能楽× ダンテ「神曲」 武の美が現世に問いかける普遍的な死生観 修羅道の亡者達との出会いが生むのは絶望かそれとも……

 源光士郎が2005 年に古武術と日本伝統芸能の所作を融合させた総合芸術「武楽」を創案し、多彩な視点で「和を尊ぶ心」を発信してきた武楽座。ダンテ没後700年となった2021年11月。ルネサンスの起点となった「神曲」と700年の歴史を持つ能楽を融合させ、日本のみならず世界各国から絶賛を浴びた武楽『神曲 修羅六道』が待望の再演となる。

源「本作では最愛のベアトリーチェを亡くし絶望の淵にあったダンテが東方(日本)の冥府に迷い込み、神々や修羅道の亡者との対話を通して成長する物語です。異文化との遭遇による彼の変化も見どころですが、実は普遍的な死生観など共通点も多く、ダンテを通して多くの皆様に感じてもらえるものがあるはず。日本人の心の琴線に触れる武の美しさにも是非注目してください」

 初演に続き演出を手掛けるのは映画監督の奥秀太郎。前日の4月30日に同劇場で再演される、人気漫画『攻殻機動隊』(士郎正宗原作)と能、最新映像技術を融合させた画期的作品『VR 能 攻殻機動隊』(同製作委員会)でも演出を担っており、この機会に両作品の体験を勧める。

奥「前回の観世能楽堂から東京芸術劇場プレイハウスに移り、新キャストも加わることで、より一層舞台表現が深まるはずです。『VR能』も毎回アップデートを重ねて、これぞメイドインジャパンというもので、能に対するイメージも大きく変わるはず。是非、その歴史的瞬間を目撃してもらいたいです」

 初演に続きダンテを演じるのは『宇宙戦隊キュウレンジャー』でホウオウソルジャー/鳳ツルギ役を演じた南圭介。また新キャストとなる帝釈天に、空手やヌンチャクを軸とした独自のダンスパフォーマンスで世界を魅了するサカクラカツミ。両氏とも並々ならぬ決意で本作に臨む。

南「修羅道での一つひとつの出会いを通してダンテの心が揺さぶる瞬間を自分のものとして感じることができ、役者としても大きく成長することができました。初演の蓄積をどう生かすかが今回の最大のテーマです」

サカクラ「東西を問わず人間の心の根底にある普遍的な不安や葛藤などが見事に表現されていて、これぞ日本のカッコよさだと世界に誇れる作品に参加できたことが光栄です。空手には独特の間やリズム感があり、自分が加わることで作品にプラスアルファができるように、全力で取り組んで参ります。是非、ご来場ください!」

(取材・文:小笠原大介 撮影:山本一人(平賀スクエア))

プロフィール

源 光士郎(みなもと・こうしろう)
2005年に「武の美」を提唱し、翌年に「武楽座」を創設。そのステージは日本のみならず、世界各国で絶賛されている。武道・日本伝統文化・現代アートなどの多彩な視点で「日本の美」と「和を尊ぶ心」を世界に発信している。

奥 秀太郎(おく・しゅうたろう)
映画監督・映像作家。劇場公開作品として『壊音』、『日雇い刑事』、『日本の裸族』など。演出作はNODA・MAP、宝塚歌劇団、大人計画から能、歌舞伎、落語と多岐に及ぶ。最新作は『VR 能 攻殻機動隊』。

南 圭介(みなみ・けいすけ)
2004年に映画『少年と星と自転車』でデビュー。2006年ミュージカル『テニスの王子様』手塚国光役、2017年には『宇宙戦隊キュウレンジャー』ホウオウソルジャー/ 鳳ツルギ役に抜擢された。2021年武楽『神曲 修羅六道』でダンテ・アリギエーリ役を熱演。

サカクラカツミ(さかくら・かつみ)
日本の武道の特異な「動き・リズム・精神性」を基としたパフォーミングアート「藝武」を創造。研ぎ澄まされた武道の技を『アート』として表現し、精神性を現代の諸問題を解決する『メッセージ』として発信。40か国以上から招聘され世界規模のイベントにてパフォーマンスを務める。

公演情報

VR能『攻殻機動隊』

日:2022年4月30日(土)16:30開演(16:00開場)
場:東京芸術劇場 プレイハウス
料:S席6,800円 M席[見切れ席]3,000円(全席指定・税込)
HP:https://ghostintheshellvrnoh.com/
問:VR能
mail:contact@ghostintheshellvrnoh.com

武楽『神曲 修羅六道』

日:2022年5月1日(日)18:30開演(18:00開場)
場:東京芸術劇場 プレイハウス
料:SS席[特典付]15,800円 S席8,800円 A席3,800円(全席指定・税込)
HP:https://bugaku.net/
問:武楽座 tel.03-4361-7778

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