Case.163 劇のカテゴライズ
ハプニング1
なにか小劇場の舞台を観ようかなぁと思い、下北沢にぶらりと行ってみる。すると、様々な種類の演目をやっている! 知っている劇団も、知らない劇団もやっていて、ワクワクしてきた。笑いでも涙でも観てみたいし、何でもない話でも観てみたい気分だ。たまには、ジャンルで選んでみようかな。さぁ、どうする?
ハプニング2
笑いたいなー!と思ってチラシを眺めていると、かなりお笑い寄りのシチュエーションコメディをやっている劇団を発見! これにしようかな……と思ったら、その隣に、クスっときそうなシニカルな劇団もある。こういうのってクスクスして油断してたら、意外と感動したりするんだよなー。さぁ、どうする!?
ハプニング3
なんだか日々が目まぐるしいし、やんわりと、感情を忙しくするんじゃなくて、自分の毎日を振り返ったり、誰かの日々を想ったりするような、そんな劇がいいかもなぁ。そう思うと、聞いたことある劇団がそういうことやってそう! あ、聞いたことない劇団も、なんとなくそうかも! さぁ、どうする!?
診断結果
A 雲のなかタイプ
やっぱり劇と言えば、客席ごとゲラゲラ笑えるようなのが楽しくて最高ですよね! コロナ禍を越えて、こうして客席で笑える幸せを嚙みしめるとなんだかグッときます。笑いに果敢に挑んでいるだけで、その劇団は偉くて素晴らしくて応援するべきです! 観に行こうぜ!
〈ラッキー帰り道〉歩いて帰る……色んな発見があるよね
B 雲よりも青空タイプ
クスクス系は、最後に意外とグッとこさせるんですよね、こっちもそれで油断しているから泣きそうになります。うっかりすると泣いているのは自分だけだったりするかもしれませんが、そんなこと恥ずかしがらなくて大丈夫です。劇の余韻はあなただけのものです!
〈ラッキー帰り道〉電車で帰る……すぐ帰れるしね
C 雲のふちタイプ
ちょっと今、どういう劇を作ればいいのかわからず、次のゴジゲンはそういう劇になるような気がしてます。やんわりって言われてもよくわからないかもしれませんが、物語の奥行きに腰かけてみて、人生の向こう側を見つめるような劇です。楽しみ方は自由です。
〈ラッキー帰り道〉遠回りして帰る……いいことあるかも
D 雲の向こうタイプ
行ったことのない劇団の劇に飛び込むのって、とんでもないハズレを引いてしまう怖さもありますが、ワクワクもしますよね。自分の感性とぴったり来た時の、宝くじを当てた時のような嬉しさと言ったら! それもこれから応援できるんですから! やんわりさせてほしいですね!
〈ラッキー帰り道〉タクシーで帰る……早く寝たい
今月のお言葉
それでも私の芸術と愛する人々のために、喜んで最後まで耐え忍びます。
―――――エゴン・シーレ(芸術家)
僕のやっている劇団ゴジゲンが、2年半ぶりに本公演をやるんです。『雲のふち』というタイトルで、下北沢 駅前劇場です。多くは語りませんが、SNSに書かなくてもいいので、劇場に観に来てほしいです。カテゴライズする分にはいいですが、されるのはとても悔しい。色々ありますが、僕は不機嫌です。君も不機嫌でしょう。お互い不機嫌かもしれませんが、いい劇にします。生身の表現を信じていたいです。よろしくお願いします。
プロフィール
松居大悟(ゴジゲン主宰)
11月20日(水)~ 12月1日(日)、
ゴジゲン第19回公演『雲のふち』下北沢 駅前劇場。
J-WAVE「JUMP OVER」毎週(水)26時~ 27時。