イギリスの人気劇作家レイ・クーニーの傑作が、新たなキャストを迎え再演！　「なぜか許せてしまうけど、現実にジョンがいたらビンタです!」 │ シアターウェブマガジン［カンフェティ］

舞羽「私を愛してよ！　ほかにいっている場合じゃないわよ！」

十碧「ジョン！　私はあなたを信じ抜くわ！」

　にこやかに宣戦布告をするのは元宝塚歌劇団同期の舞羽美海と十碧れいや。ロンドンコメディ『Run For Your Wife』の再演が決定した。本作は山本一慶が主演・ジョンを演じるシリーズとして2019年にスタート。ジョンの2人の妻役に挑むのが舞羽と十碧、コロナ禍の公演中止で幻となっていた両者が遂に対峙する。

舞羽「また挑戦できる想いで嬉しかったです。このセリフ量に向き合うと思うと恐ろしさもあります（笑）」

十碧「3度流れてどこかあきらめていた部分もありましたが飛び上がるくらい嬉しくて、決まった時はすぐミミちゃんにLINEしちゃいました」

舞羽「やっとできるね！って。本を読んでいるとバーバラのセリフはレナ（十碧）の声が頭の中に流れるくらい印象強くて」

十碧「私もそう。メアリーのセリフはミミちゃんの声がする」

　観客としても2人が演じるメアリーとバーバラにやっと逢える気持ちだ。稽古を振り返ってお互いの魅力を訪ねると。

舞羽「男役として出逢った頃からピュアなところと華やかさがレナの魅力。そのピュアで天然さがバーバラ役にぴったりだなと。色っぽさも含めて今回魅力が爆発するんじゃないかと！」

十碧「あはは！　ミミちゃんは普段サバサバしていてとても素敵な女性なんです。そんなミミちゃんが、心配症で心配しすぎて豹変して大声をあげちゃうとかとても面白くて。メアリーの前半と後半のキャラの変化が見どころです」

　ウソにウソを重ねるコメディ作品としてテンポと掛け合いが大切、さらに挑戦もあるという。

舞羽「台本を読みすぎて全部の情報を入れすぎ、メアリーはどこまで知っていたのかパニックになったので、一つひとつの出来事に、そして相手のセリフに新鮮に反応していきたいなと思っています。計算し尽くされた完璧な台本に新たなキャストも加わって色んな動きが生まれそうで一筋縄ではいかない“ランフォー”になる気がしています！」

十碧「声を出して台本を見返していると、こんな感じだったなと前回のことが出てきてしまう部分もあるので、ゼロからやりたいですね。まずは取り払うことを挑戦としたいです。そしてバーバラの男っぽくて、でも色っぽくて魅力的で素敵な女性という表現を頑張って演じたいと思います。ニューバージョンの“ランフォー”をお楽しみに！」

（取材・文：谷中理音　撮影：山副圭吾　ヘアメイク：北野恵利　衣裳：阿部浩）

プロフィール

舞羽美海（まいはね・みみ）
8月22日生まれ、兵庫県出身。元宝塚歌劇団雪組トップ娘役。2007年、宝塚歌劇団入団、2012年の退団後は舞台や映像などで活躍。近作に、『ソングマン〜翔べ！三ツ矢高校・男子コーラス部〜』、『ル・シッド』、『進撃の巨人』-the Musical-、映画『大コメ騒動』ほか。今秋に宝塚歌劇雪組 pre100th Anniversary『Greatest Dream』の出演を控える。