盲学校で繰り広げられる対立・葛藤をエモーショナルに描くミュージカル 誰もが“本当の幸せとは?”と考えさせられる作品

盲学校で繰り広げられる対立・葛藤をエモーショナルに描くミュージカル 誰もが“本当の幸せとは?”と考えさせられる作品

 スペイン戯曲の巨匠 アントニオ・ブエロ・バリェホが手掛けた1950年初演の『燃ゆる暗闇にて』。昨年、韓国でミュージカル化されて話題を呼んだ本作が、10月に日本版ミュージカルとして上陸を果たす。Wキャストとなる佐奈宏紀・坪倉康晴と並び今回初めて主演を務める渡辺碧斗は、起用が決まったときの気持ちを「とにかくワクワクが大きかった」と話す。

 「昨年から関わらせていただいた特撮の作品で、主演が同い年のキャストだったんです。彼が座組を引っ張っていく姿を見て、自分もこういう立場で作品に関わりたいと思っていたところに今回の話をいただきました。その作品は監督さんもまず率先して動くタイプの方だったので、そんなリーダーシップの取り方に自分も近づけるように頑張ります」

 物語の舞台は〝安全で自由な学園〟を教育方針に掲げた盲学校。そこへやって来た転校生が学園の理念や雰囲気に異を唱え、次第に周りの生徒を巻き込んでいく……。渡辺が演じるのは、そんな学園のリーダー的存在である優等生 カルロス。

 「台本を読んで、本当の幸せって何だろうと考えさせられました。自分自身とリンクする部分を感じましたし、きっと誰にも凄く重なるところがあると思います。カルロスは自分の信念に基づいて行動するのですが、僕にはその気持ちがわかる一方で、果たしてそれは正しいのか?と思ってしまう部分もある。今まで以上に色々なことを考えながら取り組む作品になると思います」

 「本格的なミュージカルに参加するのも初めて」という渡辺からはこんな言葉も。

 「歌はチャレンジの部分が大きいと感じています。カラオケで沢田研二さんや尾崎豊さんの曲を歌うのですが、今回はロックテイストのミュージカルということなので楽しみです。ダンスについては、普段から体を動かすようにしていて、どんな振りが来ても大丈夫なように準備しています。もちろんそれ以外も、自分ができることを増やしていってベストを尽くしたいと思います」

 渡辺いわく「お客さま一人ひとりがどう感じるのか、とても気になります」という本作。彼に注目してきた人なら絶対見逃せない舞台になるだろう。

 「僕自身、台本を読むたびに印象が変わります。観終わって劇場を出るときに必ず何かが残る作品だと思いますので、それをしっかり届けられるように励んでいきます」

(取材・文:西本 勲)

プロフィール

渡辺碧斗(わたなべ・あおと)
1998年生まれ、東京都出身。2015年、第2回CONOMi 制服アワードにてグランプリを受賞して芸能界入り。2016年から約3年にわたって参加したミュージカル『テニスの王子様』3rd シーズンの鳳長太郎役でブレイク。2023年、『王様戦隊キングオージャー』でヤンマ・ガスト/トンボオージャー役を演じ、テレビ・映画・ライブステージとマルチ展開するヒット作に大きく貢献。その他の出演に、映画『HiGH&LOW THE WORST X』、『やがて海へと届く』、舞台『脳内ポイズンベリー』など。

公演情報

ミュージカル『燃ゆる暗闇にて』
日:2024年10月5日(土)~13日(日)
場:サンシャイン劇場
料:S席11,000円 A席9,000円(全席指定・税込)
HP:https://musical-moyuru-kurayami.jp
問:公式HP内よりお問合せください

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