輝く才能を集めた新世代のSF エンターテイメント演劇が花開く 死の淵から救われた少女・アニー 銃を手にして自由への闘いに立つ!

 アイドルや舞台女優、レースクイーンなど様々なフィールドで活躍する女性を集めて、殺陣やダンスをたっぷり盛り込んだステージを目指すK.T stage PROJECT。オーディションを経てキャストが決定した第1作『Annie,Get Your Freedom!』は、オリジナル脚本をワイルドバンチ演劇団で活躍する古田龍が演出する作品。古い映画ファンならこのタイトルを見て、懐かしの西部劇『アニーよ銃をとれ』を思い出すかも知れないが、なんと古田もこの作品が大好きだとのこと。やはり名作は時代を超えるのだと思わせるエピソードだが、今作は全く異なる。
 隣国に攻め込まれた「エクレイン国」で死を目前とした少女・アニーは、レジスタンスのリーダー、メアリに助けられる。九死に一生を得たアニーは仲間達と共に自由や平和のために戦いを繰り広げる、というストーリーだ。登場人物のほとんどがWキャストで組まれているこの舞台から、それぞれのチームのアニーである吉田玲(A)と藤本咲来(B)、メアリの飯塚シオン(A)・宮越愛恵(B)に話を聞く。

―――まずアニー役のお二人から伺います。まだ舞台経験は浅いとのことですが、今回主役の座を射止めた気持ちを聞かせてください。

吉田「嬉しかったですが、同時に私で大丈夫?という不安もありました。でも選んでもらったからには、主演らしく関われたらと思います」

藤本「オーディションを受けた時から『まぁ主役にはならないだろう』と勝手に決めつけていたんです(笑)。この物語のアニーという役柄は私とはかけ離れているので、どう演じたら良いか今悩んでいます」

―――このアニーを救い出し、護るのがメアリですね。メアリ役のお二人はどうですか。

飯塚「オーディションの時に(役を)振られたのがメアリでした。いきなり渡された台本だと読みが浅くなりがちなんですが、進めていくうちにメアリを演じたくなりました。
 結果は台本を渡されて『貴方の役です』と申し渡されたのですが、やりたい役が来た!と思って凄く嬉しかったです。でもセリフ量も多いし、やるべき事も沢山あるので責任を感じています」

宮越「私はオーディション一番手だったようです。忘れられたくないと思って挑みました。だから決まった時は『忘れられなかったんだ』と思って嬉しかった。でも私はセリフよりも殺陣が多いことでこんがらがってます。少しでも強くみせるようにしたいです」

―――殺陣が大変だとのことですが、結構アクションシーンが多いようですね。飯塚さんはダンス歴も長くて教える側になっているとか。

飯塚「ええ、子供達にヒップホップやジャズ、80年代のスタイルとかを織り交ぜて教えています。でもダンスと殺陣は使う脳が違うようでなかなか追いつかないですね」

宮越「以前、殺陣を少し教わっていたのですが、実践は初めてで思い出しつつ練習しています」

吉田「私はアクション未経験です。映画の中で薙刀とカンフーの基礎くらいは体験しましたけれど、そのくらいですね」

藤本「私、小学生の頃に少林寺をやっていて、オーディションの時も型は忘れちゃいましたが、身体を使うことには自信があるって言っちゃいました。でも体を動かすのは好きなので楽しいです」

―――使う武器は皆さん剣ですか。

飯塚「私達メアリはソード(剣)ですね。アニーは銃です。ほかは素手とかナイフとか」

吉田「そう(アニーは銃)なのですが、基本的にメアリさんが護ってくださるので助かってます(笑)」

―――稽古が始まってひと月くらいですが、アニーの2人から見て、それぞれのメアリにはどんな印象をお持ちですか。

吉田「とても仲良くしてもらって、居心地が良いですね。読み合わせも誘ってくださいますし、お世話になってます」

藤本「キャストが決まってから共演者の皆さんを調べたんですが、その時に凄くカッコイイ女性だ、と思ったのが宮越さんでした。実際にお目にかかってもカッコイイ(笑)。殺陣の基礎練習は全員でするんですが、よく教えてくださる頼れるお姉さんですね」

宮越「でもスケジュールの都合でそんなに会えて無かったんだよね」

―――逆にメアリから見たそれぞれのアニーについても聞かせてください。

飯塚「玲ちゃんは人なつっこいので、座組の皆から愛されるタイプですね。“護られる気質”みたいなものを持っていると思います。カワイイ(笑)」

宮越「初めての本読みで思ったのが、人一番声が通るしカワイイんです。ほかのキャストもそう言ってますが、皆としゃべっていると気になっちゃいますね。でも両チームの空気感は結構違うんです。こちら(B)はクールな感じですね」

吉田「そうそう、BはクールだからAチームがうるさすぎないかな、って皆で話してます」

―――さて、この物語はSFになると思いますが、皆さんSFはお好きですか?

