どこかがおかしいキャッスル・トーチの中で、おとぎ話の住人や物語が交錯する。目を覚ましたアケチ。いつもの伽相手、ジュードが居ない!

どこかがおかしいキャッスル・トーチの中で、おとぎ話の住人や物語が交錯する。目を覚ましたアケチ。いつもの伽相手、ジュードが居ない!

 おとぎ話の登場人物を裁判にかけ、物語の“シンジツ”を暴き出すという、不思議な世界を描くダークファンタジー『おとぎ裁判』。すでに第3審までが上演された本作の、シリーズ最新作となる第4審がそろそろ開廷されようとしている。裁判長・アケチとして第1審から出演している、古谷大和が引き続き同役を務める。

古谷「最初からシリーズとして企画されたとても楽しい作品ですが、それがちゃんと続いているのは嬉しいことです。脚本の神楽澤小虎さんが書く世界はとても膨大で、かつユニークです。これまでの3本で蒔いた種から出た結末を拾いつつ、さらに種蒔きをする。その繰り返しです。その中で僕が演じるアケチは成長し続けています」

 アケチの伽相手(相棒)ジュード役の東拓海や、狂言回しでもあるメロディ役のロッキン=ヨーコなど、第1審から出演しているメンバーの他、今回が初参加となるメンバーも加わっての座組となる。その中で似てない双子の兄・トゥイードルディー役を、俳優活動以外に声優としての活躍も目立つ、五十嵐雅が務めることとなった。

五十嵐「今回が初参加になります。過去の何作かは拝見していましたが、“なんだかみんなでワチャワチャと楽しいことしているなぁ”と思って観ていました。だから自分が参加できる今回はすごくワクワクしています」

 以前から共同でイベントを主催するなど、親交があった2人。年齢やキャリアは五十嵐が上だが、お互いに安心できる相手だという。

古谷「舞台『KING OF PRISM』での共演がきっかけで付き合いがスタートしました。もう4年くらいですね」

五十嵐「2人でイベントもやるしね。ともかく大和と一緒に居ると安心するし、濃密な時間を過ごしてきました。さらに今回は、大和が演出をすると聞いて、無条件でオファーを受けました」

 五十嵐が言うとおり、今回は前作のキムラ真に替わって、古谷が演出を務める。これもまた興味深い。

古谷「演出をしてみたいというのは以前からの希望でもあって、昨年朗読劇の演出をさせてもらいました。今作ではキムラさんのスケジュールが合わなくて、その時にプロデューサーが、この作品を知らない他の演出家さんに頼むよりも、作品を一番知ってる僕が演出した方がこの世界をちゃんと描けて、今後キムラさんが戻ってきたときにスムーズにバトンが渡せると思って相談してくれました」

 アケチの前にやってくるおとぎ話の住人たちが、どんな物語を紡ぐのか。それを楽しみに劇場に現れる法廷を覗いてみたい。

(取材・文:渡部晋也 撮影:山本一人(平賀スクエア))

プロフィール

古谷大和(ふるや・やまと)
東京都出身。親孝行のつもりで俳優養成所に通ったことをきっかけに演技に魅せられる。その後、舞台作品を中心に数多くの作品に出演。ストレートプレイから朗読劇、ミュージカルに至るまで様々な舞台を経験。『おとぎ裁判』シリーズでは、主役のアケチとして第1審から出演。アケチのトレードマークでもあるヒゲは地毛で、それ故に他の役ができないという。

五十嵐 雅(いがらし・まさし)
静岡県出身。高校の放送部で出場したアナウンスコンクールで全国大会出場、全国3位となる。高校卒業後は一旦社会に出るが大学に入り直し、芝居漬けの毎日を送る。劇場版『KING OF PRISM by PrettyRhythm』の鷹梁ミナト役で声優デビュー。さらに俳優として数多くの舞台作品に出演している。

公演情報

『おとぎ裁判 第4審』

日:2023年3月25日(土)~4月2日(日)
場:CBGKシブゲキ!!
料:9,900円(全席指定・税込)
HP:https://www.lol-w.com/otogi4/
問:株式会社Lol mail:info@lol-w.com(平日11:00~18:00)

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