふんだんに盛り込んだ唯一無比の舞台が実現

現在アメリカAEWで活躍するレスラー・志田光が帰ってくる! エンターテインメントをふんだんに盛り込んだ唯一無比の舞台が実現

 元レスラーという異色の経歴を持ち、劇作家・演出家として活躍するMARUが手がける「コルバタ」は、物語にエンターテインメントを存分に盛り込んだ作風で人気の演劇プロジェクトだ。最近では作・演出と主演俳優との組み合わせで、いろいろな「コルバタ○○組」として作品を発表している。
 今回の「コルバタ志田組」はMARUと、現在アメリカを拠点に、プロレス団体であるAEWで大活躍し3代目の女性チャンプとして1年その座を守った志田光とのユニットだ。志田の移住をきっかけに活動を休止していたが、この度ファンには嬉しい再会公演が実現する。物語は戦前戦後で波乱の人生に巻き込まれた李香蘭と川島芳子が登場する物語だという。一体どんな話になるのか。MARUと志田、さらに主要キャストから岩井杏加、轟もよ子の4人に話を聞く。

―――まずコルバタ志田組とはどんなユニットで、今回の公演を企画したきっかけを教えてください。

MARU「コルバタというのは私がプロデュース企画ですが、私自身の脚本・演出で、レスラーとして現在はアメリカで活躍している志田光が主演となるのが『コルバタ志田組』です。9年前に上演したコルバタ1度目の公演が、コルバタ志田組でした。他の組み合わせでも『コルバタ○○組』があるのですが、私が作・演出をするのはこのコルバタ志田組だけです。
 そして3年ほど前に志田さんが拠点をアメリカに移すにあたって、休止前の最終公演をやりました。その後1年ほど前に、志田さんからそろそろやろうかと声が上がり、それで動き出したんです」

志田「1番大きな理由は、休止公演の時に『またやります』という約束をMARUさんはもちろん、ファンの皆さんにもしたことです。さらにようやくコロナが収まってきて自由な往来ができるようになり、日本での活動を再開し始めたことも大きいです。
 拠点は移したものの、他の舞台もあったので月1で日本に戻ってくる予定だったのですが、引っ越してから3ヶ月でコロナが蔓延して。その後1年くらい日本に帰れませんでしたから。プロレス界も制限されましたが、私が所属するAEWは無観客だけど欠かさずにショーをやっていて定期的にプロレスはできましたし、コロナ禍の1年間は私がチャンピオン(2020~2021 AEW女子世界王座)でしたからね」

―――今回は第二次大戦当時の日本と中国。そこに生きた李香蘭と川島芳子が登場するという壮大な歴史物のようですが。

MARU「志田さんが3年前にアメリカに渡るときに、次にやる作品はタイトルに『桜』をつけたい、そして舞台に桜を舞わせたいと思っていました。私はタイトルから脚本に取りかかるタイプなんです。いろいろ考えていると、志田さんが若い頃の李香蘭に似ている気がして、そこか川島芳子も発想しました。
 李香蘭は日本人だけれど中国人として生きてきた人ですが、私自身日本と中国のハーフなので、李香蘭や川島芳子は頭の中で意識していたんですね。志田組は他の組に比べてエンターテインメント性が強いのですが、歴史物も結構手がけているんです」

志田「歴史物といっても絶対普通にはいきませんから。もう心の準備はできてます」

MARU「バレてますねぇ(笑)。歴史を下敷きにして、たっぷりエンターテインメントを盛り込みますし、志田組の常としてかならず途中でプロレスの試合が入り、志田さんは公演数の試合をやります。プロレスシーンはコスチュームに着替えて、ちゃんと入場して。
 プロレスは入場がいいのでそこからちゃんとやります。試合の相手はゲストで呼びますが、もしかしたらキャストから選ぶかも知れません。さらにアクション、歌、ダンス。全部入れていきます」

―――こうしたMARUさんの脚本や内容に志田さんが口を出すことはあるんですか?

志田「正直、前もって何も聞かされないので(笑)。だから口は出しません。MARUさんの世界観を如何に崩さないで入るかが私の役割ですから。それに1回読んだだけでは理解できない脚本ばかりなので(笑)。
 それでも志田組にはMARUさんの脚本は欠かせないですし、その不思議な頭の中をどうやって現実のものにするかが私の役目です。何が来ても受けて立ちます」

―――今回はオーディションも行われたようですね。今日同席されている岩井さん、轟さんもオーディション組ですか?

