劇作家・演出家横山拓也の書き下ろし新作を名取事務所が上演
『追熟しない果実』は「多文化共生」をテーマに劇作家・演出家の横山拓也による書き下ろし作品。昨年のピンク地底人3号『燃える花嫁』に続き、名取事務所がテーマを委嘱した作品だ。
多文化共生は名取事務所がミッションの実現を目指し掲げているビジョンの一つであり、喫緊の課題として、本作を通して改めて問いかける。
一時ファッション化された体を成していた「多文化共生」であるが、ここにきて排外主義を強く支持する政党が票を伸ばし、危うい情勢となっている。継続的に同テーマを上演する事で問題提起を促し、自分事として捉え、問題解決に少しでも寄与するために本作が企画された。
横山拓也氏に委嘱した理由は、若者に支持を受けている氏の観客層の獲得と、声高ではなく家族を通したメッセージで幅広い観客層に届けるため。従って従来の俳優陣ではなく、竹下景子・松本紀保・枝元萌を起用。
演出は最近活躍目覚ましい西本由香が担い、実力派の西尾友樹、森尾舞が脇を固める作品となる。
あらすじ
ニホンザルが生息する薪刈山(まきがりやま)の登山口付近にある食堂「つどい」。
1年前にマスターの嘉瀬原浩一が亡くなってから店は休業、浩一の妻・嘉瀬原律子は、細々と一人で暮らしている。かつて、薪刈山のニホンザルの群れに外来種のタイワンザルが紛れ込み、約30匹の交雑種が発生した。当初殺処分が検討されたが、町は保護管理施設を開設し、交雑種を保護。あれから20年が経ち、コロナや町の財政難で施設の存続が厳しくなっている。
あるとき、浩一の甥、嘉瀬原渉と、その妻・美幸、息子・芙羅武の3人家族が関西地方から律子の元を訪ねてきた。「つどい」の常連客であった近所に住む小木谷奈央は、突如住み着いた3人家族を訝しく思っている。渉と美幸夫妻が「つどい」をカフェとして再開しようと律子に提案していることも、小木谷には面白くない。
同じ町で梨とブドウの果樹園を営む梅田陽子と、弟の梅田則夫。近年、施設から抜け出したサルの食害に悩まされていた。
あるとき、芙羅武が箱罠を製作し、交雑種サルを捕らえることに成功。発見時、サルは衰弱死していた。このことがきっかけで、小さなコミュニティーに決定的な軋轢が生じる。
「共生」の道を探る手前で立ち止まってしまった、彼らの動揺と葛藤を描き出す。
| 横山拓也プロフィール 1977年1月21日生まれ。大阪府出身。劇作家、演出家、iaku代表。鋭い観察眼と綿密な取材を元に、人間や題材を多面的に捉える作劇を心がけている。身近にある社会的な問題を取り上げながら、エンタテインメントとユーモアに富んだ会話劇に定評がある。「消耗しにくい演劇作品」を標榜し、精力的に再演を実施。『人の気も知らないで』や『エダニク』は、iaku以外でも、多くの団体によって上演されている。また、韓国では2022年の韓日演劇交流協議会によって『逢いにいくの、雨だけど』(李惠貞訳)朗読公演が開催されて以降、同作が上演される機会が増えている。 |
公演概要
名取事務所公演 『追熟しない果実』
公演期間:2026年10月2日 (金) 〜 2026年10月11日 (日)
会場:吉祥寺シアター(東京都 武蔵野市 吉祥寺本町 1-33-22)
■出演者
竹下景子・松本紀保・枝元萌・西尾友樹・八頭司悠友・森尾舞・西山聖了
■スタッフ
作:横山拓也
演出:西本由香
■公演スケジュール
10月2日(金)19:00
10月3日(土)14:00
10月4日(日)14:00
10月5日(月)14:00AT
10月6日(火)14:00/19:00☆★PT
10月7日(水)15:00AT
10月8日(木)19:00
10月9日(金)19:00
10月10日(土)14:00★
10月11日(日)13:00
AT・・・アフタートークあり
PT・・・プレトークあり
☆・・・手話通訳公演
★・・・視覚障がい者向け事前説明会あり(要予約)
※開場は開演の30分前
■チケット料金(全席指定・税込)
一般:5,500円
【カンフェティ限定!1,000円割引席あり】
お問い合わせ:名取事務所 https://www.nato.jp