鳳恵弥主演の人気シリーズ、京本政樹・山本圭壱など新キャストを加え今年も新作 ウィーン万博以降のシーボルト兄弟の活躍を描く

鳳恵弥主演の人気シリーズ、京本政樹・山本圭壱など新キャストを加え今年も新作 ウィーン万博以降のシーボルト兄弟の活躍を描く

 幕末から明治初期にかけて、近代国家としての日本の礎を築くことに尽力したシーボルト父子の物語を綴る『シーボルト父子伝』も今シーズンで5年目。主演 ハインリッヒ・シーボルト役で脚本・演出も担当する鳳恵弥は今作をこう語る。

鳳「父、シーボルトに京本政樹さんをお迎えし、前作はウィーン万博まででしたが、今作はハインリッヒが関わった日本赤十字社の設立を盛り込みます。前身である博愛社の設立に大きく関わるのが西南戦争、となると遂に西郷隆盛も登場、その役を山本圭壱さんにお願いしています。国のために命を賭して近代化に取り組んだ人々の姿を忠実に描き、観客のみなさんもまた“受け継ぐ者たち”であることを意識してもらえればと思います」

 総監修も引き続き、ドラマなどで大活躍の木村ひさしが担当する。

木村「ウィーン万博以降にスポットを当てる今作は、兄弟の功績がよりわかりやすくなったかなと思います。年々深みを増す鳳さんに加え、京本政樹さんが出演されます。一度だけ仕事をしたことがありますが“必殺”シリーズが大好きな僕にとってはとても楽しみです」

 そして音楽だけでなく、ナウマン教授役として出演もするのは爆風スランプ、パッパラー河合。「ギターを持った教授」の姿にあまり違和感がないから不思議なものだ。

河合「ここ数年、僕にとって年に一度の楽しみになってます(笑)。主題歌の新バージョンもあるしね。もちろんギターを持って出ますけど、誰も変だとは言わないんですよ(笑)」

 そして先に書いたが兄弟の父フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト役に京本政樹が挑む。この役、初演時には京本と仲の良かった渡辺裕之が務めていた。

京本「お話を頂いた時はなべさんと自分のあまりにかけ離れた役者像から、お断りする気持ちが先行していましたが、お話を伺ううちに、なべさんとの深いお付き合いが走馬灯のように巡り、若い方々と共にこのような作品を頑張っておられたのだなと感慨深い気持ちになりました。タイミング的にも『京本頼むよ』と言われた気持ちになり、自分なりの形でお手伝いが出来たら、なべさんも喜んでくださるのかな?といった思いからお引き受けしました。みなさま、また若い俳優の方々のお力に少しでもなれたら、などと感じています」

 その他、ハインリッヒの兄アレキサンデル役を人気俳優の林野健志が務めるなど充実したキャストが揃った。さらにダブルキャストの1チームは京本・河合・山本・林野以外を全て女優が務めるという大胆なチャレンジも興味深い。どんな新作になるか楽しみだ。

(取材・文&撮影:渡部晋也)

プロフィール

鳳 恵弥(おおとり・えみ)
2002準ミスインターナショナル日本代表など女優やモデルとしてドラマ・CM等で活躍の後、★☆北区つかこうへい劇団に入団。ドラマ・映画・舞台と本格的に活動を展開。2019年、演劇ユニットACTOR’S TRIBE ZIPANGを旗揚げ、演出・脚本も手掛けている。2022年、劇場都市TOKYO演劇祭にて最優秀主演俳優賞を受賞。

木村ひさし(きむら・ひさし)
演出家・映画監督。日本映画学校を経て、堤幸彦作品に助監督として参加。ドラマ『民王』で数々の賞を受賞。2018年、『99.9-刑事専門弁護士-SEASONⅡ』で民放年間平均視聴率No.1を獲得。

パッパラー河合(ぱっぱらーかわい)
サンプラザ中野(現・サンプラザ中野くん)とスーパー・スランプから爆風スランプに参加。2020年に舞台『シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~』初演から出演、本作の劇中音楽も担当し主題歌、挿入歌を提供している。

京本政樹(きょうもと・まさき)
1979年、ドラマ「男たちの旅路シリーズ『車輪の一歩』」でデビュー。以後、多くのドラマ・映画で活躍。ドラマ『必殺仕事人V』でニヒルなイメージの殺し屋“ 組紐屋の竜” を演じ、その人気は不動のものとなる。

公演情報

シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~受け継ぐ者達

日:2024年8月8日(木)~11日(日・祝)
場:博品館劇場
料:S席12,000円[完売] 
  A席10,000円(全席指定・税込)
HP:https://x.com/siebold_fushi
問:舞台シーボルト父子伝~製作委員会 
  mail:siebold2024@gmail.com

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