【製作発表会 コメント到着!】ブロードウェイとウエストエンドを感動に包んだ話題作『インヘリタンス-継承-』待望の日本初演!

オリヴィエ賞4部門、トニー賞4部門受賞!
前後篇6時間半でつづる愛の物語

インヘリタンス-継承
THE INHERITANCE by Matthew Lopez

《前篇》
エリック(福士誠治)と劇作家のトビー(田中俊介)、初老の不動産王ヘンリー(山路和弘)とそのパートナーのウォルター(篠井英介)の2組のカップルを中心に物語は展開する。
ウォルターは「田舎の家をエリックに託す」と遺言して病死する。
トビーの自伝的小説がヒットしてブロードウェイで上演されることになるが、その主役に抜擢された美しい青年アダム(新原泰佑)の出現により、エリックとトビーの仲は破たんする。
しかしトビーはアダムにふられ、彼にそっくりのレオ(新原泰佑 二役)を恋人にする。
一方、リベラルと保守の両極のようなエリックとヘンリーが、ふとしたことから心通わせる。
エリックは、ウォルターの遺言の「田舎の家」が、エイズで死期の近い男たちの看取りの家となっていることを知る。

《後篇》
エリックとヘンリーが結婚することになり、ジャスパー(柾木玲弥)ら古い友人たちとの間に溝ができる。
結婚式に、トビーがレオを伴って現れる。レオを見て顔色を変えるヘンリー。トビーは式をぶち壊して失踪する。
トビーに捨てられHIVに感染し行き場をなくしていたレオをアダムとエリックが救う。
レオを「田舎の家」に連れて行くと、そこには男たちに寄り添い続けたマーガレット(麻実れい)がいて、この家で起ったことを語り始める…。
ウォルターの遺志を継ぐ決心をするエリック。
レオは彼らの物語を書き残していく。

作家マシュー・ロペスはフロリダ生まれのプエルトリコ系。
幼い時からゲイと自覚し、田舎町で孤独を味わっていた。ある日、町の映画館で、E・M・フォースター原作の映画『ハワーズ・エンド』を見た彼は、激しく魂を揺さぶられた。
E・M・フォースターは19~20世紀のロンドンで活躍した大作家で、他に『インドへの道』『眺めの良い部屋』などで知られる。後に、ロペスは、フォースターが生涯ゲイであることを隠し、傑作ゲイ小説『モ―リス』を生前発表しなかったことを知り、映画の感動の正体を理解した。あの時彼は、時空を超えてフォースターの魂とつながり、「君は一人ではない」という励ましを得たのだ。ロペスはそれを「継承」すべく、『インヘリタンス』を書くことを決めた。
『ハワーズ・エンド』はロンドンを舞台に、価値観の違う二つの家族の運命が一軒の家をめぐって交錯するさまを描いた物語だが、ロペスは『インヘリタンス』で、それを世代の異なるゲイカップルたちに置き換えた。また、物語の外枠に、自分の話を書こうとする若い男たちと、それを指導するフォースターと思しき男性を配して、「語り継ぐ」というモチーフを鮮明に打ち出した。
映画版で家の権利者マーガレットを演じた英国を代表する大女優ヴァネッサ・レッドグレーブが、本作で同じ役名のキ―パーソンを演じてロンドン公演で後篇のみのカメオ出演を果たしたことも話題を呼んだ。

今まで自分は人の暗部や闇、社会の記憶などを描き、それに向き合っていく作品に惹かれてきました。
“過去は死なない 過ぎ去りさえしない” W.フォークナー
「私とは何者なのか」…人は何らか自分自身を演出しています。が、自分の本質を理解しない限り、本当の意味で人と人は結びつくことは出来ないと思います。『インヘリタンス-継承』に「癒すか、燃やすか」という台詞が出てきます。自分を成り立たせているもの、つまり自分の過去に(たとえ痛みが伴おうとも)向き合うこと。そうしなければ、次の一歩に踏み出せない、人と人が互いに理解しあうことは出来ない…『インヘリタンス-継承-』の最後で語られる「過去、現在、未来が一つに繋がる」という大きなテーマにつながる一言です。
もう一つの魅力は、一義的な視点ではなく、多様な視点で語られていることです。『インヘリタンス-継承-』で描かれている沢山の会話は、加害者や被害者、白人や黒人、リベラルと保守、さまざまな背景をもつ人々の言葉で紡がれます。次の世代に「継承」されるものも「正」とされることだけではありません。
”良い芸術作品は、質問を与えるだけだ”というピーター・ブルックの言葉があります。古びない作品は質問を投げかけるだけで、答えを与えてくれるものではない。この作品でも様々な視点を投げかけてくれる。それがすごく面白いと思います。
そして、俳優の皆さんにはこの作品を選択してくれた勇気に感謝しています。
初めましての方もお久しぶりの方もいますが、題材も6時間半という長さも相当な覚悟がいる作品です。これから始まる創作が楽しみでなりません。(談)


