三谷幸喜が書いた“幻のホラー・コメディ”が21年ぶりに復活する。『VAMP SHOW』は、サードステージのプロデュース公演として1992年に板垣恭一、池田成志の演出により初演。
その後、2001年には、パルコ&サードステージ提携プロデュースとして池田成志の演出で、佐々木蔵之介・堺雅人・河原雅彦・橋本じゅん・伊藤俊人といった当時の若手、実力派俳優が出演。
今回、2001年版に出演した河原雅彦の演出のもと、今後が期待される若手演技派俳優たちが結集! 新たな『VAMP SHOW』が上演される。
「2年半ぶりぐらいの舞台で、久しぶりに舞台に立てることがまず嬉しかったです。しかも三谷さん脚本、河原さん演出! 事務所を移籍して約1年、マネージャーさんと掲げた目標の1つが『三谷作品のようなコメディ作品に出る』ということでした。運命を感じて、さらに嬉しかったですね」
そう話すのは、本作に出演する塩野瑛久。演じる佐竹慎一は、楽しく旅する吸血鬼の1人。河原が2001年版で演じていた役でもある。
「河原さんが演じていた役を演じるということで、緊張するところもありますけど、楽しみの方が大きいです。分からないことがあったら、こんなに近くで聞けるという安心感もあります」
先日始まった稽古では、役をシャッフルして、それぞれが本役とは違う役にトライする稽古もあり、「新鮮でした」と塩野は言う。
「(平埜生成が演じる)坂東の正義感が自分と似ているかなと思ったんですけど、俯瞰して物事を見る佐竹を演じます。みんなの状況や役割を把握するのは得意なので、そういう点では佐竹でよかったと思います」
改めて舞台作品の魅力とは何か――。
「映像作品と違って編集できないことですかね。自分たちで物語を紡いで、テンポや間をコントロールする難しさがあります。それに時間をかけてお芝居をつくれる。自分が発信したお芝居に対して時間をかけてまとめてくれる演出家がいて、それによって役への理解も深まる。役に向き合う時間も貴重。苦しい時間でもあるんですけど、楽しいです」
最後に観客へのメッセージをもらった。
「夏にぴったりなホラーコメディ作品。PARCO劇場で素晴らしい舞台に立てることが、僕達も楽しみです。絶対面白い作品にできるように頑張るので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらと思います」
(取材・文:五月女菜穂 撮影:友澤綾乃 スタイリスト:山本隆司(style3) ヘアメイク:齋藤将志)
プロフィール
塩野瑛久(しおの・あきひさ)
1995年1月3日生まれ、東京都出身。2011年に開催された第24回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストに応募し、審査員特別賞およびAOKI賞を受賞。2012年3月、芸能界デビュー。同年、『獣電戦隊キョウリュウジャー』に立風館ソウジ/キョウリュウグリーン役でレギュラー出演。その後、舞台『里見八犬伝』、映画『HiGH&LOW THE WORST』などに出演、近年の主なドラマ作品としては『来世ではちゃんとします』、『探偵が早すぎる〜春のトリック返し〜』。端正な顔立ちで、ミステリアスな空気感も放つ個性的俳優として様々な役に挑戦し、活躍の幅を広げている。
公演情報
パルコ・プロデュース2022『VAMP SHOW』
日:2022年8月8日(月)~28日(日) ※他、愛知・大阪・福岡公演あり
場:PARCO劇場
料:10,000円 ※他、各種割引あり。詳細は団体HPにて(全席指定・税込)
HP:https://stage.parco.jp/program/vampshow/
問:パルコステージ tel.03-3477-5858(時間短縮営業中)