オペラ『蝶々夫人』の創作に悩む作曲家 プッチーニと、彼を支える妻 エルヴィーラの愛をオリジナルストーリーで描く『Jewels Story プッチーニの描いた世界』。芝居と音楽、バレエで贈る夢の舞台で、バレエシーンを牧阿佐美バレヱ団の光永百花、ロシア国立ノヴォシビルスク劇場バレエ団の福田昂平が踊る。
光永「音楽や芝居にバレエが融合した新しい形の舞台で、バレエ団の公演ともまた違う。共演も色々な方々がいて吸収するものが沢山あるのを感じます。福田さんとは初めまして。軍服の衣装が似合いそうですよね(笑)」
福田「演出家曰く、『ピンカートン像にピッタリ』ということで声をかけて頂きました(笑)。僕は3月末にロシアから帰国したばかりで、外から見た日本文化というのはよくわかる。役と重なる部分はある気がします」
2人は蝶々夫人とピンカートン役で出演。振付は自由度が高く、託される部分も多いという。
光永「『ここはもう少しこうしてもいいですか?』とお伝えすると、『ぜひそれで』と意見をどんどん取り入れて下さって。かなり自由にこちらに任せてくれるので、私自身一緒に考えながら作り上げていて、楽しく挑戦させて頂いているところです」
福田「僕自身時々振付もするし、ロシアではイベントで踊ったり映像に出たり幅広い作品に出演してきました。もともと海外に出たのもキャパシティを広げたいという想いがあって、それは十分達成できたし、そこで培ってきたものを踏まえつつ色々アイデアを出していきたいですね」
キャストにはプッチーニ役の宮原浩暢(LE VELVETS)、エルヴィーラ役の真琴つばさをはじめ豪華な顔ぶれが集結。竜馬四重奏やヴァイオリン演奏も加わり、物語世界を美しく繰り広げていく。
福田「ミルフィーユのように物語が層になっていて難しさはあるけれど、同時にバレエで表現するというのは僕自身入りやすさもあって。僕はもともとテクニックより内にあるもので踊るタイプ。役に自分を重ね、演技ではなくピンカートンを内面から表現していけたらと思います」
光永「歌で気持ちを伝える方、芝居で伝える方と色々なアーティストがいる中で、私たちは踊りで伝える必要がある。福田さんとのコミュニケーションを大切に、いいものをお見せできるよう追求していきたいと思ってます。私自身こうした舞台に立つ機会はそうないので、ぜひみなさんに観て頂けたら嬉しいです」
(取材・文:小野寺悦子 撮影:山本一人(平賀スクエア))
プロフィール
光永百花(みつなが・ももか)
千葉県出身。5歳よりバレエを始める。2010年京都バレエ専門学校に入学、有馬えり子に師事。2016年牧阿佐美バレヱ団に入団。主な出演作に、『三銃士』(コンスタンス)、『アルルの女』(ヴィヴェット)、『角兵衛獅子』(姉)、『くるみ割り人形』(アラビア)、『ドンキホーテ』(キトリ/キトリの友人)、『ライモンダ』(夢の場ソリスト/パドトロワ)、『白鳥の湖』(パド
トロワ)、『眠れる森の美女』(6 人の妖精/森の聖地の精/オーロラの友人)など。
福田昂平(ふくだ・こうへい)
10歳のときロンドンでバレエを始める。帰国後、バレエスクールを経て18歳でカンパニー入り。主役・準主役を含め数々の舞台で踊る。2016年9月、ロシア国立ノヴォシビルスク劇場バレエ団に入団。年間200公演以上の舞台に立ち、『スパルタクス』、『くるみ割り人形』、『チッポリーノ』などでソリストを務める。その他の主なレパートリーに『白鳥の湖』、『スパルタクス』、『海賊』、『眠れる森の美女』など。
公演情報
Jewels Story プッチーニの描いた世界
日:2022年7月31日(日)16:00開演(15:00開場)
場:品川インターシティホール
料:S席[パンフレット付]12,000円 A席 8,000円(全席指定・ドリンク代別・税込)
HP:https://www.capital-village.co.jp/
問:キャピタルヴィレッジ tel.03-3478-9999(平日12:00~17:00)