1958年と2008年のロンドンを舞台に 人間の「尊厳」について描く
PLAY/GROUND Creation(代表:井上裕朗)主催、PLAY/GROUND Creation #3『The Pride』が2022年7月23日(土)〜7月31日(日)に赤坂RED/THEATER(東京都港区)にて上演されます。
『The Pride』はイギリスの劇作家アレクシ・ケイ・キャンベルによって2008年に書かれた作品です。日本でもTPTの製作により2011年に上演されています。その上演準備の際、翻訳初稿を読む機会があり、僕はこの作品と出会いました。
作品の舞台はロンドン、1958年と2008年の二つの時代を行き来しながら物語が進みます。それぞれの時代には、同じ名前を持つけれども別人であり、別人ではあるけれど時代を超えて精神が共鳴し合う三人のキャラクター──ふたりのゲイの男性オリヴァーとフィリップ、彼らと深い関わりをもつ女性シルヴィア──が登場し、物語が進むにつれ二つの時代が溶け合っていきます。人間の「尊厳」について力強く訴えかけてくる作品であると同時に、とても魅力的なラブストーリーでもあります。最初にこの戯曲を読んだときに感じた興奮をいまだにはっきりと覚えています。
今回の公演に集まってくれたメンバーたちと共にこの戯曲を深掘りし、登場人物たちの生き様に思いを馳せ、ひいては2022年に生きる我々の現在を見つめ直す作品にできればと思っています。
PLAY/GROUND Creation代表
『The Pride』演出:井上裕朗
『The Pride』 作家プロフィール
Alexi Kaye Campbell(アレクシ・ケイ・キャンベル)
イギリスの劇作家。ギリシャ生まれ。俳優として長年活動したのち、劇作家に転身。
第1作目の戯曲『The Pride』が2008年、ロンドンのロイヤル・コート・シアターで上演され、ローレンス・オリヴィエ賞 (Outstanding Achievement in an affiliate theatre) などを受賞。2010年にニューヨークのMCCシアターでジョー・マンテロー演出、ベン・ウィショー、アンドレア・ライズボロー、ヒュー・ダンシーらの出演により上演。2013年、初演と同じジェレミー・ロイド演出により、ロンドンのウェスト・エンドでも上演。
第2作目『弁明』(Apologia) が2009年、ロンドンのブッシュ・シアターで、ジョージー・ルーク演出により初演。2017年、ロンドンのウェスト・エンドで、ジェレミー・ロイド演出、ストッカード・チャニング主演により上演。2018年、ニューヨークのラウンドアバウト・シアター・カンパニーで、同じくチャニング主演により上演。
第3作目『信じる機械』(The Faith Machine) が2011年、ロイヤル・コート・シアターでジェレミー・ロイド演出により上演。
第4作目『ブラッケン・ムーア』(Bracken Moor) が2013年、劇団シェアード・エクスペリエンスにより、ロンドンのトライシクル・シアターで上演。ポリー・ティール演出。
第5作目『タリア荘の夕陽』(Sunset at the Villa Thalia) が2016年、ロンドンのナショナル・シアターで、サイモン・ゴドウィン演出により上演。ベン・マイルズ、エリザベス・マクガヴァン主演。
そのほか、オーストラリア、ドイツ、スウェーデン、ギリシャ、イタリア、日本、韓国など、多くの国々の劇場で作品が上演されている。
『The Pride』作品詳細
【場所・時】ロンドン 1958年/2008年
【登場人物】
1958年 オリヴァー/フィリップ/シルヴィア/医者
2008年 オリヴァー/フィリップ/シルヴィア/男/ピーター
二つの時代のオリヴァー、フィリップ、シルヴィアはおなじ俳優が演じる。
一人の俳優が、医者、男、ピーターを演じる。
【あらすじ】
「あの夜、あなたがはじめて来たとき、何かが起きた。そうでしょう?」
1958年。シルヴィアは、仕事仲間のオリヴァーを自宅へ誘い、夫のフィリップを紹介する。
「その目は尊厳を求めてた。つまり聞いてもらうことを。声をもつ権利を。」
2008年。シルヴィアは、パートナーのフィリップにふられたオリヴァーをなぐさめ、二人をプライドパレードに誘う。
