ロームシアター京都での初演が話題を呼んだ作品、Dr. Holiday Laboratory『想像の犠牲』が上演決定!

2025年5月、吉祥寺シアターにて、Dr. Holiday Laboratoryの『想像の犠牲』が上演される。

Dr. Holiday Laboratoryは2021年の設立、山本ジャスティン伊等(主宰)、石川朝日
小野寺里穂油井文寧ロビン・マナバットの5名をメンバーとして、東京・神奈川を拠点に活動している。演劇を主な表現手段としている一方で、ダンス、小説、川柳など、ジャンルを横断して表現制作を行っている。

本作は2024年度のロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム“KIPPU”に選出、京都公演で話題を呼んだ作品となっている。ロシア人映画監督アンドレイ・タルコフスキーの遺作である『サクリファイス』に着想を得て描かれ、ウクライナやパレスチナをはじめ、様々な国や地域で戦争が起こる現在、戦争を演劇で描くことの意味を、メタフィクション的な手法を用いて問う作品だ。

また、本作にあたり、批評家・俳優・研究者からのコメントやレビューが届いている。

戯曲とは何か。役を演じるとは何か。そして戦争を演劇として表現するとは、何を意味するのか。演劇と歴史の関係をラディカルに問う、「フェイク・読書会演劇」を目撃してほしい。

批評家・俳優・研究者からのコメント

『想像の犠牲』を観に、そのためだけに京都に行った。客は多くなかった。2024年に観た沢山の舞台の中で、一、ニを争うほどの傑作だった。想像の犠牲、創造の擬制、闘争の姿勢。演劇に何が出来るか、ではなく、演劇には何が出来ないのかについての、果敢にして切実な実践。
——佐々木敦(批評家)
京都でこれを観た時、今まだ演劇を知らない未来の演劇人によって十年後にこれが上演されている風景を脳内で見た。良い作品は後世に残る。誰かが行ったタイムトラベルによって過去が改変され、現在に至るまでの記憶が2時間かけて書き換わっていくような感覚だった。それくらいに素晴らしい作品だった。
——黒澤多生(俳優・舞台監督)
『想像の犠牲』は幾重にも仕掛けが張り巡らされたメタ演劇であるだけでなく、美術批評家のボリス・グロイスが指摘しているようなパフォーマンスと記録の関係における問題が悉く意識されている。演劇と記憶と表象をめぐる思考の旅だ。
——上田洋子(ロシア文学者、ロシア語通訳・翻訳者、ゲンロン代表)

ロームシアター初演公演評

上田洋子(ロシア文学者、ゲンロン代表)「犠牲は想像できるのか」
https://rohmtheatrekyoto.jp/archives/dr-holidaylaboratories_review/

岡田蕗子(日本近代演劇研究) 「想像力が世界を変容させることについ
ての堂々巡り」
https://rohmtheatrekyoto.jp/archives/dr-holidaylaboratories_review2/

あらすじ

演劇をやめて久しい土井は、かつて出演した演劇作品の「演出家」の弟を名乗る人物から、演劇の上演を依頼される。そこで土井が受け取ったのは、アンドレイ・タルコフスキーのある映画をもとに書かれた、演劇と救済にまつわる、一本の奇妙な戯曲だった――。
《浜辺から一本隔てた、ヤシの等間隔に並んでいるサンタモニカの明るい通りを歩きながら、僕はそのことを思い出している。僕は、僕の知らないうちに、加害し、陵辱し、あるいはすでにその一部になっているのではないか? という奇妙な恐怖のことをです。》

Dr. Holiday Laboratoryとは

2021年設立。山本ジャスティン伊等(主宰)、石川朝日、小野寺里穂、油井文寧、ロビン・マナバットの5名をメンバーとして、東京・神奈川を拠点に活動。演劇を主な表現手段としながら、ダンス、川柳、小説などジャンルを横断しながら制作を行う。
山本の演劇作品は、文法や時空間の破綻を孕む饒舌かつ多層的な構造を持つ戯曲と、不気味な笑いや挑発的な態度を特徴とした演出が特徴。その作品は小説家の保坂和志や美術家のミヤギフトシなどからも高く評価されている。近作に『うららかとルポルタージュ』(2021)、『シャッセナンビ』(2022)、『脱獄計画』(2023)。

公演情報

Dr. Holiday Laboratory
『想像の犠牲』 東京公演

■公演日程
2025年5月3日(土)〜5日(月・祝)
5/3(土)13:00 ★18:00
5/4(日)13:00 18:00
5/5(月・祝)13:00
※全席自由
★アフタートーク実施回
5/3(土)18:00 ゲスト:佐々木敦(批評家)
※他の回のアフタートークに関しては決まり次第、本特設webページにて発表予定

【クレジット】
作・演出:山本ジャスティン伊等*
出演:石川朝日* 佐藤駿 田崎小春(青年団/melomys) 油井文寧* ロビン・マナバット*
舞台美術:佐々木文美(FAIFAI) 衣装:藤谷香子(FAIFAI) 照明:吉田一弥
音楽:SKANK/スカンク(Nibroll) ドラマトゥルク:吉水佑奈
舞台監督:夏目雅也
アートディレクション:山本浩貴+h(いぬのせなか座)
制作:小野寺里穂* 制作補佐:遠藤七海
*Dr. Holiday Laboratory

台詞引用:映画『サクリファイス』(1986 監督:アンドレイ・タルコフスキー/字幕:清水俊二)より
発売元:アイ・ヴィー・シー ©Svenska Filminstitutet ¥6,800(+税)
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[東京芸術文化創造発信助成]、公益財団法人
全国税理士共栄会文化財団
主催:Dr. Holiday Laboratory

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