劇団四季の名曲から新曲まで、飯田洋輔が新しい扉を開くコンサート チャレンジする気持ちを後押ししていく、希望と郷土への思いが詰まった舞台に

 表現力豊かなバリトンボイスを武器に、数々の「劇団四季」の舞台に主演してきた飯田洋輔。2023年の退団後すぐにミュージカル『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンに選ばれるなど、第二のキャリアも順調に歩んでいるところだ。そんな彼がソロコンサート“The DOORS”を、東京・大阪に加え、故郷の福井県でも開催。新曲を含めたセットリストから公演グッズまで、飯田のこだわりがたっぷり詰まった舞台となるようだ。


―――タイトルの『The DOORS』には、どのような思いを込めたのでしょうか。

 「“新しい扉を開く”という意味でつけました。常に挑戦し続ける自分でありたいと思いますし、観ているお客様にも、何か希望とか勇気とか、背中を押す力みたいなものを感じていただけたらいいな……という風に思いながら、セットリストを組んでいます」

―――新曲「I Choose」は、ミュージカル『ALTAR BOYZ』で知られるマイケル・パトリック・ウォーカーさんの書き下ろしです。

 「マイケルさんには以前から『君に歌ってほしい歌がある』と言われていたんです。それで退団する時に曲をリクエストしたら、劇団を離れる時の思いや、これから一歩踏み出す気持ちを織り交ぜたような曲を送ってくださいました。これからの僕の生き様ともとらえられるようなバラードで、歌詞は英語ですけど、その思いが伝わるように歌いたいと思います」

―――他にはどんな曲を歌いますか?

 「もう1曲『Departure Bell』という、アップテンポの新曲があります。こちらは兼松(衆)さん作曲で、歌詞は僕の小中高の同級生です(笑)。あとは『オペラ座の怪人』などの四季時代の作品や、ディズニー作品からも何曲かチョイスします」

―――大阪公演のゲストは小野田龍之介さんに石井一彰さんと、どちらもミュージカル『レ・ミゼラブル』のジャベールつながりです。

 「毎日舞台で顔を合わせた仲間で、しかも年頃が近いおふたりなので。小野田さんはちょっと若いけど貫禄があるし、石井さんは1個年上なので、勝手に兄貴っぽいと思ってます。本当に気心が知れた仲なので、息の合った歌唱を披露できると思うし、トークも楽しんでいただけたらと思います。福井公演のゲストも、北陸とゆかりのある方をお呼びする予定です」

―――退団以降、何か新しくはじめられたことはありますか?

 「パーソナルのジムとかピラティスとか、体のケアを少しずつやりはじめました。劇団時代は、キャストは直前まで公表されないけど、他の舞台は先に出しちゃうのが普通じゃないですか? 穴を開けてしまうリスクが高いから、怪我をしない体づくり……強い筋肉ではなく、しなやかな筋肉が付くトレーニングをしています」

―――何か危機感を感じる出来事があったのでしょうか。

 「『レ・ミゼラブル』稽古中にマリウスをこう(背負う仕草)したら、次の日から肩が痛くなって。それが2・3日続いたので病院に行ったら『今来てよかったです。もう少し放置したら、肩の筋肉が裂けてました』って(笑)。そこからより、体づくりを頑張るようになりました」

―――飯田さんの故郷の、福井県越前市でも公演がありますね。

 「福井ってあまりミュージカルの公演がないので、このコンサートをやることでミュージカルの文化が根付いていく、その一石を投じることになれば……と、責任を持ってやりたいと思っています。逆に福井まで足を運んでくださる方には、この機会に福井の良さを知ってほしいし、数を多く作れないためFC内での限定販売の予定ですが、伝統工芸品の越前和紙を使ったグッズも鋭意製作中です」

―――このコンサート以降、こんな活動をしてみたいという希望はありますか?

 「基本的には俳優業を突き詰めるのが、僕の中ではベストかなと思いますけど、アーティスト活動にも意欲はありますし、映像やストレートプレイにも挑戦したいという気持ちもありますね。あとは釣り番組に出たい(笑)。海釣りが好きなんです。今年はタコが大量に釣れて、俳優仲間に配りました」

―――それでは最後に、まだこのコンサートをご存じない方にメッセージを。

 「これまで僕が演じてきた役やキャラクターとは異なる作品にも目を向け、挑戦してみたいと思ってきた役や、かつて叶わなかった役など、多彩なミュージカル・ナンバーの数々を丁寧に選び抜きました。今回のコンサートでは、そうした“新しい扉”を開くような楽曲を通じて、皆さまに新鮮な感動とポジティブなエネルギーをお届けできるよう準備を進めています。
 初めて僕の歌やステージに触れてくださる方にも楽しんでいただける構成になっていますので、ぜひ足をお運びいただき、この特別な時間を一緒に過ごしていただけたら幸いです」

(取材・文:吉永美和子)

プロフィール

飯田洋輔(いいだ・ようすけ)
1984年生まれ、福井県出身。高校時代から音楽活動をはじめ、東京藝術大学音楽学部声楽科在学中の2004年に「劇団四季」に入団。ミュージカル『ジーザス・クライスト=スーパースター』で初舞台を踏む。2009年に『美女と野獣』のビースト役を演じ、2023年の退団まで数多くの作品に出演した。2024年、ミュージカル『レ・ミゼラブル』にジャン・バルジャン役で出演。「世界三大ミュージカル」と言われる『キャッツ』、『オペラ座の怪人』、『レ・ミゼラブル』に主要な役で出演した、数少ない俳優となった。2025年には『ジャージー・ボーイズ』にニック・マッシ役で出演。福井県の「ふくいブランド大使」、「越前ふるさと大使」の顔も持つ。

公演情報

『飯田洋輔コンサート2025 “The DOORS”』

日:2025年11月20日(木)・21日(金)
場:サンケイホールブリーゼ
料:12,000円(全席指定·税込)
HP:https://sunrisetokyo.com
問:サンライズプロモーション
  tel.0570-00-3337(平日12:00~15:00)

インタビューカテゴリの最新記事