配信専門という新形態の劇団univalize 旗揚げから3ヶ月連続公演! 物語を演じる“場”の力が新たな劇空間を創造する

配信専門という新形態の劇団univalize 旗揚げから3ヶ月連続公演! 物語を演じる“場”の力が新たな劇空間を創造する

 10月に旗揚げ公演を行った劇団univalizeは配信専門の演劇ユニット。舞台となる収録場所で俳優たちが公演を行い、それを数台のカメラでライブ配信する形をとる。

 彼らの公演は劇場に束縛されず、逆に言えば演じる“場”が重要になる。今回選ばれたのは福島県飯舘村。10年前の東日本大震災に伴う原発事故で住民が避難せざるを得なかった場所だ。制限が解除されて徐々に帰還が始まっており、「再生の村」とも呼ばれているが、そこから3ヶ月連続で公演を実施する。
 出演はオーディションで選ばれた6人の俳優たち。2人ずつ3組に分かれて毎回3本の作品を上演する。既に10 月公演を終えた彼らに、参加した印象を尋ねてみた。

秀天「カメラで自分が撮られ続ける経験が無かったので、そこは緊張しました。ただ実際の会場に行ってみたら役に入りやすく演じやすかったです。場所の力ですかね」

舞花「私も役に成りきりやすかったです。遠出は好きなので東京から来ても遠いとは思いませんでした。福島には祖母がいて、大好きなところでもありますから」

橘「地元の熊本と通じるところがある気がして、凄くリラックスできました。本番は緊張するのですが、そういったときに広い空を見ると自分の緊張なんてちっぽけだと思いますし、空気が美味しかったです」

橋口「一時期住民の皆さんが住めなくなったところということもあり、結構緊張していたんですが、いざ来てみると自分が思っていたよりは震災の爪痕を感じることもなくて、普通の生活がそこにありました。休日の道の駅なども賑わっていますしね」

野母「感じたのは時の流れでした。震災の時、私はまだ学生で、飯舘村はニュース映像などで沢山目にした場所でした。そのイメージが残ってもいたのですが、止まってしまった時間を動かそうとするパワーも感じました」

燈乃「福島市からさらに1時間かかるのですが、村に着くまでの時間が自分を役に馴染ませてくれた気がします。きっとこの場所の包容力だと思います。演じる役は精神的に追い込まれるので、リハーサル、本番の度に心が辛くなるのですが、そんなとき外の空気を吸うことで救われました」

 場の力も加わって創造される新時代の演劇表現は、大いなる可能性の実証だともいえる。一つの表現が産まれ育つ過程に立ち会えることを喜びつつ、注視していきたい。

(取材・文:渡部晋也 撮影:山本一人[平賀スクエア] メイク:Maiko)

プロフィール

橋口久男(はしぐち・ひさお)
東京都出身。大学卒業後、先輩が立ち上げた劇団、三条会に所属。退団後、いくつかの劇団の公演に参加。現在は映像作品へ出演するなど活動の幅を広げている。

燈乃 縁(とうの・えん)
東京都出身。映画・CM・舞台・テレビ等幅広いジャンルで経験を積んだ後、TSUTAYA、Abema TV、CX のドラマにレギュラーとして出演するなど、演技の幅を広げている。

秀天(ひでてん)
広島県出身。ジャッキー・チェンに憧れて、アクションを極めようと殺陣を学ぶ。NHKの番組出演を経て、演技力をつける為、舞台・映画・テレビドラマ等で活動を行っている。

舞花(まいか)
栃木県出身。高校卒業後、地元企業のプロモーション動画、アーティストのPV のほか、Webドラマではヒロインとして出演する等、各種方面で精力的に活動を行っている。

橘 奈穂(たちばな・なほ)
熊本県出身。大学で演劇の勉強を始め、声優の養成所を経て、劇団ヘロヘロQ カムパニーに入団。劇団退団後は舞台出演の他に、ユニット立ち上げやモデルとしても活動を行っている。

野母史香(のも・ふみか)
東京都出身。20歳から脚本家が主宰する劇団に所属し演技を学ぶ。舞台の他、各種映像作品やテレビドラマに出演。近年は演劇の企画等も行い、創作活動の幅を広げている。

公演情報

『劇団univalize 旗揚げ公演
 at 福島県飯舘村 Vol.3』【配信公演】

日:2021年12月初旬~中旬予定
 ※Confetti Streaming Theaterにて配信実施予定
料:最新情報は公式HPにてご確認ください 
HP:https://www.univalize.com/team-univalize/
問:劇団univalize tel.03-5340-7549

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