ONEOR8「ママごと」が1⽉21⽇(⽊)に紀伊國屋ホールにて開幕した。
初演は2022 年4 ⽉。⽥村孝裕が劇団テアトルエコーに書き下ろし、本来であればコロナの緊急事態宣⾔前に上演予定だったが、公演延期を余儀なくされ、やっとの思いで上演。当時かなりの⾼評価を得た作品だ。
浮気、不倫、略奪愛――さまざまな“秘め事”を抱える4 ⼈の⺟親と、その狭間で揺れる⼈々を描く⼈間ドラマ。
舞台は都内の⾼級料理店。若い⼆⼈の結納の席に集まったのは、夫を亡くし息⼦を⼥⼿ひとつで育てた⺟、⽻振りのいい経営者⼀家、そして突如現れた⽣みの⺟。
本⾳と建前が交錯し、⺟たちの思惑がぶつかり合う中、家族のかたちと愛の⾏⽅が鮮やかに浮かび上がる。
開幕に先立ちゲネプロが行われた。
ONEOR8『ママごと』開幕! 笑いと涙であっという間の2 時間
劇作家・演出家の⽥村孝裕率いる劇団ONEOR8『ママごと』が、1 ⽉21 ⽇、東京・紀伊國屋ホールで初⽇の幕を開けた。もともとは劇団テアトル・エコーのために書き下ろされ、2022 年に上演された際に⾼い評価を得た作品。今回はONEOR8 の劇団公演として福⽥沙紀、須賀健太という若⼿実⼒派のほか、テアトル・エコーから重⽥千穂⼦、そして重⽥と同期だった安達忍と岡のりこも出演。さらに佐藤B 作(劇団東京ヴォードヴィルショー)も参加と、貴重な顔合わせが実現した。温かくてどこか笑える⼈間の機微が、演技巧者たちの絶妙なセリフの応酬によって⽣き⽣きと描かれる本作。公演は東京の後、松本、⼤阪、⼥満別、⼠別、湧別、深川、北広島、能登、倉敷、⿅児島公演と続くが、まさに世代を問わずに気軽に楽しめる舞台となっている。
物語の舞台は、とある⾼級料理店。結納の⾷事会を開くために訪れた拓実(須賀健太)と叔⺟の由紀⼦(重⽥千穂⼦)が部屋の眺望を確かめる中、婚約者のはな(福⽥沙紀)と、⺟で後妻の幸(岡のりこ)、⽗の嘉郎(佐藤B 作)も到着する。拓実の⺟・美佐枝(冨⽥直美)も揃い、ようやく⾷事会をというところへ、はなの実⺟・あゆみ(安達忍)が突然現れる。シングルマザーの美佐枝と共に拓実を育てたと⾃負する独⾝の由紀⼦も含め“4 ⼈のママ”に囲まれて、拓実もはなも困惑。さらには浮気、不倫、略奪愛と不穏な背景が次々と浮かび上がり、最後にはなと拓実が取った⾏動は……。
育ててくれた継⺟の幸と、⼗数年ぶりに再会した実⺟のあゆみとの間で揺れるはな。最後までどうなるか分からない物語の⾏⽅を担うはな役・福⽥は、丁寧にその⼼情をたどることで観客を引き込んでゆく。拓実役の須賀も同様だ。
物語の前半はどこにでもいる若者として由紀⼦ら“ママ”たちの⾔動に押されて右往左往。そこから終盤のある⾏動で拓実という⻘年をもう⼀段深く掘り下げられたのは、やはり須賀ならではだろう。
幕開きからベテラン俳優陣の丁々発⽌を楽しんでいると、後半から終盤ではいつのまにか若いふたりの姿がくっきりと⽴ち現れてくる。最後の最後まで飽きさせない構成で、2 時間の上演時間があっという間に感じられた。
由紀⼦役の重⽥は登場シーンから佇まいひとつ、咳払いひとつで客席を沸かせる。だからこそ由紀⼦⾃⾝の“事情”がうかがえる場⾯では、その⼼情が胸に迫る。嘉郎役の佐藤も冒頭ではサングラス姿で“怪しい社⻑”感満載だが、妻の幸と前妻のあゆみとの間でアタフタする姿に⼈間くささがにじみ、思わす応援したくなるから不思議だ。
幸役・岡の上品だがどこか本⼼を隠している表情、あゆみ役・安達の、はすっぱさはあるがはなへの真⼼が伝わる姿など、それぞれの⼈物像も魅⼒的。気苦労の多そうな美佐枝役の冨⽥や、真⾯⽬だが空回りしがちな料理店の店⻑・平川役の⼭⼝も含めて、思わず「あるある」とうなずきたくなるような登場⼈物ばかり。いつのまにか⼀緒に笑ったり、少しホロリとしたりと、観客が肩の⼒を抜いて気持ちよく舞台に⾝を委ねられる⼀本になっている。
(⽂:藤野さくら)
初日終演後コメント到着!
