【会見レポート】ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』

こんな時代だからこそ、手に手をとって繋がる人と人との絆!

史上最高のコンビとして、2008年、2012年、2015年、2018年公演とも、初日から千穐楽まで連日のスタンディングオベーションという大成功を収め、今なおその人気は衰えを見せない今作。
2022年3月上演に向けて行われた鹿賀丈史市村正親の会見レポートをお届けいたします。

この作品について

1993年から当たり役のひとつとして上演を重ねてきたザザことアルバン役の市村正親
「僕はこの作品に出会ったのが確か44.45歳、そうすると、あと何年かであれこれ30年ザザをやっているわけですけれども、約30年前は非常に元気で、非常に美しく、非常に華やかでした。
歳を取るというのは、役をもっともっとリアルにしてくれるなということを最近思います。
今回、鹿賀くんと夫婦をやれるということは、非常に運命的なものを感じるし、30年前には出せなかったくらいの、よりザザに近いザザが出来るのではないかと思って、今は本当に期待で胸が膨らんでいるところです。
去り行く美しさを、どこまで自分の手元に置いておくことができるか、
つかぬ間の嘘の輝きをはなって、皆様に愛と喜びと感動を与えられたらいいなと思っております。」

2008年からジョルジュ役を演じてきた、市村の劇団四季時代からの盟友・鹿賀丈史。
「この『ラ・カージュ・オ・フォール』は5回目の出演で始めてからもう10何年経っておりまして、自分自身もいい歳になりましたので、前回までは黒いカツラを被っていたんですけれども、カツラ被っている場合じゃないだろという思いがあり、今回は地毛でやったり、また色んな芝居を新しく考えたり、かなり面白くなっております。
また今の状況の中でお客様に訴える力、それは人と人との繋がりであるとか、愛であるとか、他人を思いやる気持ちであったりとか、そういうものがふんだんに散りばめられた素晴らしいミュージカルでございます。少しでも多くのお客様に来ていただければ思います。」

お互いへの魅力について

■鹿賀
「もう49年の付き合いとなるんですけれども、市村正親という俳優の魅力を最初から知ってます。
一番言えるのは、芸の幅が非常に広いという事と、舞台ならではの芝居の押し出しといいますか、そういうものが非常に強くて、的を外さないすごい役者だなと思っております。
長く付き合っているというのもありますが、やはり息が合うというのはやっていて非常に面白い、気持ちの良いものです。」

■市村
「俳優 鹿賀丈史につきましては、私が24歳で劇団四季にいた頃から、常に舞台のセンターに立っていたのは鹿賀丈史「ジーザス・クライスト=スーパースター」でもセンター、「ウェストサイド物語」でもセンター、「ヴェローナの恋人たち」でもセンター、「カッコーの巣をこえて」でもセンター、常にセンターに立って、とてもいい声で、いいファルセットで、いい低音で、、
その横で生きてきた男が、なんとか丈史と夫婦になって、最近ではダブルキャストなんて同じ役をやったりとかね、市村正親頑張ってきたなと、それはすべて鹿賀丈史という四季の最初のころからの僕にとっての憧れがいたからここまで来れたんだなと思います。
今回は、ジョルジュとザザですけども、鹿賀丈史と市村正親の役がどこかでダブってくる場面があるので、特に幕切れの2人が背中を向けて、後ろで手を組んで歩く姿なんか、もう私らの若い頃を知っているお客様はもう涙涙の世界じゃないかなと思っております。」
■鹿賀「そんなに褒めなくていいですよ(笑)」

上演にむけて

■鹿賀
「我々エンターテインメントを職業をしている人間にとっては今はちょっと危機に近い状態がまた忍び寄っているのではないかと思います。それは日本国内だけでなくて、世界的にもそういうことが起こっているんです。
非常に不安な世の中で、我々もどういう仕事をすればいいのかなと考えやらないといけない時代ですけれども、この『ラ・カージュ・オ・フォール』というのは問題提起を含んではいるんですけれども、ミュージカルとして非常に楽しく、面白く、そして考えていただけるという素晴らしい作品です。
舞台がちゃんと出来るように、お客様が安心して劇場へ足を運んでいただける状況になることを願うばかりです。
あとはこの作品に真摯に取り組んで、どんなことがあろうと役者としての想いを曲げずに稽古を詰んで行きたいと思います。」

