2022年6月1日(水)~6月5日(日)、東京芸術劇場 シアターウエストにて、RISU PRODUCE vol.26「ぼくはだれ」〜取調室での攻防2022〜の上演が決定した。
強盗放火殺人事件の犯人の疑いがあるとして、警察署へ任意同行を求められた被疑者と刑事達との11日間の攻防を描く。
主演に富田健太郎を迎え、前作「シロとクロの境界線」「ゼロ番区」のスピンオフとなる本作を新たなキャストで6年振りに上演。
「本当のあなたはどこにいるんですか?あなたは一体、誰なんですか?」
「ぼくはだれ」上演記録
2009年に行なわれた第十九回下北沢演劇祭に招聘された際、楽園(下北沢)にて初上演。
同年七月、大阪で行われたロクソドンタフェスティバル2009に参加し、参加団体24団体の中、見事グランプリを受賞。同時に最優秀脚本&作品賞の三冠賞を獲得する。
その後、戯曲の改訂を繰り返し、2011年、2014年、2016年と再演を重ねている。
ストーリー
20××年4月9日に世田谷東警察署管内で三名もの命が奪われた資産家一家
強盗放火殺人事件が発生。捜査一課の刑事達はある目撃情報を元に、事件直後から亀矢という男を捜査対象者としてマークしていた。
だが決定的な証拠を見つけ出す事が出来ず焦っていた警察サイドは、亀矢が乗っていた自転車が盗難の疑いがあるという理由で、任意同行を求める事に成功した。
署に連行された後、すぐに捜査一課の豪腕刑事達の取調べが始まった。
刑事達は自転車の所有者の事について亀矢を追求するのではなく、何故か管内で起こった強盗放火殺人事件の当日、一体何をしていたのかという事しか聞かない刑事達。少しずつ置かれている状況に疑問を抱く亀矢。その時、窃盗罪で逮捕状の請求が裁判所から下りたとの知らせがあり、訳がわからないまま突然、逮捕される事となった亀矢。
この瞬間から亀矢と刑事達の11日間の攻防が始まるのである。
連日取調べが続く中、被疑者を容赦なく責め立てる事で有名な奥田警部補は、あの手この手を使って亀矢を追いつめるが、頑に無罪を主張し続ける亀矢。
そんな態度にしびれを切らした奥田警部補は、亀矢の生い立ちを再度洗い出す事にした。
その結果、亀矢のある事実(弱み)を知る事となる。
そんな奥田警部補の言動や行動に対し、赴任したてでキャリア組の坂中警部補は少しずつ疑問を抱き始める・・・・
亀矢が逮捕されてから四日後、同管内で発生した連続射殺事件の被疑者が署に連行されて来る事になった。
同時進行で2つの大きな事件を抱える事になった捜査一課の刑事達。
この二つの事件の被疑者の生い立ちと、それに対峙する刑事達のある出来事が、密室で行なわる取調べの中で、様々な問題を引き起す要因となる。亀矢の弱みとは一体なんなのか?そして亀矢は本当に「シロ」なのか・・・・
RISU PRODUCE
1999年に主宰の松本匠が旗揚げし、作・演出・出演の三役を担っていたが、2007年からMEMBERを迎え入れ、現在は朝枝知紘と二人で活動している。社会派作品を数多く上演しながら常にお客様の心に響く作品創りを心がけている。今後の目標の一つとして、東京だけではなく全国各地で公演を行なう事と、これまで書き上げた戯曲の映像化を実現することである。
■松本 匠
1971年4月1日生まれ 大阪府出身
高校卒業後、地元のホテルに就職しベルボーイとして働いていたが、多くの著名人を目の当たりにし「このままではいけない」と思い立ち半年で退社し上京。劇団東京キッドブラザースの15期研究生として入団するも数ヶ月で退団。退団後、演出家の奈良橋陽子さんのWSで今井雅之氏と出逢い、その後エル・カンパニーの全作品に出演する事となる。1998年/1999年には二年連続、オフブロードウェイにて全編英語で上演された舞台「THE WINDS OF GOD」に出演。特技はボクシングでC級ライセンスを取得。2013年から俳優の川平慈英らと共に東京演者兄弟会を旗揚げし演劇活動の場をさらに広げる。
日本劇作家協会会員
■朝枝 知紘
1989年2月15日生まれ 山口県出身
物⼼ついた時から⼈前に⽴ち表現者として⽣きていきたいという思いが強くあり、気が付いたら⽮沢永吉さん、⻑渕剛さん、尾崎豊さんの曲を聴きながら東に向かっていた。上京し俳優業を続ける中、2015 年「イキザマ3」に参加したことがRISU PRODUCE との出会いであり、以後客演として出演を重ね、2019 年にリスプロメンバーとなる。TV、CM などにも出演多数。ドラマ「北の国から」の⼤ファンであり、いつの⽇か富良野の丸太⼩屋で⽣活することが憧れでもある。2022年1月に「片隅に灯す」で初めて作・演出を担当。
ブロッサムエンターテイメント所属
企画意図
今から13年前に裁判員制度が開始しました。
一般の市民が刑事被告人を裁く裁判員制度での大きな問題点のひとつが警察及び検察で作成される「調書」の信用性判断です。
取調べの際に自白した被疑者が一転して裁判で無罪を主張した時、裁判員はその自白を、
つまり「警察、検事を信用して有罪にするか?」それとも「被告人の主張を信用して無罪とするか?」
と言う厳しい判断に直面する事になります。
とりわけ死刑を求刑されるような重大事案では被告人の命を奪う判断を強いられる事になります。
裁判員制度導入に伴い、取調べの可視化(取調べの録音、録画)が導入されましたが、警察、検察の大きな抵抗があり、
密室で行なわれる取調べのベールは完全にはがされていません。
一部の録音、録画は捜査機関による意図的な「編集」という弊害が必ずつきまといます。
しかしその事は裁判員として参加する市民には現実問題として理解しにくいものだと想像します。
今作はこの密室で行なわれる被疑者への取調べと、同じく密室である接見室での
弁護士と被疑者の面会(接見)が中心となって物語が展開します。
いわゆる刑事ドラマ、弁護士ドラマ的な物語ではなく、複合的な要素を含んだ
人間ドラマにしたいと考えています。
公演概要
■団体名・・・・・・・・RISU PRODUCE
■上演作品・・・・・・・ 「ぼくはだれ」〜取調室での攻防2022〜
■作・演出・・・・・・・松本 匠(RISU PRODUCE)
■公演期間・・・・・・・2022年6月1日(水)〜6月5日(日)7ステージ
■劇場・・・・・・・・・ 東京芸術劇場 シアターウエスト
■料金・・・・・・・・・ 全席指定席 5,800円(前売り/当日共)
■スタッフ・・・・・・・舞台監督:玉城忠幸 舞台美術:加藤ちか 音響:平田忠範 照明:青木大輔
宣伝美術:Brown:Design 収録/技術協力:HYU Kreate キャスティング:北田希利子
制作協力:J‐Stage Navi〔島田敦子/早川あゆ〕祖父江桂子 企画/製作:合同会社 RISU PRODUCE