二つの異なる時代を生きる、同じ名前をもつ三人。過去は亡霊となって現在に姿を現わし、現在は未来の亡霊として過去に姿を現わす。
「変化って信じる?──だってほら。すごく愛してる。心の底から。」
スタッフ プロフィール
The Pride 翻訳・ドラマターグ
広田 敦郎(ひろた・あつろう)
劇団四季、TPT を経てフリーランスの翻訳者/ドラマターグ。2009年、トム・ストッパード作『コースト・オブ・ユートピア──ユートピアの岸へ』の翻訳により第2回小田島雄志・翻訳戯曲賞。アジアン・カルチュラル・カウンシル2013年グランティ。
近年の翻訳上演作品:
アレクシ・ケイ・キャンベル作『ブラッケン・ムーア』『弁明』『信じる機械』『プライド』、サイモン・スティーヴンス作『FORTUNE』『夜中に犬に起こった奇妙な事件』『千に砕け散る空の星』(ロバート・ホルマン/デイヴィッド・エルドリッジ共作) 『ポルノグラフィ』『広い世界のほとりに』、テネシー・ウィリアムズ作『西洋能 男が死ぬ日』『地獄のオルフェウス』、アーサー・ミラー作『みんな我が子』『セールスマンの死』『るつぼ』、クリストファー・ハンプトン作『危険な関係』、ハワード・ブレントン作『BLOODY POETRY』、ジョン・スタインベック作『二十日鼠と人間』、イプセン作『民衆の敵』、ロルカ作『ベルナルダ・アルバの家』、カレル・チャペック作『母』、ネルソン・ロドリゲス作『禁断の裸体』
PLAY/GROUND Creation 代表 |The Pride 演出
井上 裕朗(いのうえ・ひろお)
1971年10月24日生まれ。東京都出身。
東京大学経済学部経営学科卒業後、外資系証券会社に勤務。退社後、2002年より北区つかこうへい劇団養成所にて俳優活動を開始。以降、TPT・地人会・流山児★事務所・T Factory・演劇集団砂地・乞局・箱庭円舞曲・DULL-COLORED POP・Theatre des Annales・イキウメ・風琴工房・serial number・TRASHMASTERS・unratoなど、小劇場を中心にさまざまな団体の作品に出演。
2015年、自身が主宰するユニット『PLAY/GROUND Creation』を立ち上げ、俳優主体の創作活動をスタート。2016年1月には、シアター風姿花伝にてワークショップ公演 the PLAY/GROUND vol.0『背信 | ブルールーム』を企画・上演。『背信』を演出、『ブルールーム』に俳優として出演する。2019年2月には、劇団DULL-COLORED POPにて『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』を演出。
PLAY/GROUND Creationの公演においては、#1『BETRAYAL 背信』(2020/9 赤坂RED/THEATER), #2『Navy Pier 埠頭にて』(2021/12 横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール) にて、翻訳・演出を担当。
PLAY/GROUND Creation プロデューサー
齋藤 厚子(さいとう・あつこ)
2004年石原プロモーション入社、スペシャルドラマ『祇園囃子』他、制作現場でAPなど裏方として経験を積む。勤務期間中、1年間を東宝グループにて舞台公演の製作、広報等を担当。以後、その経験を活かし2015年に石原プロ初プロデュース公演『希望のホシ』でプロデューサーを務める。昨年、PLAY/GROUND Creationにて『BETRAYAL 背信』公演を実施。井上裕朗と共同プロデュースを務める。ユニットの継続、俳優主体の新しい制作の場を目指し、一般社団法人PLAYGROUND Creationを設立。
同時に、石原プロの業務終了のため、2021年4月より株式会社舘プロに在籍。
キャストプロフィール
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荒木 健太朗(あらき・けんたろう)
1982年8月25日生まれ、熊本県出身。
2004年から2014年まで劇団StudioLifeに所属し、『Romeo&Juliet』『アドルフに告ぐ』『天守物語』など数々の作品で主演を務める。
