9PROJECT「象」間もなく開幕&コメント到着 │ シアターウェブマガジン［カンフェティ］

いよいよ5月16日（木）〜19日（日）、9PROJECTの「象」が上野ストアハウスで上演される。9PROJECTは、北区つかこうへい劇団に所属していたメンバーによって結成され、70〜80年代の初期のつかこうへい作品を中心に上演してきた劇団。結成して10年の節目に、初めて別役実作品に挑戦する。
つかは生前、別役実に対して「私の最も尊敬する人である」と公言しており、今回上演する「象」の中には、後のつかこうへい作品に繋がるシーンも数多くあると、演出の渡辺は言う。ならば別役作品を“つかこうへい的”に作ってみようという、9PROJECTならではの意欲作だ。稽古場から、稽古写真と演出からのコメントが届いた。

＜演出・渡辺和徳のコメント＞

いよいよ稽古が終了し、16日からの初日に向け、劇場入りを迎えようとしています。
解釈に頭を捻っていたのも昔のこと…。感情に流れが生まれ、それが噛み合ってくると、後はもう役者同士のガチンコ勝負。別役作品ではなかなか見られない、全力の戦いが繰り広げられています。正直、こんな芝居になるとは思ってもみませんでした。剥き出しの感情のぶつかり合い…。たくさんの解釈と、たくさんの表現があり得る本ですが、「たぶん、つかさんはこの辺に影響受けたんじゃないかな…？」というところをピックアップして作ってみたら、思った以上に熱い舞台になりました。“つか芝居的”に創造する、と銘打った今回の企画でしたが、観ていただければ「ハハーン」と思っていただけるんじゃないかと思います。9PROJECTの旗揚げから、ちょうど10年。20回目の公演。この9PROJECTでずっと探してきた、つかこうへいの原点の一つに触れられたような気がします。二度と観られぬ作品です。どうぞお見逃しなく！