撮影:阿部章仁

【演出】熊林弘高 ※ビデオメッセージ

本作品の演出を担当させて頂きます、熊林弘高です。
初めて出会ったクィア作品(※)は、映画「蜘蛛女のキス」でした。ヴィスコンティ、アン・リー、フランソワ・オゾン、グザヴィエ・ドラン、ベルトルッチの「暗殺の森」、ウォン・カーウァイの「ブエノスアイレス」、「ムーンライト」…ふと思い出すだけでも様々な国のすばらしい映画が浮かびます。ボルヘスは”書物は人々の記憶で歴史だ”と記しました。
私にとって”クィアの歴史”とは”映画”だと言えます。エベレストを装備なく登らないように、『インヘリタンス』という巨峰(葡萄じゃないです)を偉大な映画監督から継承したはずのものに背を押されながらこれから登頂しようとしております。
福士(誠治)さん、柾木(玲弥)さん、山路(和弘)さん、麻実(れい)さんは、何度か時間を共に過ごした大切な仲間です。以前より存じ上げていた篠井(英介)さん、映画を観て惹かれた田中(俊介)さん、信頼する方のご紹介で出会った新原(泰佑)さん、と「よくぞこの作品を引き受けていただきました」とまずは感謝を捧げたくなる勇敢な俳優とスタッフと共に辿り着いた頂きからの眺めがどんなになるかを考えると、今はその過程の困難さに怖気づくより、楽しみな方が日に日に勝ってきております。

※LGBTQ+を登場人物にした作品や当事者たちが制作した作品のジャンル

福士誠治 / エリック・グラス役

熊林(弘高)さんの演出作品に出演するのは三本目です。僕の中では熊林作品の稽古場は楽しいイメージがあり、また、自分がイメージする作品の読み方や表現の仕方を越えてくださる演出家さんだと思っています。2本目にご一緒した『イントゥ・ザ・ウッズ』というミュージカルでは、3メートルくらいの高さから歌いながら跳ぶという初めての経験もさせていただきました(笑)。本作は6時間半の大作ですが、その中で何度驚かされるのだろうと、今から楽しみです。
いろいろな「愛」という言葉がありますが、人が人を愛する美しさ、または愚かさといった、止められない気持ちをこの作品から感じました。それを自分なりに表現して、作品を通して「愛」を伝えられたらと思っています。こちらにいらっしゃる皆さんと一緒に、素晴らしい作品になるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします。

田中俊介 / トビー・ダーリング役

僕の人生経験ではたどり着けない痛みや苦しみを背負った役を演じます。難しいと思いますし、作品作り自体も相当な覚悟がいると思っています。でも、コロナ禍で味わった人との距離感、それによって人との関わり方が分からなくなっている現在の感じは、この作品にとてもリンクする部分があるなと思いましたので、出演を決めました。熊林(弘高)さんの演出作品は初めてで、初対面では優しさや温かさを感じたのですが、「通し稽古は一、二回しかやらないよ」とご本人から言われまして、「まじか」という表情で新原(泰佑)くんと顔を見合わせてしまいました(笑)。今、皆さんのお話を聞いてビビっております(笑)。通し稽古が5回でも6回でもできるよう、なんとかしがみついていきたいと思います。

新原泰佑 / アダム役・レオ役(二役)

この作品で僕は、顔は瓜二つですが、正反対の二人の人間という二役を演じさせていただきます。とても大切な役をいただけて大変光栄です。演出の熊林(弘高)さんとはオーディションでお会いしたのが初めてで、とても気さくな優しい感じの方なのですが、田中(俊介)さん同様、熊林さんの作品経験がある諸先輩方のお話を伺い、今からワクワクしつつビクビクしております。
キーパーソンともいえる役ですし、自分自身も作品のキーパーソンとなるよう稽古を頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

柾木玲弥 / ジャスパー役

熊林(弘高)さんとは2021年の『パンドラの鐘』に出演させていただいて、またこうしてご一緒できることをとても嬉しく思っております。そのときには、あまり稽古をされない演出家さんという噂を聞いていたのですが(笑)、『パンドラの鐘』ではしっかり稽古していただきました。本当に映画やお芝居の知識が豊富な方で、稽古中に歓談させていただいた際には、役の参考になる作品などいろいろと教えていただいてとても助けていただきました。僕はここにいらっしゃる皆さんより舞台経験は少ないと思いますし、6時間半というここまで長い作品は初めてです。稽古も長期にわたる中で、今から何を準備したらいいのか、何を頑張ったらいいのかなども見当もつきません。とりあえず、健康管理をしっかりとして作品に臨みたいと思います。

篠井英介 / ウォルター役・モーガン役(二役)
※体調不良で欠席のため音声メッセージ

本日は発熱してしまい、皆さんにお会いできず残念です。この作品は一生にあるかないかというくらいの大作です。心して、皆さんのお力を借りながら、足手まといにならないように一生懸命務めたいと思っております。ご覧になる方々にとっても大変な作品だと思いますが、熊林(弘高)さんのご指導のもと、皆一丸となってよい作品になることを願っております。よろしくお願いいたします。