近年は、ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞2018 巴里~(源義経役)、舞台『幽☆遊☆白書』其の弐(左京役)、『錆色のアーマ』外伝 -碧空の梟-(鶴首役)、イマーシブシアター『サクラヒメ~「桜姫東文章」より~』(浪人役)、KAKUTA第29回公演『ひとよ』(稲村雄二役)、NAPPOS PRODUCE 舞台『トリツカレ男』(レオナルド新聞記者役)など、2.5次元ミュージカルからストレートプレイまで、幅広く活動している。
池田 努(いけだ・つとむ)
1978年12月17日生まれ、神奈川県出身。
2000年「21世紀の石原裕次郎を探せ!」オーディションをきっかけ芸能界へ。翌年、ドラマで俳優デビュー。古武道を得意とし、ドラマを中心に映画、舞台で活躍中。石原プロモーション終業に伴い、2021年7月より舘プロに所属。
近年の主な作品に映画『Fukushima 50』『ヤクザと家族 The Family』、ドラマ『生きて、ふたたび~保護司 深谷善助』『第三の時効』、舞台『墓場なき死者』『幸せの標本』など。
プロの画家としても稼働しており、配信テレビ番組『舘プロ所属俳優そして画家 二刀流 池田努 徳島鳴門で名画に出会う』(徳島県内ケーブTV16局、YouTube)が現在放送中。
PLAY/GROUND Creationには『BETRAYAL 背信』に続き2回目の参加となる。
陽月 華(ひづき・はな)
1980年9月2日生まれ。
2000年、宝塚歌劇団に入団。星組を経て、07年宙組トップ娘役に就任。09年の退団後は、舞台のみならず映像に も進出し、数々のテレビドラマ、映画、CMに出演。EX『警視庁・捜査一課長』にレギュラー出演中。
主な出演作にTX『ユーチューバーに娘はやらん!』NHK『忠臣蔵の恋~四十八人目の忠臣~』NHKBSプレミアム『プリンセスメゾン』、映画『燃えよ剣』『あの日のオルガン』『かぞくわり』、舞台『灰色のカナリア』『みえない雲』『フランケンシュタイン』『斬られの仙太』など。
鍛治本 大樹(かじもと・だいき)
1983年12月9日生まれ。宮崎県出身。中央大学法学部法律学科卒。
キャラメルボックス俳優教室を経て、2007年にキャラメルボックス入団。
劇団での出演作は、『アルジャーノンに花束を』『時をかける少女』『嵐になるまで待って』『太陽の棘』(主演)『リトル・ドラマー・ボーイ』(主演)他多数。
外部出演も多く、ほさかよう(空想組曲)、瀬戸山美咲(ミナモザ)、中屋敷法仁(柿喰う客)、須貝英(Mox’tra)などの演出家との作品や、海外戯曲『背信』、2.5次元舞台『黒子のバスケ』等にも出演。
また、アニメ『遊戯王VRAINS』のスペクターや『BORUTO』の呉越ドウシュ、スピルバーグ監督『ウエスト・サイド・ストーリー』チノの外画吹替を担当するなど俳優から声優まで幅広く活躍している。
<side-B>
岩男 海史(いわお・かいし)
東京都出身。衣装家の両親のもと、幼少より芸能と携わる。16歳より演劇の衣装助手として活動を始め、18歳より俳優活動を開始。演劇団体「アヴァンギャルド×コンプレックス」代表。新国立劇場演劇研修所10期修了。
近年の舞台出演作に、和田憲明演出『虎は狐と井の中に(仮)』『さよなら西湖くん』、鄭義信演出『COUPLES 冬のサボテン』『泣くロミオと怒るジュリエット』、岩井秀人演出『投げられやすい石』、栗山民也演出『日本人のへそ』、加藤拓也演出『友達』、寺十吾演出『奇蹟』など。
池岡 亮介(いけおか・りょうすけ)
1993年9月3日生まれ。愛知県出身。
近年の主な出演作に舞台『火星の二人』(作・演出:倉持裕)、『CHIMERICA』(演出:栗山民也)、『まじめが肝心』(演出:大澤遊)、『熱海殺人事件』(演出:岡村俊一)、『4』(作・演出:川村毅)、『愛しのボカン』(作・演出:山崎彬)、『かがみの孤城』『ぼくのメジャースプーン』(脚本・演出:成井豊)、ミュージカル『ゆびさきと恋々』(演出:田中麻衣子)、『魍魎の匣』(演出:板垣恭一)、音楽朗読劇『黑世界』(演出・監修:末満健一)、音楽劇『ガリレオ★CV2』(演出:堤泰之)、ドラマリーディング『振り返る人たち』(構成・演出:永井愛)、ドラマ『グランメゾン東京』、『真夜中にハロー!』、映画『東京リベンジャーズ』等。12月に舞台『夜明けの寄り鯨』(作:横山拓也・演出:大澤遊)を控える。
