直木賞作家・今村翔吾のデビュー作「火喰鳥 羽州ぼろ鳶組」が、初の舞台化として1月23日より、銀座・博品館劇場にて上演する。
かつて「火喰鳥」と称えられるも、過去のトラウマから浪人生活を送っていた凄腕の火消し・松永源吾が、出羽新庄藩から壊滅した火消組の再建を依頼され、一癖も二癖もある仲間たちと「ぼろ鳶組」を結成。謎の不審火や江戸の大火に立ち向かう物語で、2025年春には瀬口忍氏により『週刊少年チャンピオン』にて漫画化、今月11日にはCBC・TBS系「アガルアニメ」にてアニメ放送がスタートするなど、今注目の作品。
出演は、主人公・松永源吾役の橋本祥平をはじめ、山根航海、古幡亮(WATWING)、山本望叶、中村太郎、室田真宏、伊崎龍次郎、高士幸也、松田大輔(東京ダイナマイト)らといった、2.5次元舞台を中心に活躍中の俳優から、歌手、ダンサー、アイドル、お笑い芸人など様々なジャンルから集まり、脚本・演出には吉村卓也、音楽にはFLOWのTAKEが務める。
開幕約2週間前となる1月上旬、都内某所にて稽古場取材と主演の橋本祥平へのインタビューを行った。
稽古場取材
取材した日は、「ぼろ鳶組」が結成され、不審火の謎に迫るシーンの返し稽古が行われていた。
幕ごとのシーンの終えると、吉村が淡々かつ、身振り手振りを入れながらフィードバックする。決して声を荒げることは一切なく、褒めるところではしっかりと褒めつつ、じっくりと時間をかけて、細かい動きやセリフの言い回しを指示していた。特に本作が初舞台となる山根、アーティスト活動が中心の古幡やNMB48を昨年卒業した山本には、より時間をかけて丁寧に確認し、その様子を一歩後ろで見守る座長の橋本の視線が印象的だった。
また、稽古中は常に緊張感が包まれた空気感があったが、松永源吾の妻を演じる山本が橋本の肩を強く叩くシーンで、山本が遠慮したのか中途半端な強さで肩を叩いてしまったところや、松田が殺陣に苦心し思わず弱音を吐いた場面では、大きな笑いが起きていた。
衣装・照明・映像が加わった時、どのような世界観が構築されるか、本番が楽しみでならない。
橋本祥平インタビュー
――稽古休憩中にお時間をいただいてありがとうございます。まだ稽古は前半の段階になりますが、座組の雰囲気はいかがですか。
橋本「作品上、どうしても熱量というものが必須になってくる舞台だと思うんです。稽古初日から何日か経過して、各々のキャラクター像も掴めて、徐々に熱量が上がってきている感覚はありますし、このまま順調に一段一段上がっていけばいいものが出来ると思いますね」
――座組の特徴として、様々なジャンルの方が出演されていたりと、今までとはまたちょっと違う座組の雰囲気かなと思うんですが。
橋本「そうなんですよ! だから僕自身もすごく新鮮です。もちろん中村太郎や伊崎龍次郎といった知り合いもいるんですが、はじめましての方が多い座組なので、僕の中ではワクワクしています。山根さんは今回が初舞台ですけど、初舞台って記念になる作品じゃないですか。この作品を初舞台として選んでくれたというのは、僕も真ん中に置かせていただいてる身としては、公演が終わった後に「この作品でよかった」と言ってもらえるような作品を作っていきたいなと思います」
――稽古場を拝見して、吉村さんがフィードバックしている間、橋本さんが常に一歩後ろの位置で共演者を見守っている姿が印象的でした。
橋本「もちろん言えることがあればとは思うんですけれど、僕がどうこう言う立場ではないので、もし困っている方がいたら『僕でよければいくらでも相談に乗りますよ』みたいなスタンスですね」
――稽古が進んでいる状況を踏まえて、本作の見どころや注目ポイントを教えていただけますか。
橋本「今回は殺陣もあったりするんですが、我々の最大の敵はやはり【火】なわけじゃないですか。当然本物の火を使うことは出来ないので、実在ではない火を本物の火に見えるようにするのも我々の表現次第で、敵だけど味方でもあらなきゃいけない存在だと思うんです。映像で火を表現することもありますが、それ以外の部分の表現で、本当の熱さや臨場感を、僕らを通して見えるようにしなければいけないというのが、最大の課題だと、感情や生命感がない火とどう向き合っていくか。“ない”ものを“ある”として見せるのが表現者の務めでもあるので、お客様に見せたいのは“温度感”です。観終わった後にじんわりと額に汗が一雫でもお客様にあったら、僕の中では勝ちでございます。汗とともに涙も含まれるといいですね」
――先程「殺陣もある」と話されていましたが、橋本さんも殺陣をされるんでしょうか。
橋本「僕はないんですよ。源吾は武士として人並み以下ぐらいの剣術なので、殺陣のシーンでは『楽しそうだな』と思いながら見守っています(笑)。今まで出演してきたような身体的に動いて、アクションをするポジションではないですし、鳶頭のような役どころは今回が初めてなので、正直迷っています。きっと我慢しなくてはいけない部分もあるのだろうと思っていて、我慢の演技をすることは演じる上で非常に重要ですし、動かずともどっしりしていて、それだけで間が埋まるようになってくれればいいなと思っています」
――橋本さんにとっても新境地の作品になりそうですね。ではこのインタビューをご覧になられている方に向けて意気込みをお願いします。
橋本「まずはこの記事を読んでくださってありがとうございます。本当にいろいろな畑の方々が集まって作る舞台なので、みんなが見ている方向は一緒ですし、この熱量や火の温度などが全部バチッとハマった瞬間、とんでもない作品になると思いますので、ぜひその奇跡を劇場にて刮目してくれたら嬉しいなと思います。よろしくお願いします!」
舞台『火喰鳥-羽州ぼろ鳶組-』は2月1日まで上演。
(取材・文・撮影/冨岡弘行)
公演情報
舞台『火喰鳥-羽州ぼろ鳶組-』
日程:2026年1月23日(金)~2026年2月1日(日)
会場:博品館劇場
原作:今村翔吾「火喰鳥」(祥伝社)
脚本・演出:吉村卓也
出演:橋本祥平、山根航海、古幡亮(WATWING)、山本望叶、中村太郎、室田真宏、伊崎龍次郎、高士幸也、松田大輔(東京ダイナマイト)
【ステージングキャスト】中島弘輝、仙波好基、飯山真衣、福田麗、安居佑馬、髙木一哉
料金:S席 12,000円(A列~H列 / キャスト選択制非売品ブロマイド(L版)付き)
A席 8,000円(I列~S列)
(全席指定・税込)
公式サイト:https://hikuidori-stage.com/
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