Noism0+Noism1『私は海をだきしめていたい』改訂版『春の祭典』上演決定

Noism0+Noism1『私は海をだきしめていたい』改訂版『春の祭典』上演決定

舞踊で紡ぐ、安吾とサティの精神世界
同時上演、改訂版『春の祭典』

りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館の専属舞踊団であるNoism Company Niigata(ノイズム・カンパニー・ニイガタ)の2026年夏の公演は、金森穣演出振付の新作『私は海をだきしめていたい』と改訂版『春の祭典』を上演。

新潟市出身の無頼派の作家・坂口安吾が生誕120年を迎える本年、安吾の短編『私は海をだきしめていたい』にインスピレーションを得て創作されます。
音楽は本年が生誕160年にあたる、安吾愛した作曲家エリック・サティのピアノ曲。
安吾とサティの共鳴する精神世界を、金森穣が舞踊詩として紡ぎます。

同時上演は、2020年コロナ禍に初演した金森穣版『春の祭典』をNoism0とNoism1による少人数編成で、美術も削ぎ落として、お届けします。言いようのない不安や恐れ、そして苛立ちを抱える現代人の精神状態を、生身の人間にしか表現できない、集団ヒステリーの儀式として描き出します。

◆公演によせて

今回の公演は、私たちが生きる「今」という時間を、二つの異なる身体の在り方から見つめ直す試みです。舞踊は常に現在形でしか存在できません。その一瞬に、どれほどの記憶と祈りを宿すことができるのか。私たちはその問いを抱え、劇場に立ちます。

金森穣演出振付による最新作は、新潟が生んだ作家・坂口安吾の短編集から導かれた『私は海をだきしめていたい』です。この作品がNoism0、Noism1の舞踊家たちの身体を通過するとき、劇場には名づけえぬ「海」が立ち現れるでしょう。私自身も一舞踊家として、その深みへ身を委ねたいと考えています。

もう一作は『春の祭典』。2020年、世界が突如として静止し、他者の身体に触れることが恐怖と隣り合わせになった時代に生まれた作品です。隔てられた日常のなかで、それでも私たちは踊り続け、最終的に互いの手を握り合いました。その行為は、祝祭である以前に、生き延びるための選択だったのだと思います。

数年を経た今、再び上演される『春の祭典』は、過去の再現ではありません。忘れてはいけないと誓ったあの日々から、果たして私たちは何を残しているのでしょうか。何事もなかったかのように過ぎゆく日常のなかで、本改訂版では、あの時、身体に刻まれた記憶を携え、今あらためて他者と向き合うとき、どのような新たな儀式が生み出されるのかに大きな期待を寄せています。
身体は嘘をつきません。孤独を抱えながら、それでも繋がろうとする生命の火花を、五感すべてで受け止めていただきたいです。

Noism 国際活動部門芸術監督 井関佐和子

◆演出ノート

新作『私は海をだきしめていたい』について

2024 年春。有志で構成される《安吾の会》から、「1年半後の2026年に生誕120周年を迎える坂口安吾を題材にして、舞踊作品を創作してくれないか」との依頼を受けた。『堕落論』や『白痴』、『桜の森の満開の下』などの代表作は読んだことがあったけれど、舞踊作品にするインスピレーションが湧いたことはなかったから、「調べてみますが、確約はできません」とお答えした。

創作手順の恒例として、安吾の作品というよりは作家について調べを進めると、安吾が非常に音楽的素
養の深いこと、特にフランス音楽に対する造詣が深いことを知るに至り、俄然興味が湧いてきた。なぜなら私にとっては音楽こそが創作の要であり、いかに面白い題材を見つけても、音楽が定まらなければ振付は始められないからである。

フランス音楽の中でも安吾はエリック・サティを殊の外好み、ジャン・コクトーによる『エリック・サ
ティ』も翻訳している。翻訳の気配からは、安吾がサティの音楽というよりも人となり、その生き様、すなわちサティの精神性に惹かれていたことが窺える。そこでサティについても調べを進めたら、サティもなかなか個性の強い自覚的落伍者であったことが分かり、共鳴する二人の孤高の精神から、創作の萌芽が生まれてきた。

そうは言ってもまだ安吾が足りない。ただ安吾が愛したサティで創作するのではなく、安吾とサティが
出会うことでしか生まれない世界を生み出したい。そのためにはサティの音楽と共鳴/拮抗する安吾の作品が必要だ。そう思い安吾の作品を網羅的に調べていると、長編小説よりも、随筆や短編の方がサティのピアノ曲に呼応することに気付いた。

そうして選んだのが『私は海をだきしめていたい』という短編である。ある男と女の屈折した関係性。
どれほど肉欲に耽っても、決して癒されない孤独な魂。渇望するように繰り返される愛憎の営みを、淡々と打ち寄せては引いていく波のように、サティのピアノ曲に乗せて舞踊化できないか。何かが成就するでも、崩壊するでもない、安吾とサティに共通する圧倒的な虚無感を、その優しさを、舞踊詩として紡げないか。そんなことを考えながら、創作を始めた。


『春の祭典』改訂版再演に際して

創作が図らずもコロナ禍と重なった本作には、創作時から色々と複雑な思いがあったし、今振り返って
も思うところが多い。コロナ禍に加えて前年に勃発していた Noism 活動継続問題も尾を引いていたのだから、当然と言えば当然である。そうして生まれた本作は初演後にすぐ海外招聘を受けていたにもかかわらず、戦争勃発によってツアーはキャンセルされた。コロナ禍、Noism存続禍、そして戦禍と、ありとあらゆる禍に翻弄されてきたこの作品を、今再びの Noism 存続禍に改定再演するという巡り合わせに、不思議な縁を感じずにはいられない。

今回の改定版では、出演人数も演出も削ぎ落とし、よりシンプルに、より濃密に、より身体的強度のあ
る作品に仕上げたいと思う。そうすることで、登場人物一人ひとりが抱える恐れや不安が互いに影響し合うことで生まれる集団ヒステリー、誰もが被害者であると同時に加害者でもあるという本作の主題を、より鮮烈に表現できると考えるからである。

演出振付 金森穣

◆公演概要

『私は海をだきしめていたい』
演出振付:金森穣
音楽:エリック・サティ
衣裳:井深麗奈
出演:Noism0、Noism1

改訂版『春の祭典』
演出振付:金森穣
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
衣裳:RATTA RATTARR
椅子:須長檀
出演:Noism0、Noism1

舞台監督:夏目雅也
照明:伊藤雅一(RYU)

■ 新潟公演
《日程/会場》
2026年 6月27日(土)・6月28日(日)、7月4日(土)・7月5日(日) ※全4回
りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館〈劇場〉

主催:公益財団法人新潟市芸術文化振興財団
共催:BSN新潟放送、NST新潟総合テレビ、TeNYテレビ新潟、UX新潟テレビ21(新潟公演)
製作:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館

■ 埼玉公演
《日程/会場》
2026年 7月25日(土)・7月26日(日) ※全2回
彩の国さいたま芸術劇場〈大ホール〉

主催:公益財団法人新潟市芸術文化振興財団
共催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(埼玉公演)

◎その他公演詳細、チケットのお取扱いは下記公式よりご確認ください


【各種公式】
HP:https://noism.jp/
X(旧 Twitter):@NoismPR
YouTube:https://www.youtube.com/@noismpr4793/about

【お問い合わせ】
りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
TEL: 025-224-5627(10:00-18:00 / 休館日除く)
FAX: 025-224-5626
E-mail: info-noism@ryutopia.or.jp




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