4組の主演キャストで描く伝統のレパートリー 60年間愛されてきたクリスマスの風物詩

4組の主演キャストで描く伝統のレパートリー 60年間愛されてきたクリスマスの風物詩

 牧阿佐美バレヱ団の『くるみ割り人形』は、日本で最初に冬の定期公演を始め、約60年にわたり上演を繰り返してきた伝統のレパートリー。今年は主演4組が回替わりで登場し、クリスマス・シーズンの舞台を華やかに彩っていく。なかでも注目は初役を踊る光永百花・近藤悠歩ペアで、抜擢の心境をこう語る。

近藤「全幕主演は初めてで、まさかの配役でした。緊張はあるけれど、今回の4組は各々タイプが違うので、僕らなりの色が出せたらという気持ちでいます」

光永「驚きと同時に、しっかり踊らなければと身が引き締まりました。金平糖の精は本公演では初役ですが、日本ジュニアバレヱの公演で一度踊らせて頂いていて、今回はより見せ方を研究していけたらと考えています」

 雪の女王役は久保茉莉恵。同役を踊るのは8年ぶりだという。

久保「雪の女王役は今回4度目です。何度か踊っているだけに、より上達していなければという緊張感があって。振付は身体に入っているけれど、また基礎から見直していこうと思います」

 お馴染み、古典の名作であり、作中はその伝統世界をキャラクターとして体現する必要がある。

近藤「イメージしているのは王子らしさが滲み出るような王子像。ファンタジー色が強い作品なので、人形から変身するシーンにしても、ワクワクさせられるような王子を目指しています」

光永「私はまず色々な方の金平糖を観て、自分に近い表現を探そうと考えていて。その上でバレヱ団に受け継がれてきた伝統世界を大切に表現できたらと思います」

久保「しんと静まり返った舞台に、雪の女王が登場する。いかにそこで初めて観た方にも伝わるよう踊れるかが課題。私自身年齢を重ねて以前にはない感情が生まれていて、今の自分の踊りができればと思っています」

 冬の風物詩として、毎年公演を心待ちにするファンも多い。主要キャストとして、その期待を担う意気込みを聞いた。

光永「私たちの出演はクリスマス・イブの回。いい思い出として持ち帰ってもらえるよう、全力で舞台に臨みたいと思います」

久保「毎年キャストが変わるので、何度観ても違う感想を持って頂ける。それがこの舞台の魅力であり、また今年もみなさんに楽しんで頂けたら嬉しいです」

近藤「しっかりリハーサルを重ね、いいものをお見せしたい。クリスマスの風物詩でもあり、夢見心地で帰ってもらえるような舞台にできたらいいですね」

(取材・文:小野寺悦子 撮影:友澤綾乃)

年末ジャンボが当選! 好きに使えるならば、どう使う?

光永百花さん
「私は“47都道府県”でご当時グルメ食べ放題をしてみたいです! 北海道から沖縄まで、その土地の伝統や風景を生かしたお料理を頂いてパワーを貰いたいです。現地の方ともお話が出来たら、更にパワーをいただけそうですね。もちろん、欲を出せば海外へも出向きたいですが、まずは国内から(笑)。そして食べたらしっかりと運動も忘れずに」

久保茉莉恵さん
「私は、もし年末ジャンボが当選したら、家族みんなで海外旅行に行きたいですね! 1番行きたい国はドイツ! なぜなら、以前住んでいたことがあり、その時お世話になったたくさんの友人たちにもう一度会いたいと思っているからです」

プロフィール

光永百花( みつなが・ももか)
KAORI バレエスタジオ、京都バレエ専門学校で学ぶ。14年、NBA全国ジュニアバレエコンクール シニアの部第1位、P.B.K.全国バレエコンクール シニアの部第1位・京都府長賞・京都市長賞受賞。16年、牧阿佐美バレヱ団に入団。これまでに、ローラン・プティ振付『アルルの女』(ヴィヴェット)、『三銃士』(コンスタンス)、『飛鳥 ASUKA』(金竜)、などに出演。2023年2月『ドン・キホーテ』では主演予定。

近藤悠歩(こんどう・ゆうほ)
パティオダンススクール、東京バレエ学校で学ぶ。これまでに、ウィリアム・ダラー振付『ル・コンバ』(タンクレット)、『ドン・キホーテ』(ガマーシュ/マタドール)、『眠れる森の美女』(4人の王子)、『飛鳥 ASUKA』(銀竜)、『くるみ割り人形』(アラブ/スパニッシュ)、『白鳥の湖』(スパニッシュ)などを踊っている。

久保茉莉恵(くぼ・まりえ)

松田敏子リラクゼーションバレエ、ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーで学ぶ。10年、全国舞踊コンクール バレエ第一部で第1位・文部科学大臣奨励賞を受賞。11年、『ドン・キホーテ』キトリを踊り主役デビュー。これまでに『くるみ割り人形』(雪の女王)、『ジゼル』(ミルタ)、ジョージ・バランシン振付『セレナーデ』(ソリスト)などに出演。

公演情報

牧阿佐美バレヱ団『くるみ割り人形(全幕)

日:2022年12月24日(土)・25日(日)
場:なかのZERO 大ホール
料:S席12,000円 A席9,000円 B席6,000円 C席3,000円(全席指定・税込)
HP:https://www.ambt.jp/
問:牧阿佐美バレヱ団 tel.03-3360-8251(10:00~18:00/土日祝休)

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