新プロジェクト“アップスシアター”第1回公演 お芝居×アクション×身体表現による総合的な演劇体験

新プロジェクト“アップスシアター”第1回公演 お芝居×アクション×身体表現による総合的な演劇体験

 キャスティングディレクター・奈良橋陽子が代表を務め、国際的な俳優育成で知られるユナイテッド・パフォーマーズ・スタジオ(アップス)。新たなプロジェクトとして“アップスシアター”を始動する。演出家・演技講師として活躍している米倉リエナを中心とし、独創的な感性の作品づくりと海外展開を視野に新たな演劇エンターテインメントを目指す。

 「まだまだコロナ禍ですが、この経験によってライブでやることの素晴らしさを改めて感じました。劇場という空間がやはり大切で特別だと思うので、作品をつくった方がいいのではと。またアカデミーが25周年を迎え、トレーニングするだけではなく、作品をつくる場所があり、そこに出られることが大事で、そういう場所をつくることができたらと思うようになりました。どういうものがスペシャルになるのか? 作品づくりの中で見つけたいし、新しい出会いを経てどんどん繋がっていきたいです」

 第1回目は、AI社会を舞台にしたオリジナル作品を届ける。

 「未来の計画などを読んでいるとちょっと恐ろしさを感じてしまって、AIが発達していく中で人間がどうあるべきなのか。AI社会自体が人間の欲をベースに成り立っていると思うのですが進化は止めることができないので、どう共存したら良いのだろうと。進化していく中でも人間本来の幸せを失わないことが大切ですよね。今作では、人間が人間を弾き出した内と外という壁に隔てられた未来の地球を舞台に、間違った方向へ進んでいく世界に立ち向かう若者達の姿を描きます」

 出演者には、物語の進行を担うキーマン・ポンタ役に生島翔、主演・リク役に遊歩、ヒロイン・メイ役に新人の永瀬結愛が決定。

 「生島さんは、卓越した身体表現力に加え、高いアーティスト性とユーモアを合わせ持っており、とても楽しみです。遊歩くんは優しい声が魅力。その場を照らすような明るさとエネルギーがあって、皆を笑顔にしてくれます。永瀬さんは、まだ何も染まっていない素朴さと垣間見える意思の強さが素敵で、皆が好きになってしまう。彼らを始め、出演者の皆さん全員のピュアで自然なエネルギーを活かして演出していけたらと思います」

 さらにゴミを使って楽器をつくるバケツドラムの第一人者・MASAの生演奏でリズムとお芝居を絡める身体表現にも注目だ。

 「お客様が劇場にいらしてくれて初めて完成します。皆さんと一緒に空間を共有できたら」

(取材・文:谷中理音 撮影:友澤綾乃)

プロフィール

米倉リエナ(よねくら・りえな)
ニューヨーク大学演劇学科卒業。俳優として、ミュージカル『アニー』、舞台『二十日鼠と人間』、『テンペスト』、映画『ビューティフル・マインド』などに出演。2001年、日本人女性初のアクターズ・スタジオ正式メンバーとなる。また、演出家として『Alchemist』、『Golden Tickets』、『MOMO』なども手掛ける。アップスアカデミーでは、演技講師として、母であり日本と海外を繋ぐキャスティングディレクター・奈良橋陽子と共に後進の育成に努めている。夢のオーディションバラエティー「Dreamer Z」(テレビ東京)の審査員を務めた。

公演情報

アップスシアター Vol.1『スカベンジャーズのアスカ』

日:2022年9月4日(日)~12日(月) 
場:すみだパークシアター 倉
料:一般5,000円 18歳以下3,500円(全席指定・税込)
HP:http://www.upstheater.com
問:アップスシアター tel.03-6869-1538(平日10:00~18:00)

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