福田 麻由子(ふくだ・まゆこ)
1994年8月4日生まれ。東京都出身。
主な舞台の出演作として、『いやむしろわすれて草』(2013 演出:前田司郎)、『まゆをひそめて、僕を笑って』(2017 演出:加藤拓也)、『夢のLife two トゥライフ』(2017 演出:粟島瑞丸)。ドラマでは、『スカーレット』(NHK)、『メンズ校』(TX)、『リカ~リバース~』(CX)などに出演。映画の出演は、『ヘブンズ・ドア』、『桜、ふたたびの加奈子』、『FLARE フレア』、『ラ』、『蒲田前奏曲』、『グッドバイ』など。
山﨑 将平(やまざき・しょうへい)
1990年生まれ。千葉県出身。
第 17 回 JUNON SUPER BOY コンテスト審査委員特別賞受賞。 ドラマ『ガチバカ!』でデビュー。 その後、TV・映画・舞台とジャンルを問わず活動中。
最近の出演作は、webCM:富士フィルム×セブンイレブン『会えなくてもそばに』編、舞台:温泉ドラゴン第16回公演『続・五稜郭残党伝~北辰群盗録』、映画:『ちょっと思い出しただけ』(助監督兼酔っ払い役)、映画:『#ピリオド打ったらカタルシス』(主演ヒロ役 2022年公開予定)などがある。
Twitter:@shoi09
Instagram:@shohey_yamazaki
PLAY/GROUND Creation について
2015年6月、俳優の井上裕朗が中心となり、俳優のみが集まる勉強会「actors’ playground」を開催。その後も活動を継続し、同年10月、actors’ playgroundの発展形として、企画・制作ユニット『PLAY/GROUND Creation』を始動。名称には「playground(遊び場)=PLAY(演じる・演劇)+GROUND(土台・根付かせる)」という意味が込められており、俳優をはじめとするシアターアーティストが緩やかに集い、それぞれが自主的かつ能動的に参加できる豊かな「遊び場」作りを目指している。
2016年1月には、actors’ playgroundの延長線上にあるワークショップ公演『背信|ブルールーム 』(シアター風姿花伝)を上演。2020年9月には、初の本格的な劇場公演『BETRAYAL 背信』を製作・上演(赤坂RED/THEATER)。その際共同プロデュースにあたった齋藤厚子と共に、2021年1月法人化。
2021年12月、第2回公演として、アジア初演となる『Navy Pier 埠頭にて』を製作・上演(横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール)。本作品はPLAY/GROUND Creationとして三作品目の製作となる。
公演概要
PLAY/GROUND Creation #3『The Pride』
公演期間:2022/7/23(土)〜7/31(日)
会場:赤坂RED/THEATER (148席を予定) (東京都港区赤坂3丁目10-9 赤坂グランベルホテル B2F)
上演時間:約140分(予定)
■出演者
キャスト (side-A) ※戯曲表記順/登場順
オリヴァー: 荒木 健太朗
フィリップ: 池田 努
シルヴィア: 陽月 華
医者・男・ピーター: 鍛治本 大樹
キャスト (side-B) ※戯曲表記順/登場順
オリヴァー: 岩男 海史
フィリップ: 池岡 亮介
シルヴィア: 福田 麻由子
医者・男・ピーター: 山﨑 将平
■スタッフ
作: アレクシ・ケイ・キャンベル
翻訳・ドラマターグ:広田 敦郎
演出: 井上 裕朗
音楽: オレノグラフィティ
音楽協力: 絢屋 順矢
美術: 稲田 美智子
照明: 富山 貴之
音響: 鏑木 知宏
衣裳: 萩野 緑
ヘアメイク: 武部 千里
演出助手: 船岩 祐太
舞台監督: 鳥養 友美
宣伝美術: 藤尾 勘太郎
■チケット料金
一般:7,000円
U24:3,500円 (24歳以下・要身分証明証)
プレミアチケット:10,000円
※前方センターブロック席確保
※パンフレット・特製クリアファイル付き
(全席指定・税込)
公式ホームページ
http://www.next.playground-creation.com
6月5日(日)10:00よりチケット先行発売開始