<作演出 ⽥村孝裕 コメント>
“⼈⽣はクローズアップで⾒たら悲劇だが、ロングショットで⾒れば喜劇である”
これはチャップリンの名⾔ですが「ママごと」はまさにそんな芝居です。
拓実とはなの結納の席で奇しくもあらわになる両家の秘め事。
何かを守ろうとそれぞれの家族が必死になる様は滑稽で醜く、苦しくて美しい。
⼈⽣はうまくいかないことがほとんどですが、そこから争おうとする俳優たちの悲しくも可笑しい姿は必⾒です。
ONEOR8 王道の会話劇を、ぜひ劇場で。
<出演 佐藤B 作 コメント>
素敵な初⽇でした。12 ⽉、1 ⽉と寒空の下、池袋の稽古場まで通った⽇々が、いくらか報われた気分に成りました。私の様に、齢70 を超えますと、演劇に取り組む事が、若い時の様に楽しいことばかりではなくて、台詞は⼤丈夫か?ちゃんと書かれた通り⼊っているのか?⾜、腰は⼤丈夫か?痛んだりしないかと、悩みばかりで、とても若い時の様に楽しめないのですが、初⽇の劇場の反応、⼿応えで、明るい気持ちで⼆⽇⽬に向かえそうです!初⽇の観客の皆様、本当に有難う!もう少し演劇を続けてみるかと⾔う嬉しい気持ちに成りました!
<出演 福⽥沙紀 コメント>
遂に舞台「ママごと」が初⽇を迎えました。
今回、初めて参加させていただく劇団「ONEOR8」
たくさんの皆様に楽しんで観劇して頂けたら嬉しいです。劇場にてお待ちしております。
<出演 須賀健太 コメント>
ついに本⽇、初⽇を迎えることができました!
僕は今年に⼊ってからの稽古合流でしたが、濃く、あっという間の稽古期間でした。
⽥村さんが描く⼈間の可笑しみや切なさ、⼀筋縄ではいかない様が、登場⼈物⼀⼈⼀⼈に宿っていて、演じながら毎⽇新鮮に楽しんでおります。
B 作さんをはじめとする⼤先輩の皆様に負けぬよう、頑張っていきたいと思います!
ウワサによるとONEOR8 さんの公演は初⽇が開けてから⼝コミでさらにお客様が増えるとの事で…それも楽しみです!笑
ぜひとも劇場へお越しください!
笑いと緊張、愛と⽭盾――⼈間模様の奥底に潜む“真実”を描いたONEOR8 渾⾝の舞台となっている「ままごと。
東京公演の後、3月まで、北海道から⿅児島までの地⽅公演もあり。
<あらすじ>
都内の高級料理店。拓実とはなの結納という名の食事会である。若い二人には手の届きそうもない店だが、拓実の叔母である由紀子が強引に予約してしまったらしい。拓実の母美佐枝は夫と死別し、貧しくも拓実を女手一つで育てた苦労人、高級店の雰囲気に落ち着かない様子。反対にこなれた様子でいるはなの父嘉郎、会社経営者で羽振りもいい。妻の幸は継母だが、愛情一杯はなを育ててくれた。食事会が始まろうとした矢先、一人の女が現れる。それははなの生みの親あゆみ。店の従業員を巻き込んで、美佐枝と由紀子、あゆみと幸、4 人の母親の思惑がぶつかる。ママごと、それぞれの本心と本音…。
<公演概要>
ONEOR8「ママごと」
■作・演出
田村孝裕
■出演
福田沙紀、須賀健太/冨田直美、恩田隆一、山口森広/重田千穂子、安達忍
岡のりこ、関口アナン、小口ふみか/佐藤B作
■公演日程・会場(東京)
2026年 1月21日(水)〜1月27日(火)
新宿 紀伊國屋ホール(東京都新宿区新宿3-17-7 紀伊國屋書店新宿本店4F)
■チケット
⼀般前売:5,500円
U-25:3,000円(前売のみ・枚数限定)
■地方公演
松本公演:1月31日(土) まつもと市民芸術館小ホール
大阪公演:2月6日(金)~2月8日(日) ABCホール
女満別公演:2月11日(水・祝) 大空町教育文化会館
士別公演:2月13日(金) あさひサンライズホール
湧別公演:2月15日(日) 湧別町文化センターさざ波
深川公演:2月17日(火) 深川市文化交流ホール み・らい
北広島公演:2月18日(水) 北広島市芸術文化ホール
能登公演:2月22日(日)~2月23日(月・祝) 能登演劇堂
倉敷公演:2月25日(水) 倉敷市芸文館
鹿児島公演:3月9日(月) 鹿児島県文化センター宝山ホール