9PROJECT新作公演「夜長姫」チケット発売開始!

9PROJECT新作公演「夜長姫」チケット発売開始!

9PROJECTの新作公演「夜長姫」のチケットが発売された。原作は、戦後の日本文学における無頼派の筆頭・坂口安吾の「夜長姫と耳男」。無邪気に人の死を喜ぶ高貴で残酷な姫と、その姫を呪いながらも次第に心惹かれていく耳男。昔話のように語られるこの物語は一種異様とも言える幻想的な美しさを伴い、「桜の森の満開の下」とともに安吾文学の最高峰と言われている。今作では、孤独こそが人間の実相である、と説いた安吾の哲学を下敷きに、その孤独と向き合い、超越していく人間の姿を描く。

■作・演出よりコメント
9PROJECTとしては、3年ぶりの新作公演です。これまで、江戸川乱歩の「芋虫」、アルベール・カミュの「異邦人」などを題材に新作戯曲を書き下ろしてきましたが、今回は僕自身が大ファンである坂口安吾を取り上げることにしました。

僕の恩師はつかこうへい先生ですが、つかさんが演劇の師匠だとしたら、作家としての芯をもらったのは坂口安吾の作品たちだったように思います。何よりも原作を読み終えた時に感じる「圧倒的な美しさ」の感覚は、過去のどの作品を書く時にも常に頭の中にありました。今作では、この言葉にならない“美”の感覚を、どうにかこうにかして舞台上に再現してやろうと思っています。言葉と、役者と、肉体と…舞台だからこそできる表現を通して、目一杯遊んでやるつもりです。

短い小説なのでアレンジはしていますが、ストーリーはほとんどそのままですので、作品のファンの方にもきっと楽しんでいただけるはずです。作品愛をとことん詰め込んだ「夜長姫」にどうぞご期待ください!

■STORY
「好きなものは咒うか殺すか争うかしなければならないのよ。
 いつも天井に蛇を吊して、いま私を殺したように立派な仕事をして……」

 飛騨のタクミは名を残さず。ただイノチを残す。
そう称えられた彫師の村に、人並外れた大きな耳を持つ男がいた。名を、耳男。その異形のために人から笑われ、孤独に生きてきた男であった。

 ある日、耳男の師匠の元に、夜長の村の長者からの使者がやってくる。美しいと名高い夜長姫のために、三人の匠に腕を競わせ、弥勒菩薩を作ってもらいたいのだという。図らずも、病身の師匠の代理を務めることになった耳男。だがそこで出会ったのは、純粋故の残酷さを持つ、恐ろしい姫であった…。

 無邪気な笑顔で血を好み、人の死を喜ぶ幼い姫。
その姫の笑顔の奥に秘められたナニカに、耳男は激しく惹きつけられる。だが衆目の中、耳を笑われた耳男は、弥勒の代わりにバケモノの像を彫ることを決意する。

 耳男の脳裏に浮かぶ姫の笑顔は、姫に対する憎悪の念か、思慕の情か。
人に非らざる姫と、チャチなる人間世界の間で惑いながら、耳男は像を刻んでいく…。

■公演概要
9PROJECT vol.16「夜長姫」

[作・演出] 渡辺和徳 [原作] 坂口安吾「夜長姫と耳男」より
[出演]高野愛 相良長仁 小川智之 鈴木利典 友部康志 鈴木万里絵 ・ 遠山結子
[振付]遠山結子

[日程]2022年4月21日[木]〜24日[日]
[劇場]シアターグリーン BASE THEATER
[劇場観劇]一般 3,500円 / 学生 2,500円 (自由席/前売当日とも)
[チケットはこちら]
[LIVE配信]2,500円
チケットはこちら

■CAST
高野愛
相良長仁
小川智之
鈴木利典
友部康志
鈴木万里絵
遠山結子

■作・演出/渡辺和徳

1978年、東京都生まれ。
北区つかこうへい劇団に入団後、つかこうへいに文才を認められ、氏のもとで作・演出を学ぶ。
2003年、少年隊ミュージカル PLAYZONE「Vacation」で脚本業を開始。以降、演劇作品の脚本、演出を数多く手がける。

【つかこうへい原作作品】
「二代目はクリスチャン」「広島に原爆を落とす日」「弟よ!」「愛人刑事」「龍馬伝」などの構成、脚本を担当。
つかこうへい作品の演出は多数。

【主な脚本作品】
◇青山劇場「SAMURAI 7」「女信長」(原作/佐藤賢一)
◇明治座「神州天馬侠」(原作/吉川英治)「大江戸緋鳥808」(原作/石ノ森章太郎)
◇新国立劇場「AZUMI 幕末編」(原作/小山ゆう)
◇Zeppブルーシアター六本木「あずみ〜戦国編」(原作/小山ゆう)など

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