「宝探し」をテーマに、二つの劇場がキッズ作品で競演!
KAATとSPAC-静岡県舞台芸術センターが、それぞれ新作を創作し、両館で連続上演!
KAAT神奈川芸術劇場では、2011年の開館以来、現代の舞台芸術シーンを先導するアーティストとの新作創作や、良質な海外作品の招聘など、こどももおとなも楽しめるキッズ・プログラムを上演し、多くのお客様から好評をいただいてまいりました。
KAATのメインシーズン前に皆さまにご覧いただく今年度のキッズ・プログラムは、SPAC-静岡県舞台芸術センターと協働して企画する新たな試みです。シーズンタイトルである「虹」*のように、舞台作品の創造・発信の架け橋となるべく、公共劇場同士が連携し、クリエイティビティの高い舞台芸術作品の流通構造の構築を目指す第一歩として、両館がそれぞれキッズ作品を創作し、それぞれの会場で同日上演します。
*今年度KAAT神奈川芸術劇場では、9月から始まるメインシーズンのタイトルを「虹~RAINBOW~」とし、様々な作品をお届けします。多様な人々を繋ぎ、越境する七色の架け橋である「虹」から私たちは、様々な事柄から目を背けず、世界をあるがままに見ることを学びます。
テーマは宝探し!
KAAT 作品は、Kate Greenaway Medal 2021 ロングリストに選出された、イリーナ・ブリヌル作の絵本『わたしたちをつなぐたび』の舞台化です。第43回(2024年度)向田邦子賞にも選出された、うさぎストライプ主宰の劇作家・演出家、大池容子が上演台本と演出を担当し、小林顕作の音楽とともに、ファンタジックで優しい原作の世界観の中に垣間見える、社会への問いかけと、深い人とのつながりを、表情豊かに描き出します。
また劇団としても活動する SPAC が挑むのは、ミヒャエル・エンデの『鏡のなかの鏡-迷宮-』 。SPACの俳優として数々の舞台に立ち、演出家としても活躍する寺内亜矢子が、世界の大舞台を経験した俳優たちとともに、しなやかな身体と音楽性豊かなセリフ術を活かし、現実と幻想のはざまを旅するような演劇体験をお届けします。
週末には、同日に異なる2作品を連続してご覧いただけます。多彩な感情あふれる2作品を、ぜひお子様とご一緒にお楽しみください!
コメント(2025年度ラインアップ発表会より)
『わたしたちをつなぐたび』大池容子(上演台本・演出)
『わたしたちをつなぐたび』は、一人の少女が「自分はどこから来たのか」を探る物語です。少女は一緒に暮らしているお母さんのもとを離れて、森の動物たちと出会い、旅をして、やがてある少年に出会います。イリーナ・ブリヌル氏とリチャード・ジョーンズ氏による原作では、一見可愛らしいファンタジーの世界の中で、今を生きる私たちの“さまざまな家族の姿”が温かくも現実的な眼差しで描かれています。今回舞台化するにあたって、そのバランスを保ちながら“旅”という要素にスポットを当てて作品を立ち上げたいと思っています。初めて演劇を観る子どもたちはもちろん、大人たちも楽しめる作品になるよう創作に臨みたいと考えています。
『鏡の中の鏡』寺内亜矢子(構成・演出)
わたしたちはどこからきて、どこへいくのか。誰もが抱える、人生最大の謎です。
こどもたちは「わからないことをわかるようになりたい!」という知に対する強い欲望と、わからないまま遊びながらルールを発見したり発明したりする高い能力を持っています。
知への欲望に応えてくれるところはたくさんあります。でも、わからないことをわからないまま楽しむ力を育ててくれるところは多くありません。だから、いつの間にか、わからないことを楽しむことをあきらめてしまうのかもしれませんが、劇場はその力を伸ばし育んでくれる場所だと信じています。
地域の公共劇場が連携して作品を作り、発表の場を共有する、この素晴らしい機会に、わからないことをわかるようになりたいという欲望とわからないことをわからないまま楽しむ力を両翼にたずさえて、こどもたちと一緒に宝探しの旅に出ます。
公演最終日の7月26日(土)・27日(日)はKAAT のアトリウムでマルシェを開催!
