能の世界から思いを馳せる ~中世の女性たちの生き方~
復曲能を観る会(代表:加藤眞悟)主催、『復曲能を観る会〈和田酒盛〉東京公演 能の世界から思いを馳せる ~中世の女性たちの生き方~』が2022年10月9日 (日)に国立能楽堂(東京都渋谷区)にて上演されます。
多くの人々に愛され続けてきた『曽我物語』に題材を得た能〈和田酒盛〉が昨年、数百年ぶりに復活しました。この度、東京初演となります。
〈和田酒盛〉は鎌倉武将が大勢登場する華やかな能。一方で、曽我十郎の恋人・虎御前が十郎を慕い、時の権力者に媚びることなく自分に正直に生きる姿も描いています。公演のサブタイトルは「能の世界から思いを馳せる ~中世の女性たちの生き方~」。現代の私たちの生き方を考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。
能楽界を代表する演者も多数出演。復曲能を観る会だけでご覧いただける〈和田酒盛〉をぜひお楽しみください。
【予定演目/あらすじ】
仕舞「巴」
一人の僧が、木曽義仲の愛妾で女武者・巴御前の幽霊に出会う。仕舞では、敵に囲まれた義仲の自害を前に、長刀を携えて奮戦する巴御前の戦いぶりを描く。
仕舞「班女 クセ」
愛する吉田少将と別れた後、交わした扇を見つめて勤めに出ない遊女・花子。宿を追い出された後、京の下賀茂神社で班女と呼ばれる物狂いとなって我が身の無常を語り舞う。
仕舞「花筐 クセ」
大迹部皇子は照日ノ前を寵愛していたが、天皇に即位するため別れに際して花筐(花籠)を贈る。照日ノ前は物狂いとなって都に上ると天皇の行列に出会い恋慕の情を訴える。
狂言「鬼瓦」
訴訟のために上京していた遠国の大名が首尾よく勝訴し帰国することに。大名は太郎冠者を伴って因幡堂に御礼参りをするのだが…。妻を想う大名の大らかさを描く秀作の狂言。
復曲能「和田酒盛」
父の仇、工藤祐経を討つと決めた曽我十郎は恋人の虎に別れを告げる。場面が変わると、虎と十郎も同席する鎌倉幕府の有力者・和田義盛の大宴席。好きな相手に盃を向ける「思い差し」が座興になると、虎ははばかることなく十郎に盃を向ける。それを見た義盛一族が色めき立つとそこへ弟の曽我五郎が駆けつけ、義盛の子である剛の者、朝比奈と組み合うが十郎がとりなして三人で華やかに相舞を舞う。
復曲能を観る会
「能と狂言の力で人と人を繋ぎたい」「復曲は埋もれた文化遺産の発掘」
このふたつの言葉を柱に、現在は演じられなくなった、しかし現代に上演価値のある室町時代の演目を復曲(再興)することで古人が大切にしてきた文化を再認識し、公演活動等を通じて「生きている伝統芸能を未来に繋げたい」、この志を同じくする能楽師の加藤眞悟、長谷川晴彦、古室知也、奥津健太郎が集い、昨年5月に任意団体「復曲能を観る会」を設立しました。本年3月には一般社団法人となり、継続的・発展的に活動する地盤が固まりました。
本年は10月9日の東京公演、11月12日の名古屋公演を軸に、能狂言の講座なども開催します。昨年度より引き続き、文化庁ARTS for the future!事業の採択を目指しています。
一般社団法人 復曲能を観る会
代表理事:加藤眞悟
理事:長谷川晴彦/古室知也/奥津健太郎
公演概要
『復曲能を観る会〈和田酒盛〉東京公演』
能の世界から思いを馳せる ~中世の女性たちの生き方~
公演日時:2022年10月9日 (日) 開場13時15分/開演14時
会場:国立能楽堂(東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1)
■ 演目/主な出演者
講演 坂井孝一(創価大学文学部教授)
仕舞「巴」 梅若紀佳
仕舞「班女 クセ」 梅若紀長
仕舞「花筐 クセ」 梅若万三郎
狂言「鬼瓦」
大名 野村又三郎
太郎冠者 野村信朗
復曲能「和田酒盛」
曽我十郎 長谷川晴彦
虎御前 加藤眞悟
朝比奈 古室知也
曽我五郎 梅若久紀
和田義盛 安田 登
郎等 高橋正光
虎ノ母 奥津健太郎
家人 奥津健一郎
笛 小野寺竜一
小鼓 久田舜一郎
大鼓 大倉正之助
■ スタッフ
加藤眞悟、長谷川晴彦、古室知也、奥津健太郎
■ タイムテーブル
2022年10月9日(日)開演14時(開場13時15分)
14時~ 講演
14時20分~ 仕舞三番
14時40分~ 狂言「鬼瓦」
15時00分~ 休憩
15時20分~ 復曲能「和田酒盛」
16時10分頃 終演予定
※上演時間 約2時間10分
■ チケット料金
前売:正面S席6,000円/正面A席、脇正面A席5,000円/脇正面B席、中正面席4,000円
当日:前売と同料金
(全席指定・税込)
主催:復曲能を観る会
公式ホームページ
https://hukkyokunouwomirukai.amebaownd.com/
公式Twitter:@hukkyokunou
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