Bohemianist MasahiRo完全オリジナル曲による無伴奏ライブ 思いの丈を込めたオリジナル曲をヴァイオリンひとつで届ける特別なステージに!

Bohemianist MasahiRo完全オリジナル曲による無伴奏ライブ 思いの丈を込めたオリジナル曲をヴァイオリンひとつで届ける特別なステージに!

 唯一無二の個性が輝くヴァイオリニストとして、数々のホールにて無伴奏ヴァイオリンライブを展開しているBohemianist MasahiRo が、11月19日(土)サントリーホール ブルーローズにて『Private Note Live PREMIUM The BOHEMIANIST~Bohemianist MasahiRo無伴奏ヴァイオリンライブ in Tokyo ~』を開催する。昨年同じサントリーホール ブルーローズでの無伴奏ヴァイオリンライブで、大きな足跡を残したBohemianist MasahiRoだが、今回は更に、全プログラムを自身のオリジナル曲のみで紡ぐという、特別なステージとなる。
 そんなライブコンサートを前に、Bohemianist MasahiRoが無伴奏ライブに込めた思いと意気込み、自身の楽曲が生まれる源などを語ってくれた。


自分の個性と楽器の可能性に挑戦できる無伴奏ライブ

――――まずご自身にとって、無伴奏ライブはどういった位置づけと捉えていらっしゃるのかから教えてください。

「位置づけという意味で申し上げるなら、やはりヴァイオリン一本でどこまで勝負できるのか?という自分への挑戦ですね。例えば弦楽四重奏ですとか、ピアノとのバランスで考えていった方が華やかにはなりますし、世界観も広がると思うのですが、そこを敢えてヴァイオリンひとつでチャレンジすることが、自分の個性でもあり特徴でもあると思っています」

――――基本的にはピアノやギターなど伴奏も自分で弾く前提のソロ楽器とは、楽器としての成り立ちも違うかと思いますが、そこを敢えて無伴奏でというところに、どんな醍醐味を感じていらっしゃるのですか?

「ヴァイオリンはおっしゃるようにピアノで伴奏を弾いてもらい、メロディーを単旋律で奏でるというイメージが強い楽器かと思うのですが、実際は重音、和音での演奏も自在にできますし、音域もとても広いんです。それが無伴奏ですとダイレクトにわかっていただけます。もちろん、伴奏部分も弾きながら、メロディーを際立たせようと思うと、音色を変えるなど気をつけるべきこともたくさんありますが、そういう楽器の可能性や、特に自分のオリジナル曲ですと、自分のイメージを自分だけで伝えることができる自由さもありますね」

――――今回は特に、ご自身のオリジナル曲だけで構成されるライブということも大きな聴きどころですね。

「オリジナル曲を本格的に始めたのは、ここ2、3年の話なんです。それまではオリジナル曲もいくつかプログラムに組み込みながら、定番の「ラ・カンパネラ」や「ツィゴイネルワイゼン」など、ヴァイオリンの有名曲をそのまま演奏したり、アレンジを加えて演奏するのがコンサートライブの定番でした。やはり有名曲はお客様にも喜んでいただけますから。ただ僕はヴァイオリンを演奏することの基本として、テクニックよりも、自分の表現したいもの、感性やニュアンスを曲に込めて演奏したいと思っていて。もちろん既存の曲であっても、演奏者の解釈がありますし、そこに自分の感情を乗せてもいけるのですが、やはり僕から出てきた音楽、オリジナル曲の中には、自分の気持ちが1番入る、ある意味自分自身でもあるので、演奏して充実感を覚えていました。それを積み重ねていくうちに、少しずつお客様からも『オリジナル曲がとても良かった』というご好評をいただけるようになってきましたので、今回は全て自分のオリジナル曲でコンサートライブをやってみよう!と決心しました。正直初めてのことですから、どういう反応がいただけるのかはわかりませんが、自分の気持ちをどれくらいお客様にお伝えできるか?も含めて大きな挑戦ですし、やりがいも感じているところです」

自分が音楽の長い歴史に連なっているんだなと

――――そうしたオリジナルの楽曲が生まれてくる瞬間というのは、どういった時が多いのですか? 例えばふっと旋律が浮かんできたりもするのでしょうか。

「心が動いた時に、感情と一緒に曲が生まれてくることが多いですが、やはり感じるのは、自分が音楽の長い歴史に確実につながっているんだなということです。例えば既存の楽曲の演奏を聞いて感動し、この感動を曲に表現したいと思った時に、もちろん作曲ですからメロディーを真似るということとは全く違いますが、先人の音楽家の方々が曲を作る時に受けたであろうインスピレーションを、自分流に落とし込んでいるんだなと感じます。ですから先人たちの偉大な功績があって、その影響を少なからず受けながら、自分のオリジナル曲が生まれていっている。長い音楽の歴史の中に連なっているんだなと思っています」

――――とても素敵なお話ですが、そうしたオリジナル曲をお一人で演奏するとなりますと、例えば今回でしたらサントリーホール ブルーローズの空間ですとか、当日集まられるお客様との間で生み出される空気感で、演奏に即興的な変化があったりもするのでしょうか。

