【まもなく開幕!】新進気鋭の演出家・奥田知叡が、現代中国演劇の名作『非常麻将(フェイチャン・マージャン)』の日本初上演に挑む!

【まもなく開幕!】新進気鋭の演出家・奥田知叡が、現代中国演劇の名作『非常麻将(フェイチャン・マージャン)』の日本初上演に挑む!

中国演劇や能を題材に領域横断型の舞台作品を発表している新進気鋭の演出家・奥田知叡が、現代中国演劇の名作 李六乙『非常麻将(フェイチャン・マージャン)』の日本初上演に挑む!

若手演出家・奥田知叡のもと、中国演劇や能を題材に領域横断型の舞台芸術作品を制作している演劇ユニット「三人之会」。活動開始から3年目となる2025年は、現代中国演劇の名作『非常麻将(フェイチャン・マージャン)』を上演する。
80年代の改革開放によって経済的に豊かになりながらも、 変化する社会と時代への違和感を抱く文化大革命世代の中国人心理を巧みに描いた、中国版「ゴドー」。作品が描く現代人の不安、無力感が人々の共感を呼び、多くの反響を呼んだ。 初演は2000年、北京。 2001年には第8回BeSeTo演劇祭として訪日公演が行われ、2003年には日中国交正常化30周年記念公演として二回目の訪日公演が行われている。

04年に日本語訳が出版されているが、今回は作者および翻訳者の同意のもと、バイリンガル・スピーカー(日中)である演出家・奥田知叡が、原文全文にあたった改訂版を作成した。
7月31日から8月4日まで東京のシアター・バビロンにて上演されたのち、8月15日から8月17日まで、神奈川のスタジオHIKARI(神奈川県立青少年演劇センター)にて上演される。
出演には今井聡、牧凌平、⾕津恒輝、⽥中綸が名を連ねる。

◆スタッフコメント

■演出(奥田知叡)

2021年に李健鳴『隔離』を、 2023年に⾼⾏健『逃亡』を演出し、今回で私が演出する中国演劇作品は3作目となります。李六⼄『⾮常⿇将』は2000年代初頭に⽇本で訪日公演が⾏われました。当時中学⽣であった私はこの来⽇上演を観ることはかないませんでしたが、『⾮常⿇将』の洗練された⾔葉遣い、セリフの奥から漂う登場⼈物のたち⾝体性に強く惹かれています。特に、コロナ禍以降は、本作が抱く将来への不安、永久不変の真理に対する不信感にも強く共感するところです。コロナ禍以降、⽇中両国における演劇交流は、各演劇機関・老舗劇団を中心に断続的に⾏われていますが、⽇本の若⼿演劇⼈による中国現代演劇の上演は⾏われていません。中国の現代演劇作品の中でも屈指の名作である李六⼄『⾮常⿇将』の上演を通して、より多くの交流や理解が⽣まれることを望む次第です。

ドラマトゥルク(衛かもめ)

今回のドラマトゥルクの依頼を受けるまでは、ずっと小説や歌詞など文字を綴る創作をしてきました。長い観客歴と、文字を駆使する経験を今回の公演に活かせればと考えています。
『非常麻将』は中国要素が珠玉のように戯曲全体に散らばり、虚実の境界で明滅して観客を魅了します。こうした珠玉をできるだけ損なわないように、私たちは丹精を凝らし、戯曲と向き合ってきました。
また、今回は『非常麻将』初めての日本語上演ですが、中国に関する知識がなくてもお楽しみいただけます。この閉鎖的な空間で、緻密に繰り広げられる三人の会話に耳を傾け、この空間内と外で起こる出来事に、ぜひ想像を巡らせてみてください。その想像の数だけ、楽しみ方があると思います!

◆キャストコメント

今井聡(老大役)

一見するとこの人たちは何を話しているんだかわからない会話の連続で、なんでこの人たちこの会話をしているのかわからないことだらけでした。ある時、このキャラクター達ある意味とっても純粋で真面目で愚直なのかもしれないと感じる時があって。そう考えると彼らのこだわりや執着と、世間一般の常識とされているものとのズレがとても面白い会話に見えてきました。そんなジレンマというかトラウマというかを抱えた愛すべき人物たちを描いているのがこの作品の魅力であり面白さなのではないかと思います。

■牧凌平(老三役)

夜な夜な集まっては麻雀を打ち続けている4人の義兄弟。麻雀仲間で義兄弟の縁を結んでるというのもなんだか不思議に密な関係で、おまけに今夜が最後の1局だという。その大事な日に1人が来ないという状況がまず面白かったです。さらに稽古場で奥田さんの話を聞くと、麻雀にかける3人の並々ならぬ熱量は、激動の時代変化の中で旧い時代にしがみつくしかない人々の姿とも重なってきて、興味深く稽古に取り組んでいます。

谷津恒輝(老四役)

この作品は男3人の態度や言動が脈絡なく変わります。しかし彼らはそれぞれ腹に抱えているものがあるのです。彼らの不安定さ、不確定さはそこからくるのかもしれません。

大躍進政策、文化大革命、改革解放という激しい時代を見聞きし、体験してきた彼らの持つアイデンティティとそこから起こる身体性を追求していきます。


田中綸(老二役)

