パリコレを飾った200着超えのオートクチュールが登場! 「前代未聞」の“ランウェイミュージカル”

 世界的ファッションデザイナーのジャンポール・ゴルチエの半生を描く、ランウェイミュージカル『ファンション・フリーク・ショー』。日本公演のスペシャルゲストとして出演が決まった城田優は「僕自身ファッションも好きですし、モデルとしてコレクションに出た経験もあるので、ミュージカルとファッションショーのコラボレーションという前代未聞の本作に出演することを光栄に思っています。僕は今後国際的なお仕事にも力を入れていきたいと思っているので、フランスで生まれ全世界を飛び回っている本作に、海外キャストに混じって携わることができるのは非常に嬉しいです」と話す。

 本作は実際にパリコレを飾った200着を超えるオートクチュールが登場するという。ロンドン公演の映像を見た城田は「オープニングから何から奇抜で斬新で華やかで、少なくとも僕自身はあまり見たことがないもの。あえてカテゴライズするならば『ジャンポール・ゴルチエ』というカテゴリーだと思います」と感想を語る。

 さらに本作はマドンナやデヴィッド・ボウイ、ナイル・ロジャースの多種多様な音楽とともに展開するという。城田は「おそらく皆さんがミュージカルとして想像していらっしゃる形とは違います。例えば『レ・ミゼラブル』だったら『レ・ミゼラブル』の世界観の歌が続くし、『ロミオ&ジュリエット』だったら『ロミオ&ジュリエット』の世界観の歌が続くと思いますが、今回は独立したそれぞれのシーンにこめたい音をあわせている感じがしました。統一感があるというより、おもちゃ箱からいろいろなものが出てくるイメージですね」と評する。

 でも僕はそれぐらい攻めた方がいいと思うんです、エンタメをつくるときは。みんなに受け入れられるように物づくりをするのは、僕は逃げだと思うから。自分がいいと思ったものを『どうですか』と見せて、『面白い』という人間がマジョリティを占めたら最高だし、それがマイノリティでも自分が好きなものを同じく好きだと思ってくれた人がいるんだと思えることが何より大事。非常に刺激的な時間になると思うので、インスピレーションを欲しい人はぜひ『ファンション・フリーク・ショー』観にきてほしいですね」

 なお、公演のコンセプトは“ゴルチエが教えてくれること――それは『ありのままの自分を愛する』こと。ファッションに自由を。人生に賛美を”。どこか『キンキーブーツ』のローラを彷彿とさせるが、城田も「僕が普段考えていることとも共通点が多くて『その通り!異論なし!』という感じですね」と話す。

 「世の中はどう頑張ってもマジョリティ・マイノリティが生まれてしまう。着るもの、食べるもの、思考、職業に至るまで、誰でも何かを取捨選択するから。僕自身、家庭環境や人種的なことも含めて割とマイノリティとして過ごしてきたと思っていて、小さい頃は恥ずかしいと思っていたこともあります。でもそこを乗り越えた今、どちらが正しい・間違っているなんて簡単に判断できないし、もっと言ってしまえば誰も正解なんて持っていない。その人の人生なのだから、その人の好みならばそれをリスペクトするべきで、他人がとやかく言うことではない。そう思っています」

 だからゴルチエさんの思いも、僕自身が掲げていることも、それこそ『キンキーブーツ』のローラも。普段フラストレーションを抱えていたり、自分の本当を出したいけど出せなかったり、自分が何かしらのマイノリティにいるなと思っていたりする方が、このショーを見て、自分を出せるようになったり、自分の主張ができるようになったりしたら最高だなと思いますし、いいチャンス。本当にぶっ飛んでるので! 自由すぎるので!」

(取材・文:五月女菜穂 撮影:友澤綾乃)

プロフィール

城田 優(しろた・ゆう)

1985年12月26日生まれ、東京都出身。2003年にミュージカル『美少女戦士セーラームーン』で本格的に俳優デビュー後、ドラマ・映画・舞台・音楽など幅広いジャンルで活躍。本年7 月開幕のミュージカル『ファントム』では、演出、ファントム役、シャンドン伯爵役を務める事が発表され、三刀流という驚きの挑戦に挑む。

公演情報

ジャンポール・ゴルチエ ファッション・フリーク・ショー

日:2023年5月19日(金)~6月4日(日) ※他、大阪公演あり
場:東急シアターオーブ
料:VIP席[1階7列目以内・特典付]30,000円
  S席13,500円 A席9,000円(全席指定・税込)
HP:https://fashionfreakshow.jp/
問:キョードー東京 tel.0570-550-799(平日11:00~18:00/土日祝10:00~18:00)

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