【ゲネプロレポート到着!】ミュージカル「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」

【ゲネプロレポート到着!】ミュージカル「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」

本の魔法が歌と踊りで紡ぐ、異世界ファンタジー

 

「本がないなら、歌って踊って、つくればいいんだ!!」

この魅力的なキャッチコピーが、「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」のミュージカルの本質を見事に表現している。香月美夜氏が紡ぎ出した緻密な異世界が、今度は歌声と華麗なダンスで観客を魅了する。

原作小説は2015年の発表以来、累計発行部数1100万部を突破する大ヒットとなり、アニメ化も果たした人気作。そんな作品が満を持してミュージカル化され、本と魔法の世界が舞台上で躍動する。

今回は先日行われたAチームキャストのゲネプロレポートをお届けする。

舞台で輝く、マインの物語

この壮大な物語の主人公マイン役には、池村碧彩(Aチーム)と三浦あかり(Bチーム)という二人の若手子役の実力派が抜擢された。
 

池村は8歳にして数々の演技経験を持つ実力派で、マインの知的な一面と子供らしい可愛らしさを見事に表現している。
一方三浦は、豊かな感情表現と自然な演技で知られる。マイン役では特に感情の機微や好奇心旺盛な性格を巧みに演じ分けている。
両者の演技力により、マイン役に二つの異なる魅力がもたらされ、作品の奥行きを一層増している。

マインを取り巻くキャラクターたちも、個性豊かな俳優陣が演じる。ルッツ役の見﨑歩誠(Aチーム)と伊奈聖嵐(Bチーム)、トゥーリ役の三上さくら(Aチーム)と生田志守葉(Bチーム)など、子役たちの活躍も見所の一つだ。
 

大人キャストは、若手から実力派まで名を連ねている。
ギュンター役の田中雄飛は、その力強い歌唱力と演技力で、厳格でありながら娘を深く愛する父親の愛情を見事に表現。

エーファ役の石橋佑果は、優しさと強さを兼ね備えた母親像を演じ切る。彼女の温かな歌声は、マインを包み込むような愛情を感じさせ、家族愛を象徴する存在として舞台に華を添える。

神官長フェルディナンド役の辻憲斗は、クールな外見と熱い内面のギャップを巧みに表現し、観客を魅了する。
オットー役の穴沢裕介は、柔らかな歌声で、庶民的な温かさを舞台にもたらす。彼の演じるオットーは、マインの夢を優しく支える重要な存在として、観客の共感を誘う。

ベンノ役の矢野冬馬は、商人としての冷静さと、マインへの理解者としての優しさを巧みに演じ分ける。彼が歌う「生きるためにあがけ」は、力強さと諦めない心を表現し、観客に勇気を与える印象的な楽曲となっている。
 

神殿長ベーゼヴァンス役の三浦浩一は、威厳ある立ち振る舞いと重厚な声で、権力者としての存在感を示す。彼が神官たちを引き連れて踊る少しコミカルなナンバーは、劇中でも人気の高い場面の一つだ。

さらに、マインの心の声(本須麗乃)としてアニメ版のマインを演じる井口裕香が参加しており、モノローグとしても物語を導いて華を添えている。舞台版マインとアニメ版マインのコラボレーションは、心躍るものがある。

これらの実力派俳優たちが、マインを中心とした物語に深みと彩りを与え、観客を異世界のエーレンフェストへと引き込んでいく。

夢と現実が交錯する物語

この素晴らしく聡明な物語は、神官長フェルディナンド(演・辻憲斗)がマイン(演・池村碧彩)の記憶を辿る語り部として紡がれていく。

本への愛に満ちた大学生、本須麗乃(声・井口裕香)の人生は、皮肉にも本に埋もれて幕を閉じる。しかし、それは彼女の物語の終わりではなく、新たな始まりだった。

目覚めると、麗乃は異世界の都市エーレンフェストで、虚弱な少女マインとして転生していた。この世界は、魔力を操る貴族が支配し、厳格な階級社会が根付いていた。

本さえあれば何とかなると考えていたマインだが、その希望は脆くも崩れ去る。この異世界では、識字率が低く、本は途方もなく高価だったのだ。だが、ふと出会った市場の店先でこの世界にも本が存在する事を知る。

平民の少女にとって、本を手に入れることは遥か彼方の夢。それでもマインは諦めない。「本がないなら、自分で作ればいい」という強い決意と麗乃の知識を胸に、ルッツ(演・見﨑歩誠)とともに本作りへの挑戦を始める。