山路和弘 / ヘンリー・ウィルコックス役

まだこの作品がどのような物語なのかも知らないときにお電話をいただいて、演出は誰でどなたが出演されるのかをお聞きしまして、そのメンツでは断ることはできないなと(笑) ご一緒するのは三本目になりますけれども、信頼できる演出家の熊林(弘高)さん、さらに麻実(れい)さんも出演されるとお聞きして、喜んで引き受けさせていただいた次第です。私は来年で70歳になりますが、この仕事をしてきた中で、多くのマイノリティーの方々とお会いしてきました、既に亡くなった方もいます。そんな彼らが、これが観たかったんじゃないかと思える恋愛感情を表現できたらいいなと、心密かに考えています。楽しみにしていてください。

麻実れい / マーガレット役

この繊細な作品に参加させていただきますこと、とても幸せに感じています。熊林(弘高)さんと初めてお会いしたのはまだ演出家でなかった当時のことでしたが、その後演出家として立たれて、『おそるべき親たち』という作品で初めてご一緒したときには、「仲間」の一人として好きなことを言わせていただきました(笑) でも、役者を緊張させずに好きなようにやらせながら、最後はまとめていくという素晴らしい演出家さんで、この歳になってもまだご一緒させていただけるなんてとても幸せなことです。今回はどんな”熊ちゃん”を見せてもらえるのだろうと期待しております。

『インヘリタンス-継承-』
THE INHERITANCE by Matthew Lopez

【作】マシュー・ロペス(E・M・フォースターの小説「ハワーズ・エンド」に着想を得る)
【訳】早船歌江子
【ドラマターグ】田丸一宏
【演出】熊林弘高

【スタッフ】
美術:二村周作
照明:佐藤啓
映像:松澤延拓
音響:長野朋美
衣裳・宣伝衣裳:伊藤佐智子
ヘアメイク・宣伝ヘアメイク:稲垣亮弐
ムーブメント:柳本雅寛
舞台監督:齋藤英明
宣伝美術:浜辺明弘、松﨑貴史
宣伝写真:ケイ・オガタ
宣伝コーディネート:奈良間里加子

【出演】
福士誠治 田中俊介 新原泰佑 柾木玲弥
百瀬 朔 野村祐希 佐藤峻輔 久具巨林
山本直寛 山森大輔 岩瀬 亮
篠井英介 山路和弘
麻実れい(後篇のみ)

【主催】東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
【特別後援】公益財団法人日本国際交流センター/グローバルファンド日本委員会
【後援】世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)/アメリカ大使館
【助成】ビル&メリンダ・ゲイツ財団/Fund for the Global Fund
※ビル&メリンダ・ゲイツ財団と Fund for the Global Fund は、グローバルファンド日本委員会への助成を通じて本公演を支援しています。
【企画制作】東京芸術劇場

公式サイト:https://www.inheritance-stage.jp
■お問い合わせ:東京芸術劇場ボックスオフィス
 0570-010-296 (休館日を除く 10:00~19:00)
 https://www.geigeki.jp

東京公演

東京芸術劇場 プレイハウス
2024年2月11日(日・祝)~2月24日(土)

■チケット

《前後篇 セットチケット》
【通し券】
S席:18,000円
A席:14,000円
 ※同日の前後篇通し券(2月11日、14日、17日、21日、23日のみ)
【他日セット券】
S席:18,000円
A席:14,000円
 ※前後篇違う日を選びたい方のチケット
 ※東京芸術劇場ボックスオフィス電話・窓口のみ取扱い

《前篇・後篇 シングルチケット》
S席:11,500円
A席:10,000円
サイドシート:5,500円

★65歳以上、25歳以下、高校生以下割引チケットあり
 ※東京芸術劇場ボックスオフィスにて前売のみ取扱い
 ※枚数限定・要証明書
>>東京芸術劇場ボックスオフィス
 0570-010-296(休館日を除く 10:00~19:00)
 https://www.geigeki.jp

※障害者手帳をお持ちの方は、割引料金でご観劇いただけます。(要事前申込、通し券・セット券は対象外)
※車いすでご鑑賞を希望のお客様は、東京芸術劇場ボックスオフィスへお問い合わせください。
※全日程でヒアリングループ(磁気ループ)を作動します。
 ご利用については事前に東京芸術劇場ボックスオフィスにてご確認ください。
※ご来場前に必ず当劇場webサイト内の注意事項と本公演の最新情報をご確認ください。

◎託児サービス
東京芸術劇場でご鑑賞の際には一時託児をご利用いただけます。(要事前予約・有料・定員制・土日祝を除く希望日1週間前までに申込)
お問合せ:ミラクスシッター 0120-415-306(平日9:00-17:00)

■地方公演

《大阪公演》
2024年3月2日(土) 森ノ宮ピロティホール
[前篇]12:00 [後篇]17:00

《北九州公演》
2024年3月9日(土) J:COM北九州芸術劇場 中劇場
[前篇]13:00 [後篇]18:00

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