
歌手・俳優・声優として幅広い活躍を見せている加藤和樹が、ゲストアーティストを迎え、様々な趣向でそのルーツを辿るコンサート『THE Roots』。第4弾となる今回のゲストアーティストは、舞台や映像作品の話題作に出演し、多彩なキャラクターを演じる人気俳優・橋本さとしだ。ホストを務める加藤に、本公演でやりたいことや楽しみにしていること、日頃から親交があるという橋本への想いなどを語ってもらった。
―――今回、橋本さとしさんをお迎えすることになった経緯を教えてください。
「『THE Roots』は、僕のラジオ番組『加藤和樹の深ボリRADIO!!』に来ていただいいて交流を深めた後、より“何かを一緒にやりたい”、“音楽を通して、この人のことをもっと知りたい”という方を呼ばせていただいています。さとしさんはミュージカル『カム フロム アウェイ』で初めてご一緒させていただき、2025年初頭には『ラブ・ネバー・ダイ』で共演、そしてプライベートでも仲良くさせていただいています。自分にとって憧れの先輩であるさとしさんを形作ったルーツをもっと知りたいと思い、今回オファーをさせていただきました。『THE Roots』はゲストが辿ってきた人生を、音楽を通して知っていくというコンサートです。さとしさん自身がルーツの曲を歌うことで、僕らもさとしさんの人生を感じ取り、みんなで共有できたらと思っています」
―――加藤さんが親しくする中で改めて感じた、橋本さんの魅力とは?
「さとしさんと一緒にいると誰もが感じると思いますが、本当に優しい方なんです。決して人を否定せず、まるで温かい上着のようにフワッと包み込んでくれるぬくもりがあります。一方、芝居になると男らしい表情や目つきで、男の僕もドキッとさせられるほどカッコいい! 橋本さとしを嫌いな人はいないんじゃないかと思うほど、不思議な魅力がある方です。さとしさんがいる場は、一瞬にして“橋本さとしワールド”になるとでもいうか、その場の空気を支配するようなエネルギーを持っています。その支配も決して高圧的なものではなく、とても温かい空間を生み出してくださる。今回も、会場中をさとしさんのぬくもりで包んでくださると思います」
―――『THE Roots』は、加藤さんも選曲や構成に携わっておられるそうですね。
「はい。マネージャーと相談しつつではありますが。まずはゲストの方にアンケートを取らせていただきます。今回はさとしさんが子どもの頃に流行っていた曲や、若い頃にのめり込んでいた音楽から数曲をピックアップしていただきました。その中で僕が一緒にデュエットしたい曲や、さとしさんに歌ってもらいたい曲のリクエストを出します。それにさとしさんが『和樹と一緒に歌いたい』と言ってくれた曲も加えて、選曲していきます。
お客さんにどうやったら楽しんでもらえるか、2人がどのように交わったら面白い化学反応が起きるか、あれこれ想像しながらの作業はとても楽しいです。プログラムの詳細は当日のお楽しみですが、ミュージカルの楽曲の他、2人の共通であるロック、それからさとしさんが観てきたアニメの主題歌など、普段はなかなか聴けない楽曲を選びたいと思っています。
ミュージカル作品は作品や役の想いを伝えることが重要で、俳優自身の想いは表せないこともありますが、当人にとって馴染み深い歌謡曲やJ-POPには、聴いていた当時の思い出や様々な想いが詰まっていますから。それらを一緒に歌うことで、さとしさんのルーツを紐解いていくのが楽しみです。また、楽曲に合わせてさとしさんがどんなパフォーマンスをされるか、そこも注目ですね!」
―――そしておふたりといえば、トークも楽しみなポイントです!
「やはり、そこは外せない部分です(笑)。さとしさんを語るうえでは、いかにトーク部分でさとしさんの心を解きほぐせるかが、僕の課題。みなさんもご存じのようにとても面白い方なので、僕としてはその面白さのルーツも辿っていきたいと思っています。先日、劇団☆新感線の公演を拝見しましたが、あれだけキャリアがある凄い方なのに、古巣の劇団では弟的なイジられキャラなんですよね。音楽だけでなくトークでも、未だ見ぬ橋本さとしに出会えたら嬉しいです」
―――ホストとしてゲストをお迎えするにあたり、意識することはありますか?
