―― なぜ私たちは、阿部定を忘れられないのか。
俳優・福田ユミがプロデュース・主演を務める舞台『定や、定』の上演が決定した。福田ユミプロデュース公演の第4弾となる本作は、2026年7月15日(水)から19日(日)まで、東京・中野「劇場HOPE」にて上演される。
1936年、日本中を震撼させた「阿部定事件」。事件から90年近くが経った今もなお、その名は語り継がれ、映画・小説・演劇など数多くの作品の題材となってきた。しかし私たちは、本当に阿部定という女性を理解しているのだろうか。
本作『定や、定』は、センセーショナルな「事件」として消費され続けてきた阿部定を、一人の人間として見つめ直す二人芝居である。少女時代から社会の周縁へ追いやられ、男たちに翻弄されながら、なお愛を求め続けた女。その人生には、欲望だけでは片づけられない深い孤独と執着、そして激しい生命力があった。
脚本を手掛けるのは、劇団「鵺的」を主宰し、人間の欲望と社会の闇を鋭く描いてきた高木登。阿部定が生涯にわたり腐れ縁を続けた男“A”役には、舞台・映像の第一線で確かな存在感を放つ寺十吾。演出には、骨太な人間ドラマで高い評価を受ける浜谷康幸を迎える。
空気を読み、正解を求められる時代。私たちはいつから、自分自身の本音よりも周囲との調和を優先するようになったのだろうか。阿部定は、決して肯定される存在ではない。しかし彼女は、誰もが本音を飲み込みながら生きるなかで、自らの感情や欲望から最後まで目を逸らさなかった一人の人間でもあった。その危うさと純粋さは、現代を生きる私たちに何を問いかけるのか。
二人芝居という極限まで削ぎ落とされた空間の中で、愛とは何か、支配とは何か、女として生きるとは何かを問い続ける。昭和という時代に飲み込まれながら、それでも懸命に生きた一人の女の姿を通して、人間の“業”と“愛”の本質に迫る作品である。
主演・福田ユミ コメント
「阿部定という名前だけが独り歩きし、事件の向こう側にいた一人の女性の人生や感情は、あまり語られてこなかったように思います。彼女は本当に狂っていたのか。それとも、誰もが抱える愛や執着の果てにいたのか。観客の皆さまと一緒に、その問いを見つめる作品にしたいと思っています。」
公演概要
福田ユミプロデュース公演 Vol.4 舞台『定や、定』
欲望か、愛か。
阿部定という女
■公演日程
2026年7月15日(水)〜 7月19日(日)
■会場
中野・劇場HOPE(Pocket Square B1F)
■脚本:高木 登(鵺的)
■演出:浜谷 康幸
■出演:福田ユミ、寺十吾
■料金
全席指定 ¥5,800(税込)※前売・当日共
詳細は公式HP https://fukudayumi.com/produce/sadayasada/ をご確認ください
■お問合せ
mail@fukudayumi.com