タカイアキフミが主宰・作・演出をつとめるソロプロデュースユニット TAAC(ターク)。この度、清水邦夫の戯曲『狂人なおもて往生をとぐ』の上演が決定した。
本公演はTAACにおいて、ハロルド・ピンター作『ダム・ウェイター』に次ぐ傑作戯曲演出シリーズの第2弾となる。公演ごとに同志の表現者たちに声を掛け、他では観ることができないような魅力的なキャスティングに定評があるTAACだが、今作においても様々な出自を持つ役者が集結した。
父の善一郎役には、ケラリーノ・サンドロヴィッチやマキノノゾミからの信頼も厚く、ドラマや映画でもバイプレイヤーとして活躍する三上市朗。長男の出役には、稲葉賀恵や谷碧仁など話題の演出家が手掛ける公演に出演し、2.5次元から海外戯曲まで幅広いジャンルの演劇作品に求められている三津谷亮。長女の愛子役には、PARCO STAGEや鵺的など注目の作品に多数出演する福永マリカ。次男の敬二役には、近年話題の映像作品に多く出演し、現在上演中の岩松了作演出の舞台「カモメよ、そこから銀座は見えるか?」にも出演している櫻井健人。次男の彼女のめぐみ役には、100名以上の応募があった今作のオーディションを勝ち抜いた古澤メイ。母のはな役には、猫のホテルで主宰、作・演出、役者を担当し、はえぎわ、THE SHAMPOO HAT、阿佐ヶ谷スパイダース、柿食う客、KAKUTAなどの実力派劇団から客演として声が掛かる千葉雅子。TAACは、この6名の役者と共に、清水邦夫の傑作戯曲に挑む。
<あらすじ>
ピンクの照明が妖しげに光る娼家。大学教授と名乗る初老の男(善一郎)はここの女主人(はな)の客である。そして青年(出)は女主人のヒモで、ここから逃げようとしているが、彼女の優しさから逃れられない。この娼家には若い娼婦(愛子)もいて、彼女の客である若い男(敬二)もやって来る。彼ら5人はまるでここが1つの家族であるかのようなゲームを始める。初老の男が父親、女主人が母親、青年が長男、若い女が長女、若い男が次男。ところが、若い女(めぐみ)がこの家に訪れたことにより、そのゲームはゲームではなく、彼らは本当の家族であることが徐々に明らかになっていく。精神を病んだ青年は妄想の世界にいて、その妄想に家族は付き合っているのだった。
なにが虚構で、なにが現実か。本当に狂っているのは誰なのか。そして、彼らが抱える秘密とは…。
今もなお日本が抱える「家族」の呪縛を、TAACが炙り出す!
■作:清水邦夫
■演出:タカイアキフミ
■出演:三上市朗、三津谷亮/福永マリカ、櫻井健人、古澤メイ/千葉雅子
■日程:2023年10月27日(金)~11月1日(水)
■劇場:下北沢 小劇場B1(東京都世田谷区北沢2-8-18 北沢タウンホール地下1階)
■TAAC とは
Takai Akifumi and Comrades(訳:同志)の略称。
タカイアキフミと、公演ごとに集まった同志の表現者たちが、前のめりに、妥協なく創造・共創する集団。日本社会が抱える問題を背景にして、人々の「営み」を描き、現実にありながらも普段は感じることのない微かな希望や愛を掘り起こす。