■市村
「この2年くらいお芝居が中止になったり、やれたりしてきたんですけれども、お客さんが満杯に入って、舞台で表現されたことに素直に反応出来るときが、一番劇場が喜ぶはずなんですけれども、声を出してはいけないなど、色々と規制が多い中で、とにかくやっぱり感染者が出来ないように俳優・スタッフみんな気を付けながら、大千秋楽まで乗り切れたらいいなと思ってます。
細かい交流は出来ないけれども、舞台の上からの愛はカンパニー一同、もの凄い勢いで皆様に出し続けていくと思うので、それをしっかり受け止めて、マスクの中で笑ったり、感動してくれたらいいなと思ってます。」

鹿賀ジョルジュ&市村ザザ ラブフォーエバー!
永遠の夫婦愛で導く、固く結ばれた家族の絆!

公演概要

公演名:ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』
公演期間:2022年3月8日 (火) ~2022年3月30日 (水)
会場:日生劇場
出演:鹿賀丈史 / 市村正親 / 内海啓貴 / 小南満佑子 / 真島茂樹 / 香寿たつき / 今井清隆 / 森公美子 / 花井貴佑介 / 林アキラ / 日比野啓一 / 園山晴子 / 附田政信 / 佐々木誠 / 高木裕和 / 松谷嵐 / 渡辺崇人 / 榎本成志 / 丸山泰右 / 鯨井未呼斗 / 齋藤信吾 / 佐野隼平 / 澤村亮 / 島田連矢 / 瀬沼真幸 / 出口栄一 / 中川賢 / 山科諒馬 / りんたろう / 岡久直哉 / 中島 裕太 / 髙橋桂 / 多岐川装子 / 浅野実奈子 / 篠崎未伶雅
スタッフ:作詞・作曲: ジェリー・ハーマン / 脚本: ハーヴェイ・ファイアスタイン / 原作: ジャン・ポワレ / 翻訳: 丹野郁弓 / 訳詞: 岩谷時子、滝弘太郎、青井陽治 / 演出: 山田和也 / オリジナル振付: スコット・サーモン
STORY:
南仏サントロペのゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」のオーナーのジョルジュ(鹿賀丈史)と、看板スターの“ザザ”ことアルバン(市村正親)は20年間同棲し、事実上の夫婦として生活してきた。
アルバンはこのところふさぎこんでいて、ショーの出番に遅れることもしばしば。愚痴をこぼすアルバンとそのご機嫌をとるジョルジュ―いわばふたりは倦怠期なのだ。

ジョルジュには、24年前の過ち(?)から生まれた最愛の息子ジャン・ミッシェル(内海啓貴)がいるが、アルバンが母親代わりとなって手塩にかけて育ててきた。そんなある日、ジャン・ミッシェルが突然結婚を宣言。その結婚相手が、よりにもよってゲイクラブを厳しく取り締まるべきだと主張する政治家ダンドン議員夫妻(今井清隆&森公美子)の娘アンヌ(小南満佑子)で、家族揃って挨拶に来ることになったので、さあ一大事!

ジャン・ミッシェルはジョルジュに、一晩だけ普通の家族に見えるよう取り繕ってくれるよう懇願し、そのうえ、ずっと会っていない実の母親を呼んで欲しいと頼みこむ。それを聞いたアルバンは深く傷つくが、ジョルジュの説得によりジャン・ミッシェルの頼みを受け入れ、叔父として同席するために慣れない“男装”の訓練をするハメに。

ところが、実の母親が急きょ来られなくなってしまい自体はさらに複雑に!
アルバンはついに、女装して母親としてダンドン一家と対面することを決意、馴染みのジャクリーヌ(香寿たつき)の店での食事会はひとまず大成功に終わるはずだったのだが…。

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