名作の古形に迫る!能・狂言を再発見する『国立能楽堂3月特別企画公演 袴裂・岩船』開催決定

国立能楽堂主催、能・狂言を再発見する『3月特別企画公演 袴裂・岩船』が2022年3月25日 (金) ~3月26日 (土)に国立能楽堂(東京都渋谷区)にて上演されます。チケットは2月8日(火)10:00より発売開始です。

2月8日(火)よりチケット発売開始

公式ホームページはこち

 作品の演出や解釈を新たな視点で捉える「再発見する」シリーズ。平成24年のスタート以来、能を中心に上演してきましたが、今回は狂言にも枠を拡げ、「天正狂言本」所収の「袴裂」を、古い狂言絵の演出を取り入れて上演します。能は「岩船」をご覧いただきます。観世流では通常演じられない前場を復元、また後場には女神・天探女が天の岩船に乗って登場し、その船を龍神が牽引して住吉の浦に着岸させるという新たな見どころもあります。
 令和2年3月に中止となりました公演を、一部変更して開催いたします。能楽堂にて、作品の世界に浸っていただくひとときを過ごしていただければ幸いです。

【あらすじ】
「袴裂」 現存する最古の狂言台本「天正狂言本」に伝わる「はかまさき〈袴裂〉」は現行狂言「二人袴」の古形と考えられていますが、大まかな粗筋しか書かれていません。本作では、江戸時代の狂言絵を参照しつつ、新たな解釈も加えながら現代によみがえらせます。結婚後に夫が妻の実家を初めて訪れる「聟入り」にまつわる失敗譚は、近世には聟の失態を描くのが典型となりましたが、本作では舅の粗相が主題となります。
 予定より早く聟入りにやって来た聟。舅はあいにく手元に袴がなく、太郎冠者の袴を借りて面会しますが、太郎冠者と一緒に出てくるよう言われ…。「二人袴」では袴は真二つに破れますが、今回の「袴裂」では狂言絵を参考に、袴は一か所だけが裂け、舅と太郎冠者は隣り合わせに独特の動きを見せます。

「岩船」 浜の市(宝の市)が開かれている住吉の浦(津守の浦)を訪れた勅使の前に、唐人ふうの不思議な女が現れ、勅使に宝珠を捧げ、自分は昔この浦に岩船を漕ぎ寄せた天探女であると明かし姿を消します。やがて天探女が龍神の引く岩船に乗って天から現れて数々の宝をもたらし、国の繁栄が約束されます。
 金銀珠玉の捧げものが住吉の市に降りくだる、祝意に満ちた曲です。今回は最古の謡本である観世元頼本などを参考に、作品の古形に迫ります。観世流では通常演じられない前場が復元され、さらに後場には、現行諸流の「岩船」には登場しない天探女が喜見城の宝を満載した岩船に乗って現れ、大君への捧げものを住吉の浦に積みあげます。

公演概要

国立能楽堂 能・狂言を再発見する『3月特別企画公演 袴裂・岩船』
公演期間:2022年3月25日 (金) ~3月26日 (土)
会場:国立能楽堂(東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1)

■出演者
おはなし 小田幸子(能・狂言研究家) / 天野文雄(京都芸術大学舞台芸術研究センター所長)

「天正狂言本」と古画による
狂言「袴裂」   野村又三郎

復曲能「岩船」  (25日)大槻文藏(人間国宝)
         (26日)梅若紀彰 / 観世喜正

■公演スケジュール
3月25日(金) 12:00開場/13:00開演
3月26日(土) 12:00開場/13:00開演
※開場時間は、開演の1時間前の予定です。
※15:50頃終演予定

■チケット料金
正面:6,800円
脇正面:5,700円(学生4,000円)
中正面:4,700円(学生3,300円)
(全席指定・税込)

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