加藤「さとしさんファンの方は、さとしさんのことを僕以上にご存じだと思いますが、加藤和樹と一緒にやるからこそ見せる表情や話す内容を引き出すことができたらいいなと思っています。僕からするとさとしさんは、本当にカッコよくて面白く、自分が目指すべき存在。そんなさとしさんの魅力を、歌とトーク両方で引き出していきたいです。さとしさんは大阪出身なので、大阪公演ではより素に近いさとしさんが見られるかもしれないなと、そのあたりもワクワクしています。
さとしさんの場合、本番で何が起こるか本当に分からないので、怖い部分もあります(笑)。ステージ上では一対一ですから、僕が全部受け止めることになるわけです。ただ、そういった予測不能な事態も“面白い”に変えられる力がさとしさんにはあるので、僕は遅れをとらないよう、置いていかれないよう食らいついていきたいです。僕ももうちょっと面白くなれるよう、頑張ります!(笑)」
―――このコンサートでは、オーケストラとの共演も見どころかと思います。
「同じ楽曲でも、アレンジや構成が違えばまったく違って聴こえます。オーケストラならではのダイナミックさや厚みのある響きを楽しめるところは魅力だと思いますし、歌う側もそういったアプローチができるのは醍醐味ですね。今でこそミュージカルはオーケストラで歌うことが当たり前になっていますが、生の音で歌える環境は、とても贅沢なこと。このコンサートでは、お客さまにより質のよいものを届けたいと思っています。オケのメンバーは若い世代が多いので、ディスカッションをしたり、細かなリクエストができたりするのがありがたいです。せっかく自由な場ですから、音作りの部分にもこだわり、お客さまに喜んでいただけるものを追求していきます」
―――過去3回の『THE Roots』を通じ、加藤さんが得られたことというと?
「第1・2回は朝夏まなとさん、第3回は小野大輔さんに出演していただきました。ゲストが一番魅力的に見えるよう、毎回作りを変えていて。どういうことをやったら、ゲストとお客さまに楽しんでもらえるかをとことん考える、その積み重ねが僕の収穫かなと思います。ゲストに合わせた形の公演というのが『THE Roots』の良さだと思いますし、観に来てくださる方々も、そこを楽しみにしてもらえたら。
それぞれ生まれた場所や育ってきた環境が違いますが、音楽は誰しもが共通して耳にしているものなので、ふとしたところで交わることがあります。朝夏さんは同い年、小野さんとは雨男という共通点から(笑)、物語を広げていったりしました。そんなふうに思いがけない点から交わっていけるところが、『THE Roots』ならではの面白さになっている気がします。
公演後、おふたりから『一人ではやれないようなことができて、とても楽しかった』という声をいただきました。朝夏さんとの“タッキー&翼”はまさかの共通点でしたし、小野さんとは声優の現場で同じアイドルグループの役をやっていましたが、2人だけで歌うという機会はなかったので、一緒にやれたのは貴重でした。また、小野さんはオーケストラで歌うのは初めてだったそうで、“小野さんの初めて”をもらえたのは、僕としてはとても嬉しかったです!」
―――橋本さんをはじめ、加藤さんが憧れる存在に共通点はありますか?
「芝居が素晴らしいのはもちろんですが、人として共鳴する部分がある方、ですかね。それから、生き様がカッコいい方。信念をもって生きている先輩には、自分もこうなりたいと思える要素がたくさんあります。僕の周りは、そういう方たちばかりなんですけど(笑)。同じにはなれないかもしれませんが、近づくことはできるかなと思うので、先輩たちから受け継いだものを自分の中に落とし込み、体現していきたい。そして、そんな自分に憧れてくれる人たちがいれば、嬉しいですね。そうなれるよう頑張っています」
―――最後になりますが、『THE Roots』に寄せてメッセージをお願いします。
「さとしさんとのトークが止まらなくなったらどうしようと心配です(笑)。先日、お食事をさせていただきましたが、一緒にいると安心感があって、いつも時間が経つのを忘れてしまうんです。もちろんリスペクトあってのことですが、あんなに気を遣わない先輩はなかなかいないな、と(笑)。それぐらいさとしさんは壁がない方で、寄り添ってくださるので、僕からさとしさんにグッと迫っていきたいなと思っています。過去一、カッコいい橋本さとしをお見せしたいです!!
“新しい年”というフレッシュな雰囲気もありつつ、きっともの凄く笑える、そして感動できる公演になるはず。カッコいい橋本さとしが観られると思いますし、僕もそこに必死に食らいついていきたいという想いです。さとしさんのファンも、僕のファンも、こんな空間、体験したことない!と感じられるような空間にできるよう頑張りますので、ぜひ、ご期待ください!」
(取材・文:木下千寿)
プロフィール

加藤和樹(かとう・かずき)
1984年10月7日生まれ、愛知県出身。2005年、ミュージカル『テニスの王子様』1stシーズンで脚光を浴びる。2006年4月、Mini Album「Rough Diamond」でCD デビュー。以降、音楽活動を精力的に行っている。俳優として舞台・映像作品に出演を重ね、近年はミュージカル作品へ多数出演。また、声優として人気作に携わっている。
公演情報

THE Roots 2026 加藤和樹&橋本さとし
日:2026年2月8日(日)13:30/17:30開演
場:第一生命ホール
料:S席12,000円 A席9,000円
※他、U-22席あり。詳細は下記HPにて
(全席指定・税込)
HP:https://www.samonpromotion.com
問:サモンプロモーション
tel.06-6225-2237(平日10:00~18:00)
