俳優としても注目される3人だが、本当は生粋のコント育ち 久々の単独ライブは20周年記念? 9年の休眠明け? ……そうは言ってない。

 辻本耕志、竹森千人、吉田ウーロン太の3人によるフラミンゴ。コントを主にしたお笑いユニットだが、この数年はむしろテレビドラマや映画で活躍する俳優のイメージが強い3人。それもそのはず、かつてはコントライブやお笑い番組などでコントを披露していた彼らも、この9年間はユニットとしての活動はほぼ無かったという。ということは、休眠明けの第一弾なのか? 聞けば結成20周年だそうだからその記念か? はたまた何かの前兆か? ――謎が謎を呼ぶいくつもの疑問にこの一言、「そうは言ってない。」

―――みなさんの名前はドラマのクレジットでよく拝見しています。吉田さんなんか長くて目立ちますもんね(笑)。だからフラミンゴは俳優さんのコントユニットだと思っていました。

吉田「この数年、そう思われているなとは思っていました。でも僕達はもともとコントをスタート地点にしているナチュラルボーン・コント集団です。お笑い芸人と言われるほどいろいろ活動してませんし」

辻本「もともとコントライブからスタートして、そのうちにオンエアバトルやエンタの神様とかにも出演して。キングオブコントにも参加しました」

―――それは失礼しました。最初からトリオだったんですか。

吉田「結成前はそれぞれがコンビを組んでいて、同じ事務所だったんです。それが解散して3人で組むことになりました」

竹森「解散はしたけど、これからどうしようかと考えたタイミングだったんです」

吉田「バツイチ同志が集まったみたいなものでね(笑)。それでまずコントライブをやって。でもその後もやることがないから、年に4回くらいライブをしていました。本当にバイトとコントしかやることがなかった(笑)」

―――そんなフラミンゴが、結成20周年というので今回は記念ライブかと……。

3人「そうは言ってない(笑)」

―――言ってないんですね(笑)。しかもその前がだいぶ空いているという(笑)。

3人「9年ですよ、9年(笑)」

吉田「それぞれ忙しくなっちゃったものだから、ちょっと休憩みたいな……まあ、そうとも言ってないんですが(笑)」

辻本「明確に言わないまま9年空いちゃって。いろいろな噂が立ちましたけどね。その間にそれぞれが知名度を上げていこうと頑張りましたが、今回3人でやるに当たって、その知名度が役に立つのか不安ですね」

―――コントのネタは3人で書くんですか?

辻本「最初はそれぞれ書いてました。いまは吉田が書いてます」

吉田「作家を入れたり、いろいろやってみるうちに僕が書くのが良いのかなとなりました。でも演出家が居ないので他に頼んだ方がいいのかなとも思ったんですが、3人とも人見知りで(笑)やめておこうと」

―――9年のブランクの間にコントのスタイルは変わりましたか。

吉田「いつも目指しているのはコントが日常にあるような状態で。起承転結がハッキリしていて、ドーンと落ちる、というより、日常の言葉をこうするともう一歩面白くなる。そんなスタイルのコントを書いています」

辻本「9年前は結構とがっていたと思いますね。今は丸くなった部分もあると思うんです。だから今のフラミンゴが凄く楽しみです。体力は減っているけど、代わりにやれることは増えていると思います。吉田が書いたものに対してのアイデアもいろいろ出てくるでしょう」

竹森「今も昔も替わってないと思うのが、僕等が面白いと思っていることが、みんなもそうだったら良いなということ。吉田の台本は僕等に与えられたおもちゃみたいなもので、それでどうやって僕等が遊べるか、そこが楽しみです」

―――ところでこの9年間。お互い全く会うことはなかったですか?

3人「会ってましたよ(笑)」

吉田「打合せで集まったり、あと単独ライブをしていないだけで、ネタをする機会を頂いたら出ていました」

辻本「あと3人セットで出演するとかね」

竹森「たまにはうち合わせしようよといってファミレスで集まって、それが飽きたから伊豆大島に旅行したりね」

吉田「ただの仲良しオジサンたちですよ(笑)」

辻本「スーパー銭湯行って背中流し合ったり」

―――そのままコントのネタになりません? それ。

竹森「そんなのを自然にやってますね」

―――会場の内幸町ホールですが、昔も何度かここでライブをされてます。こういったら失礼ですが、いわゆる公共ホールで、演劇とかお笑いの小屋と言うイメージがない会場ですよね。

辻本「あそこは僕達がやりたいホールです。屋根がある会場で一番好きなところ。丁度良いんですよ、キャパシティとか」

吉田「コロナのせいで使える会場が減ってきたんです。でも僕等のライブは机と椅子があればできるから、どこか屋根があるところで、と考えたら内幸町ホールになりました。特定のイメージがないから良いんです」

辻本「だから他の芸人さんとかはあまり選ばないのかもしれないですね」

竹森「会場を取るときのライバルはピアノ教室の方々で(笑)」

吉田「会場抽選に毎月行くんです。ピアノ教室の先生に紛れて抽選して外れて(笑)。終わって築地で飯を食うというのがパターンでした」

―――それではそれぞれメッセージを頂きます。

竹森「僕等のコントが初めてだという人も沢山いると思うので、一緒に楽しみましょう! そして僕等自身が楽しんでいる姿も観て欲しいです」

辻本「9年間お待たせしました。30代の自分たちとは違う今のフラミンゴを観て欲しいですね。でもくどいけど体力は落ちてますね、2時間は無理じゃない?」

吉田「9年前にお目にかかった皆さんお元気ですか(笑)? 会っていない間の成長をお互い確認する、そんな同窓会みたいな雰囲気でやれれば良いなと思います。初めての人は勇気を出しておいでください。なにしろ気まぐれで9年もお待たせしちゃったんですから、今回を逃すとまた9年後かも知れない(笑)」

辻本「9年経ったら50代だよ」

吉田「まあ、そうは言っていないのだけど(笑)」

(取材・文&撮影:渡部晋也)

プロフィール

フラミンゴ
2002年夏、辻本耕志・竹森千人・吉田ウーロン太の3名で結成。独自の世界観と個性を生かした演劇的コントが好評を呼び、テレビのお笑いバラエティなどに多数出演。2013年までに計22回の単独コントライブを開催。そこから現在までの9年間に単独ライブは一度も行っておらず、その間「解散したの?」「活動休止なの?」と散々噂される。その間、それぞれが俳優としてテレビドラマや映画で活躍し、いくつもの作品でバイプレイヤーとして注目されつつある。

公演情報

フラミンゴ 第23回コントライブ
『そうは言ってない。』

日:2022年8月21日(日)・22日(月)
場:内幸町ホール
料:4,000円(全席指定・税込)
HP:https://twitter.com/flamingo_t_t_y
問:momocan
  TEL:03-6407-8987(平日11:00~18:00)

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