「やはりその時の自分の思いや等身大のものが音楽になっていますので、楽曲も自分と一緒に成長していくという感覚があります。本当に数ヶ月違うだけでも同じ曲ではないなと感じるんです。例えばサントリーホールでは4曲からなる組曲の演奏を予定していますが、第1曲から第4曲まで順番通りに演奏するのではなく、3番、2番、1番、4番の順で構成しようと今は思っています。そういう演奏順からしても変わりますし、サントリーホールでのコンサートの前の、非常に近い時期に横浜のみなとみらいホール 小ホールでのコンサートもあるのですが、ステージにいますとお客様の思いも伝わってきますので、その場で演奏が反応して変わっていくこともあります。ですからお客様に聞いていただくことで、更に成長する音楽でもあるのかなと思っています」

――――それはコンサートを続けてお聞きになる方々にも楽しみが広がりますね。

「ひとつには僕がロマの音楽をやってきたこともあるかもしれません。おそらくヴァイオリンの演奏家として活動している方々は、まずクラシック音楽をやってからジャズやロマ音楽もと進んでいかれる方が多いのでは?と思います。でも僕はジャズやロマの音楽をライブハウスで演奏していきながら、クラシック音楽にも入っていったので、異色な面はあるだろうと。もちろん確かな基礎がある凄みは大きいので、自分でも基礎の確認は常にやっていかなければと思っていますが、ライブコンサートでは先ほども申しましたように、お客様と作っていく一期一会の空気感がありますから、即興性も結構大事だなと思っているので、あくまでも僕の場合はということなのですが、この歩み方がよかったのかなと思っていますね」

音楽を表現する大切な要素の衣裳とも勝負する気持ちで

――――本当に“Bohemianist”のお名前通りに、自由度の高い素晴らしい演奏だなと感じますし、今日も大変素敵なお召し物ですが、視覚的なものにもこだわられているそうですね。

「ステージ衣裳は、音楽を表現する上でもひとつの大切な要素だと思っていて、いま、ドルチェ&ガッバーナを着ています。ただ、単に高名なブランドを着ることに意味があると思っているわけではなくて、ドルガバに出会った時に、フォーマルなものからこうした非常にカラフルで、ある意味奇抜な感性のものまである、強烈な個性と世界観に惹かれたんです。更にこの衣裳を身に着けることによって、お客様にイメージを膨らませていただけるだけではなく『素敵な衣裳だったね』に終わってしまってはいけない。この衣裳もどこかで霞むぐらいの演奏をしたい。そこも自分としてはひとつの勝負!という気持ちがあります。それに実際に着てみますと、見た目のインパクトだけではなく、本当に軽くて着心地がよく、演奏しやすいということもありました。今日着ているこれもちょっと宇宙っぽい感覚があって、演奏する「ギャラクシー」という楽曲にあっているなと思って選びましたので、表現のひとつとして楽しんでいただきたいと思っています」

――――聴きにいく側としても本当に楽しみですが、今回オリジナル曲だけのコンサートがあり、更に今後の展望と言いますか、やってみたいことはありますか?

「ピアニストの斎藤真理恵さんとのライブシリーズPrivate Note Liveで、斎藤さんに僕の楽曲をピアノソロで弾いていただきましたが、今後は自分が演奏するだけではなくて、ほかの方にも僕の楽曲を弾いてもらえるようになりたい、というのはひとつの目標としてはあります。そこからまた世界が広がっていったらいいなという夢は持っています」

――――そうした広がりにも大いに期待していますが、では最後に今回のサントリーホール ブルーローズでの完全オリジナルライブコンサートを楽しみにされている方々にメッセージをお願いします。

「2回目となるサントリーホール ブルーローズでのコンサートなので、去年より更にパワーアップした演奏を皆様にお届けできるように取り組んでいます。全曲オリジナル曲のプログラムで、昨年大変ご好評をいただいた楽曲ももちろん演奏しますし、新たに制作した楽曲もありますので、それにもご注目いただければと思っています。是非楽しみに聴きにいらしてください!」

(取材・文・撮影/橘涼香)

プロフィール

Bohemianist MasahiRo(ボヘミアニストマサヒロ)

ヴァイオリン&作曲。1989年カナダ生まれ、4歳からヴァイオリンを習い始める。2009年東京オペラシティリサイタルホールにてのデビュー以来、様々に活動の場を広げている。東欧の名工により製作された楽器を日本の名工によりMasahiRoの高速なスタッカートや強烈なピッツィカートなどが存分に発揮できるようにカスタマイズされたヴァイオリン“ハスラー”を使用している。

公演情報

The BOHEMIANIST ~Bohemianist MasahiRo無伴奏ヴァイオリンライブ in TOKYO ~

日:2022年11月19日(土)19:00開演(18:30開場)
場:サントリーホール ブルーローズ
料:5,000円(全席自由・税込)
HP:https://privatenoteconcert.wixsite.com/officialwebsite/
問:Private Note Artists事務局 tel.090-4845-3348

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