マインの情熱は次第に周囲の人々を巻き込んでいく。家族のギュンター(演・田中雄飛)、エーファ(演・石橋佑果)、トゥーリ(演・三上さくら)をはじめ、オットー(演・穴沢裕介)商人のベンノ(演・矢野冬馬)そして、フリーダ(演・松井友梨花/久住星空)らが、彼女の夢の実現を後押しする。

しかし、マインの前には大きな障害が立ちはだかる。生まれながらの不治の病、「身食いの熱」だ。「生きるためにあがけ」そう胸に刻み、自身の命との戦いを続けながら、夢の実現に向けて一歩一歩前進していく。

歌と踊りで描かれる、本の魔法

「本好きの下剋上」の世界が、ミュージカルという新たな形で観客の前に広がる。本と魔法の異世界ファンタジーがステージ上で躍動する。

原作の持つ奥深い世界観と、ミュージカルならではの表現力。それらが融合することで、どのような化学反応が起こるのか。マインの夢見る本の世界は、どのように舞台上に現れるのか。エーレンフェストの営みは、どのように表現されるのか。
それをあなたにも是非、体感していただきたい。

そして何より、マインの成長と、彼女を取り巻く人々との絆。彼女の「本を作りたい」という強い意志と、それに立ちはだかる困難。それらが歌と踊りを通じて描かれる様は、きっと観客の心に深く刻まれることだろう。

何度もマインによって歌われる「ない」ものを「ある」に変えるというキーワード。のびやかなマインの歌はいつしか全体に波及していく。
池村が演じるマインは小さな体で広い舞台上を駆け巡り、踊り歌う。その伸びやかな歌声と時折見せる博識さとのギャップ、本を見つけた時のキラキラとした表情はまさに少女マインと麗乃そのもの。きっとマインの情熱を観客の心に響かせるだろう。
Bチームの三浦あかりにも期待が高まる。

新たな冒険の幕開け

「本好きの下剋上」ミュージカル。それは単なる原作の再現ではない。本の世界と舞台の世界が交差する、新たな物語の誕生だ。

原作ファンは、お馴染みのシーンが彩られる瞬間に胸躍らせ、新しい観客は、この魅力的な異世界にすっかり魅了されることだろう。マインの夢と情熱が、歌声となって観客の心に響き、観劇後は前向きな気持ちと開拓欲、知識欲が沸いているかもしれない。

この秋、東京と大阪で繰り広げられる魔法の舞台。本好きの、本好きによる、本好きのための異世界ファンタジーに、あなたも身を委ねてみてはいかがだろうか。きっと、忘れられない感動の瞬間が待っているはずだ。

文:織神
 

 

ミュージカル『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~』

©2024 Miya Kazuki / TO Books.

【公演日程/会場】
[東京]2024年10月4日(金)~10月14日(月) 品川プリンスホテル ステラボール
[大阪]2024年11月2日(土)~11月3日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール

【スタッフ】
原作:香月美夜『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~』(TOブックス刊)
原作イラスト:椎名優

脚本・作詞:西瓜すいか
演出:野元準也
音楽:中前 “Timo” 智彦
振付:松本稽古
主催:TOブックス

【キャスト】
マイン:池村碧彩/三浦あかり

ルッツ:見﨑歩誠/伊奈聖嵐
トゥーリ:三上さくら/生田志守葉
ギュンター:田中雄飛
エーファ:石橋佑果
ベンノ:矢野冬馬
フリーダ:松井友梨花/久住星空
オットー:穴沢裕介

神殿長ベーゼヴァンス:三浦浩一

神官長フェルディナンド:辻憲斗

〈アンサンブル〉
藤希宙・齋藤大希・佐藤大・立花健人
渡辺千晶・桜井花奈・西尾咲良・大久保舞咲
小安央十和・浅野友希・竹村麻帆・入内島悠平

〈東京公演のみ〉
本木麻由花・枝村羽那・五十川奏乃・小西美月

〈声の出演(本須麗乃/マインの心の声)〉
井口裕香

【チケット】
S席:13,000円
A席:9,000円
U-18席:4,500円
(全席指定/税込)


公式HP:https://www.tobooks.jp/booklove-musical2024/
公式X(旧 Twitter):@bookloveMusical



【公演に関するお問い合わせ】
TOブックス お問い合わせフォーム https://www.tobooks.jp/contact.html

©2024 Miya Kazuki / TO Books.




新着ニュースカテゴリの最新記事