2009年にリリースされ、今もなお根強い人気を誇るBLゲームの金字塔『ラッキードッグ1』。その舞台版、通称“ラキステ”の最新作が2度の公演中止を乗り越え、この夏上演される。
主役のジャン・カルロを演じる堂本翔平は「(上演決定を受けて)その知らせを前から知っていたような、不思議な感覚でした。このまま、すっと終わってしまうとは思っていませんでしたしね」と振り返る。
シリーズ第1作目から約4年間、幹部メンバーを演じる4人とは家族のように接してきた。現在でもしょっちゅうお互いの家を行き来する仲だという。
「いろんな舞台をやってきましたが、なかでもラキステは僕にとって特殊な作品です。初めて主演をやらせていただいたこともそうですが、役者もスタッフも上下関係なくフラットに意見を交わせる関係性があるんです」
物語の舞台は1930年代のアメリカ。強運の持ち主であるジャンが、マフィア組織の幹部4人を脱獄させ、根城たる都市・デイバンを目指すというのがゲーム本編のストーリーだ。本編後の彼らが描かれる今作では、なんとジャンの行方不明事件が発生。ジャン不在時の幹部たちの葛藤や奮闘も大きな見どころとなる。上演回ごとに、異なる幹部との結末が用意されたマルチエンディングシステムも健在だ。
「これ、演じる側もむちゃくちゃ楽しいです! 俳優は自分以外の人生を演じることができてお得だと思っているのですが、ラキステではその上で4つも分岐があるんですから。どの人を好きだと思っているかで、仕草や言葉の抑揚など、こちらの演じ方も全然違います」
メインキャストは本作でシリーズ卒業が予定されている。4年間演じてきたジャンへの思いを聞いた。
「第1作を演じた頃はジャンより年下でしたが、今では追い越しました。最初はジャンって『太陽みたいだなぁ、救われるなぁ』って思っていましたが、今では照らされるばかりじゃなくて、こちらからも気にかけたくなりましたね。
今作の最後のシーン、暗転前の景色が、僕らがやってきた4年間の全てかなって思います。(中止になった前作の)稽古中、『今僕らすごく綺麗な絵になっているのだろうな』と思いながら、うるっとしちゃいました。ラキステは応援してくださっている皆さんと一緒に成長してきたと心から思っているので。ありがとうの気持ちでいっぱいです」
(取材・文:いつか床子 撮影:友澤綾乃)
堂本翔平さん
「とにかく水分を取る事です。僕自身、数年前まで全く水を飲まない生活をしていたのですが、最近は本当に気をつけて飲むようにしています。心なしか快調です(笑)。暑い日が続きますが、水分補給意識して乗り越えましょう」
プロフィール
堂本翔平(どうもと・しょうへい)
1993年12月12日生まれ、茨城県出身。2014年に劇団TEAM-ODAC、翌年に劇団番町ボーイズ☆に入団。以後、両劇団の本公演に出演している。外部でも精力的に活動し、近作に舞台『RUST RAIN FISH』、『風が強く吹いている』、『富豪刑事Balance:UNLIMITED The STAGE』など。2018年に上演された『THE STAGE ラッキードッグ1』シリーズ第1作目が、自身初の主演舞台となる。
公演情報
THE STAGE ラッキードッグ1 Paradise Lost+
日:2022年8月26日(金)~29日(月)
場:飛行船シアター
料:S席[1階前方・非売品パンフレット付]12,000円 A席[1階後方]9,000円(全席指定・税込)
HP:https://hikosen.co.jp/eigeki/luckydog/
問:劇団飛行船 映劇ライヴエンタテイメント mail:eigeki@bushiroad.com