一向に来ない待ち人はどうなってしまったのか、行方を探るミステリ?のような雰囲気もありつつ、どこか現実とは隔絶されたような空間の中にいるような不思議な感じが面白いです。
その会話をキャストが肉感持って発しているのでこの不思議な世界にグッと引き込まれる感じがします。
中国の政治や社会の圧力にさらされた人間の弱さ。その実在感は他人事ではないなと感じてしまいます。


◆応援コメント

【菊池領子/翻訳者・『非常麻将』日本公演 プロデューサー】
ITの普及で社会が大きく揺れていた2000年、北京で初演された『非常麻将』は、大きな話題を呼びました。当時留学中だった私はこの舞台を観て、ことばが十分にわからなくても、息をのむ緊張感と、役者たちの緩急自在な演技に圧倒されました。そして、「日本でぜひ紹介したい」と、李六乙氏に手紙を書いたのです。
その願いが叶い、二度の来日公演が実現してから、気づけば22年。
世界は今、生成AIの進化で、さらに大きな変化と不安の中にあります。
『非常麻将』は私たちに問いかけます。
― 自分はどう生きるのか。
今回は、初の日本語上演です。
三面舞台ならではの臨場感と、バイリンガルの演出家奥田さんとドラマトゥルク衛さんによる新たな解釈を、私もとても楽しみにしています。
麻雀や中国文化を知らなくても楽しめる、普遍的な心理劇。ぜひ劇場で堪能してください。

【佐藤信/劇作家・演出家】
三人之会『非常麻将』上演に寄せて
中国現代演劇の古典(もってまわったおかしな言い方になるが、たぶんそう呼んで間違いない)『非常麻将』上演に寄せる期待は大きい。企画・翻訳・演出を担っている奥田知叡さんの息の長い取り組みがようやく形になったという思いとともに、この国の同時代演劇にかかわる大きな欠落部分を補う大切なきっかけとなることをこころから願っている。そのヒントは、「中国」という取り立てての眼鏡を外したところで見えてくる、このテキストのいたるところに隠されている。

【王文強/アジア芸術文化促進会 会長】
中国現代劇の名作を若手日本人演出家・奥田さんの手によって構成/演出が加わった本作が、日本語で上演される事への意義と貴重性を強く感じています。国は違えど、現代社会と自己価値に対する不安や葛藤は万国共通のテーマです。本作を通して、日中の演劇交流が益々活発になる事を願うと共に、中国現代演劇の力強いメッセージと三人之会独自の解釈がどのように融合するのか、今から楽しみでなりません。

◆あらすじ

マンションの一室で、義兄弟である3人の男たちが雀卓を囲んでいる。今夜、最後の一局を打ち、麻雀から足を洗って明日からまともな人生を歩む約束をしている。しかし、最後の一人が(老二)がやってこない。苛立ちを紛らわせるかのように、昨日の老二について語るが、彼らの語る「老二」はどこか少しずつ食い違っていて……。

◆公演概要

三人之会第 三回公演
『非常麻将(フェイチャン・マージャン)』




作:李六乙
翻訳:飯塚容・菊池領⼦
上演台本:奥⽥知叡
ドラマトゥルク:衛かもめ

【キャスト】
今井聡、牧凌平、⾕津恒輝、⽥中綸

【スタッフ】
美術:今⼦⻘佳
照明:伊藤セナ、蓮⽂、⻄条萌 (以上、名前はない劇団)
⾳響:⼭崎哲也(テアトル・エコー)
舞台監督:倉本徹(倉本⼯房)
演出助⼿:三⾕亮太郎(あくびがうつる)
制作補佐:吉⽥真⼣
チラシデザイン:⼭崎稚葉(キンダースペース)
制作:奥田知叡、⽩江夏⽣み(踊場海⽉)
企画:奥田知叡
主催:三人之会、 神奈川県【神奈川公演】

協力:あくびがうつる 踊場海月 倉本工房 テアトル・エコー キンダースペース 名前はない劇団
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[スタートアップ助成] 公益財団法人 全国税理士共栄会文化財団

【日程/会場】
《東京公演》
2025年7月31日(木)~8月4日(月)
シアター・バビロンの流れのほとりにて
《神奈川公演》
2025年8月15日(金)~8月17日(日)
スタジオHIKARI(神奈川県立 青少年センター内)
★アフタートークあり!詳細は公式HPよりご確認ください

【チケット】
応援チケット:6000円(東京公演のみ)
当日:5000円 
前売:4000円
学生:3000円 
高校生:1500円(神奈川公演のみ)

【各種公式】
●三人之会 HP:https://sites.google.com/view/sannninnkai/home
●三人之会 X:https://twitter.com/sannninnkai3
●三人之会 PODCAST:https://open.firstory.me/user/clt5vt42m0nik01wa31w71qjn
●三人之会 Note:https://note.com/sannninnkai3/
■お問い合わせ sannninnkai3@gmail.com


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