MARU「いいえ。岩井さんはずっと志田組に出ていた役者さんですし、水色革命にも所属しています。
 轟さんは何度か水色革命に出て貰っているのですが、今回初めてに志田組に声をかけました。コメディやらせたら誰にも負けない存在感がありますよ」

―――おふたりが企画や物語を聞いた時の印象を教えてください。

岩井「まず李香蘭、そして私が演じる川島芳子は誰だろうから始まりました。そこでMARUさんからレクチャーを受けました」

轟「私はモンゴル人の役だそうです(笑)。沢山の出演者がいる中で唯一のモンゴル人。でも話を聞いて今はワクワクしかないですね。李香蘭からのモンゴル人だけど(笑)」

―――稽古を前にした気持ちを教えてください。

志田「今はフロリダにいるのですが、稽古前には日本に戻ります。コルバタ志田組は私の中で楽しみやポジティブな気持ちもありますが、同時に恐怖心もあります。毎回自分にとっての挑戦が用意されていて、台詞もプロレスシーンもありますし、座長としての責任もあるので舞台といっても戦いに向かう気分ですね。全身全霊で取り組み、さらに3年間アメリカで培ったものを出したいですね。
 8公演。つまり8連戦ですよ。普通はできませんからね」

岩井「志田さんがアメリカに渡る前の公演に出られなくて悔しい思いをしました。だから今回の志田組には絶対出たいと思っていました。私は最初の舞台が志田組だったので思い入れが強いんです。もちろん私も戦いに行く気持ちですが、吸収するものが多く、成長につながるものが多いのが楽しみです。今は早く稽古をしたい気持ちで一杯です」

轟「MARUさんの水色革命には出演していたのですが、コルバタは初めてですし、志田さんとも初めてですから、どうなるか今からワクワクしています。ハードルが上がるほど役者魂が高まるタイプなので毎日入魂して楽しみにしています」

MARU「水色革命は演劇寄りですが、志田組はレスラーも多いし、戦いの要素が強い舞台ですから役者の皆さんも大変だと思います」

―――ではファンや読者へのメッセージをお願いします。

岩井「3年振りのコルバタ志田組、いまから楽しみですが、皆さんには8公演全て観ていただきたいです」

轟「私にとって初参加のコルバタ志田組ですが、私自身も、そしてお客さんにも楽しんでいただきたけるように頑張りたいですね」

志田「久しぶりのコルバタ志田組ですが、あの雰囲気をお客さんにも想い出してほしいですね。いままでの勢いそのままにザ・エンターテインメントな舞台に、私が3年間アメリカで培ってきたものを上乗せして、懐かしいけれど新しい舞台にできればとおもいます」

MARU「この作品に私も気合いを入れて、200%をつぎ込こむ気持ちで取りかかっています。コルバタ志田組は世界的に見ても類を見ない集団だと思いますので、唯一ここだけの舞台を観に、劇場に足をお運びください」

(取材・文&撮影:渡部晋也)

プロフィール

志田 光(しだ・ひかる)
神奈川県出身。2008年に映画『スリーカウント』のオーディションに合格し、それをきっかけにプロレスと出会う。柔道や剣道3段の経験を生かし映画では主役に抜擢され、プロレスでは数々の試合で活躍を拡げ、藤本つかさとのコンビでも活躍する。2014年からはフリーランスで活躍するが、2019年にアメリカの新団体オール・エリート・レスリング(AEW)と契約を結び移住。2020年AEW女子世界王座に挑戦し勝利。第3代王者となる。また2014年から連続興行を続けている「ロック×アクション×演劇×ダンス」を盛り込んだハイブリッド新感覚エンターテインメントショー『魔界』に出演を続けている。

岩井杏加(いわい・きょうか)
コルバタ第10回公演『A.D~automatic dream』から出演し、さらに劇団水色革命の作品にも出演する。2020年の舞台『リング・リング・リング』では長与千種役を演じ、実際のプロレス技を取り入れた女優たちによるミックスメディア作品『アクトリング』にも出演。2022年には女優によるプロレス団体アクトレスガールズにデビューした。

轟もよ子(とどろき・もよこ)
東京都出身。小劇場を中心に活動の他、ドラマ『相棒』での銀座のホステス役や『夏への扉』で夏菜演じる悪女が10年後に怠惰な姿となった役など、その体型を生かした様々な役を演じている。2022年にはプロレスと芝居を融合したアクトリングにも参加。積極的に活動の幅を広げている。

MARU(まる)
埼玉県出身。劇団東俳で活動後に10代で多くの舞台とVシネマに出演。俳優としての活動と並行して2000年に吉本女子プロレスJd’に入門。プロレスラーとしてのキャリアを積み、2005年に引退。その後、舞台を中心に脚本・演出・役者とオールマイティーな活動を続け、2011年に劇団水色革命、2013年に演劇プロデュース コルバタを旗揚げする。2022年、役者がプロレスの試合をするという「アクトレスガールズ」において、リング復帰。更なる活躍を観せている。

公演情報

コルバタ第36回本公演(志田組)
『君と行く 桜並木の 春の朝』

日:2023年3月22日(水)~26日(日)
場:築地本願寺ブディストホール
料:S席[指定席・特典付]7,500円
  A席[指定席・特典付]6,000円
  自由席4,800円(税込)
HP:https://korubata.jimdofree.com
問:コルバタ
  mail:korubata.japan@gmail.com

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