2022年9月14日(水)~9月19日(月祝)、ウッディシアター中目黒にて、ミュージカル「The Fantasticks」が開幕する。
8月某日。熱気あふれる稽古場。
演出家・勝田安彦氏より、本作の見どころや解説、トム・ジョーンズ氏との裏話などなど、コメントが到着しました!
60年を経ても色褪せない・・
『ファンタスティックス』は、1960年にオフ・ブロードウェイの小劇場で初演され、2002年まで実に42年という、ミュージカルとしては世界最長のロングランを記録し、世界のどこかで上演されていないときはないとまで言われている人気作です。小劇場ミュージカルというジャンルを創り出したと言っても過言ではありません。
ミュージカルの物語の基本にボーイ・ミーツ・ガールというパターンがあります。
男の子と女の子が出会い、恋に落ち、一旦は別れてしまうけれど、最後はまた結ばれるというものです。多くのミュージカルがこれに基づいて作られています。
『ファンタスティックス』はそのパターンを最もシンプルに純粋に描くことで、愛の成熟と人の成長という主題がくっきりと浮かび上がるだけでなく、愛と別れと再会の物語の底に、生と死と再生という演劇の原点のようなものが見えてくる。この作品を何度も繰り返し観に行く人が多いのも、そこに惹かれるということもあるのでしょう。
ボーイ・ミーツ・ボーイ版・・・
但し、今回の上演は作者のトム・ジョーンズさんが昨年新たに改訂したボーイ・ミーツ・ボーイ版です。アメリカでもこの改訂版はかなり話題になっています。
五月にニューヨークで久しぶりにジョーンズさんにお会いしたとき、「94歳の老人があの『ファンタスティックス』をLGBTQIAの視点で自ら書き直したらしい、一体どんなことになっているんだと興味津々なんだよ」と笑っていましたが、安易に時流に乗った改訂ではありあせん。
オリジナル版の良さはそのままに、「LOVE IS LOVE」の思いがさらに作品に豊かな味わいを加えてくれています。
誤解を招きかねない言い方ですが、ボーイ・ミーツ・ガールの物語がボーイ・ミーツ・ボーイの物語に変わっただけ、そう思って、42年続いたオリジナル版とその演出に最大限の敬意を払いつつ演出しています。
年齢を超えて愛される理由・・
『ファンタスティックス』は子供が観ればおかしな大人が大勢出て来て面白おかしいことを見せてくれるコメディだし、若者が観れば今の自分たちと重ね合わせて観ているうちに自分のことがもっと分かってくるかもしれない。
中年が観れば懐かしさに胸が一杯になりながら昔の、そして今の自分がほほえましく思えるかもしれない。
老年の観客なら、時の流れに思いを馳せて人生の意味を考えるかもしれません。それがこの作品の本当の魅力なのだと思います。
素晴らしい音楽、天国から笑い声が聴こえるように・・
それと、何と言っても音楽の、楽曲の素晴らしさです。
名曲「トライ・トゥ・リメンバー」以下、美しく抒情的なバラードからコメディ・ソング、ジャズ、フォークにタンゴやフラメンコまで様々な音楽を取り込んでいて、しかもそのどれもが名曲揃いです。
今回は歌も演技もしっかりとした出演者が集まってくれました。
作曲のハーヴィー・シュミットさんは残念ながら四年前に亡くなりましたが、天国で観ていてくれれば、きっとあのバリトンの美声を響かせて喜んでくれるだろう、そんな舞台を作りたいと思っています。
演出家 勝田安彦
9月18日(日)13:00~
勝田安彦「ミュージカル講座」無料開催(要予約)
基礎から裏話まで、一度聴講したらやみつきになるほど楽しい講座です。
このような開催は最初で最後かもしれません。乞うご期待!
お申込みは下記へアクセス→お問い合わせフォームからご予約ください。
https://www.tachi-world.jp/
ミュージカル「The Fantasticks」
-ファンタスティックス-
ボーイ・ミーツ・ボーイ版・日本初演
台本・詞:トム・ジョーンズ
音楽:ハーヴィー・シュミット
翻訳・訳詞:山内あゆ子
演出:勝田 安彦
公演日:2022年9月14日(水)~9月19日(月祝)
上演時間:2時間10分(休憩含む)
9月14日(水) 19:00 10-15席あり
9月15日(木) 14:00 残りわずか
9月16日(金) 14:00 残りわずか
9月16日(金) 14:00 残りわずか
9月17日(土) 13:00 完売
9月17日(土) 17:00 残りわずか
9月19日(月) 13:00 完売
劇場:ウッディシアター中目黒
チケット発売日:8月1日(月)10:00~
指定席6364円(税込7000円)
学生券4091円(税込4500円)
※9/18(日) 休演日 13:00より勝田安彦ミュージカル講座無料開催(要予約)
<キャスト>
エル・ガヨ/柳瀬大輔
マット/北野秀気
ルイス/大根田岳
ミルドレッド/杉村理加
ベッシー/宮内理恵
ヘンリー/川端槇二
モーティマー/鹿志村篤臣
ミュート/齋藤かなこ
演奏
ピアノ/酒井萌音
ハープ/梅津三知代
<スタッフ>
翻訳・訳詞 山内あゆ子
演出 勝田安彦
音楽監督・歌唱指導 島田久子
振付 辻村薫音
衣装 倉岡智一
照明 飯田文
音響 実吉英一
ヘアメイク 森川智未
舞台監督 川除学
広告デザイン 910デザイン、
制作 上川花菜江