飯塚「好きですね。それ系の舞台にもちょくちょく参加していますが、普段はできないことをできるので楽しいですね」

宮越「私はアニメや漫画が大好きですから。そういった世界観は好きです」

吉田「私は逆でアニメも見ないし漫画も読まない人なので、SFは初めての世界観です」

藤本「両親の影響で『スター・ウォーズ』とか『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とかの映画は大体観ています。非現実的なことが起きて大好きでワクワクします」

―――それでは皆さんの活躍を心待ちにしているファンにメッセージをお願いします。

吉田「久々に13歳の役をやります。物語はSFですが、いままさに現実の戦争も起きていますから、普段とちょっと想いが違います。少女アニーとして物語に居たいです」

藤本「SNSを今年から始めたので、まだフォロワーは少ないんですが、応援してくれる皆さんが知っている私とアニーとは全く違うので、この舞台で私の新たな一面を見て欲しいです。物語の最初と最後でアニーの顔つきが凄く変わってくるので、そこにも注目して欲しいです」

飯塚「皆さんの応援の御陰で演劇を続けていられるので、まずはそこに感謝したいです。そして素敵な仲閒に囲まれて、コロナ禍にもかかわらず演劇が出来る事にも感謝ですね。
 メアリは現実の自分とかけ離れているので、まだ模索中ですが、是非本番の仕上がりを観て欲しいです」

宮越「実はメアリは自分の娘を亡くしているという設定です。だからずっと応援してくれる方に『遂に私も母親役をやることになりました』と報告したいです。優しくて芯がある役をやりたいです。この数年色々なことを我慢していたので、劇場で発散したいです」

―――さらになにか言い忘れはありますか⁇

全員「両方観て欲しいです! ハッキリ言って観ないと損ですよ(笑)」

(取材・文&撮影:渡部晋也)

プロフィール

飯塚シオン(いいづか・しおん)
千葉県出身。2016年に、ゲキバカ『ごんべい』で初舞台を踏み、その後フリーで舞台女優として活動。TOKYOハンバーグ Produce Vol.19『愛、あるいは哀、それは相。』、劇団暴創族15周年公演『鴇色珊瑚物語』、CHAiroiPLIN『TICTAC〜ハムレット〜』、演劇集団「俄」『FUXAiBXUE-フカイブルー』など、出演多数。その他、振付師やダンス講師、ライバーとしても活動している。

吉田 玲(よしだ・れい)
山口県出身。中学2年生の時に、地元・下関の中高生を集めて作られたミュージカル映画『隣人のゆくえ -あの夏の歌声-』に参加。それを観た大林宣彦監督に見初められ、2020年に映画『海辺の映画館―キネマの玉手箱』のヒロイン・希子役に抜擢される。2022年には、映画『RANSOM~身代金~』にヒロイン・由美役で出演。また同年5月には舞台『レ・ミゼラブル~惨めなる人々~』に出演。

藤本咲来(ふじもと・さら)
福岡県出身。第14回声優アワード新人発掘オーディションに合格し、その後AZクリエイティブに所属。【ドラマCD】『わさんぼん~和菓子屋珍道記~』シリーズ 妹・忍者菓子役、【舞台】フライドBALL企画vol.53『あっとうてきに愛してる』山吹茜役などに出演する。

宮越愛恵(みやこし・まなえ)
京都府出身。女優として舞台・テレビ・映画に出演するほか、声優・モデル・レースクイーンとしても幅広く活躍。舞台作品では『GOLDRUSH THE MUSICAL』、『かよちゃんのこと』、舞台『学園事変』、舞台『獅子の如く~戦国湯舟評定~』など出演多数。

公演情報

K.T stage PROJECT
『Annie,Get Your Freedom!』

日:2022年12月22日(木)~26日(月)
場:築地本願寺ブディストホール
料:S席7,500円 A席6,000円
  公開ゲネ[12/22・23 14:00]4,500円
  (全席指定・税込)
HP:https://twitter.com/KTstagePROJECT
問:K.T stage PROJECT
  mail:event@katia-onkyo.com

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