KAATが横浜の地産地消をテーマに、不定期に開催しているマルシェです。
普段劇場にいらっしゃらない方々にも親しんでいただくKAATの取り組みの一つです。
キッズ向けのコーナーもご用意しています。ぜひお立ち寄りください!
公演概要
KAAT『わたしたちをつなぐたび』★主な対象年齢:小学校低学年〜
2025年7月21日(月・祝)~27日(日)
「わたしはどこからきたの?」小さな少女が自分の物語をさがす旅を
感情豊かに描く、深くやさしい物語
―あらすじ―
森でお母さんとしあわせな毎日をすごしていた女の子は、あるとき、自分にはなぜお父さんがいないのか、自分はいったいどこからきたのか知りたくなり、お母さんにたずねます。お母さんのこたえに納得がいかない女の子は、自分がどこからきたのか知るために、動物たちの助けをかりながら自分自身の物語を辿りはじめますが…
原作:イリーナ・ブリヌル 訳:三辺律子 (株式会社WAVE出版 2023年6月刊行)
上演台本・演出:大池容子 音楽:小林顕作
出演:藤戸野絵、少路勇介、下司尚実、山田茉琳、岩永丞威
振付:岩永丞威 美術:中村友美 照明:佐藤綾香 音響:江口佳那 衣裳:臼井梨恵 舞台監督:湯山千景
Copyright ©Used by Permission of Palomino Films Ltd. f.s.o. Irena Brignull (the Licensor)
c/o Felicity Bryan Associates Ltd. through Japan Uni Agency, Inc., Tokyo.
SPAC『鏡の中の鏡』 ★主な対象年齢:4歳〜
2025年7月26日(土)・27日(日)
まるであわせ鏡のように、ふしぎで、ちょっぴりこわくて、とびっきり美しい──物語の迷宮へ─
―あらすじ―
迷宮に取り残された少年や、言葉を探す旅人たち、お芝居がはじまるのをずっと待っている役者たち… へんてこな人たちのへんてこなお話。ひとつひとつのお話はちがうようで、どこかつながっていて、はじまりやおわりがはっきりしません。まるであわせ鏡のように、ふしぎで、ちょっぴりこわくて、とびっきり美しい──物語の迷宮へ──
原作:ミヒャエル・エンデ 『鏡のなかの鏡-迷宮-』 訳:田村都志夫 (岩波書店 2019年10月刊行)
構成・演出:寺内亜矢子
出演:大高浩一、舘野百代、榊原有美、杉山賢
音楽:森山冬子 美術:深沢襟 照明:木藤歩 音響:和田匡史 衣裳:清千草 舞台監督:小川哲郎
Copyright © Michael Ende Estate (www.michaelende.de), represented by AVA international GmbH, Germany (www.ava-international.de)
■公演会場
会場:KAAT 神奈川芸術劇場<大スタジオ>
■チケット(入場順整理番号つき自由席)
こども(4歳〜高校生) 1,000円
おとな 3,500円
こども+おとなペア 3,500円(1,000円お得!)
こども+おとなペア2作品セット 6,400 円(ペアからさらに600円お得!)
神奈川県民割引(在住・在勤のおとな) 3,000円
■チケット発売
一般発売:2025 年5月31日(土)
■チケット取扱い・お問い合わせ
チケットかながわ https://www.kaat.jp 045-015-415(10:00〜18:00)
お問い合せ:チケットかながわ 045-015-415(10:00〜18:00)https://www.kaat.jp
公式サイト: https://www.kaat.jp/news_detail/2782
https://www.kaat.jp/d/watashitachi (『わたしたちをつなぐたび』)
https://www.kaat.jp/d/kagami(『鏡の中の鏡』)
企画制作:KAAT 神奈川芸術劇場・SPAC-静岡県舞台芸術センター
主催:KAAT 神奈川芸術劇場
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会